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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 - Agent(UNIX(R)用)


6.2.1 バックアップの取得

JP1/IT Desktop Management 2 - Agentはリカバリ機能を指定されたパッケージが配布されると、そのパッケージを組み込む前に旧バージョンのバックアップを取得します。パッケージの種類ごとにバックアップを取得する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 日立プログラムプロダクトの場合

配布されたパッケージの旧バージョンのバックアップを取得します。旧バージョンのパッケージがインストールでエラーとなっていた場合、バックアップは取得されません。セットアップでエラーとなっていた場合、バックアップは取得されます。

(2) 他社ソフトウェアの場合

リカバリ機能を使用できるのは、HP-UX版の他社ソフトウェアだけです。

リカバリ機能を使用して、HP-UX版の他社ソフトウェアを配布すると、配布先システムでは、OSの標準インストールコマンドswinstall-x autorecover_product=trueオプションを付けて実行されます。その際、バックアップが取得されます。

(3) ユーザデータおよびユーザプログラムの場合

通常は、上書きされるファイルのバックアップを取得しますが、バックアップリストを使って、任意のバックアップを取得することもできます。

(a) バックアップリストを使わないバックアップの取得

バックアップリストの指定がないパッケージが組み込まれている場合、次のバージョンの配布でリカバリ機能が実行されたときには、上書きされるファイルおよびディレクトリのバックアップしか取得されません。そのため、配布先システムに組み込まれたあとで生成されるファイルやディレクトリのバックアップは取得されません。

バックアップリストを使わない場合のリカバリを図6-1に示します。

図6‒1 バックアップリストを使わない場合のリカバリ

[図データ]

(b) バックアップリストを使ったバックアップの取得

組み込み後に生成されるパッケージのファイル名やディレクトリ名をバックアップリストに記述すれば、これらのバックアップも取得できます。バックアップリストを作成後、登録ファイルのUAPBackupListでバックアップリスト名を指定してください。これによって、バックアップリストを指定したパッケージが組み込まれたあと、次のバージョンの配布でリカバリ機能が実行されたとき、バックアップリストの指定に従ってバックアップが取得されます。

バックアップリストを使う場合のリカバリを図6-2に示します。

図6‒2 バックアップリストを使う場合のリカバリ

[図データ]

バックアップリストには、組み込み後に生成されるファイルおよびディレクトリだけでなく、上書きされるパッケージのファイルおよびディレクトリも記述してください。

バックアップリストにファイルおよびディレクトリを記述する場合、注意する事項を次に示します。

  • 絶対パス、相対パスのどちらでも指定できます。相対パスを指定した場合は、前回の組み込み先のディレクトリ下のファイルが対象になります。

  • 1エントリごとに[Enter]で区切り、1行に1エントリとしてください。

  • 各エントリはUNIXの正規表現を使って記述できません。

  • '」を使ってディレクトリ名やファイル名を記述できません。

  • ソケットデバイスを記述しないでください。