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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 - Agent(UNIX(R)用)


5.8.2 動作環境設定用ファイルの設定項目

〈この項の構成〉

(1) メッセージの言語環境

JP1/IT Desktop Management 2 - Agentが出力するメッセージの言語環境として、言語種別と時刻(タイムゾーン)を設定します。これらは、環境変数LANGおよびTZに設定します。設定例を次に示します。

LANG=C
TZ=JST-9
export LANG TZ

デフォルトで英語環境が設定されています。デフォルトとは異なる環境に変更する場合に設定してください。また、syslogへのメッセージ出力は英語で出力され、出力する言語を変更することはできません。

(2) 処理結果送信の再試行回数

配布管理システムへの処理結果の送信に失敗したとき、送信を再試行する回数を設定します。処理結果送信の再試行回数は、次のように設定します。「export SNDCNT」などの記述は必要ありません。なお、設定ファイルのWorkstationTypeに「CLIENT」を設定している場合、この項目は設定しないでください。

SNDCNT=処理結果送信の再試行回数

再試行回数は、0〜9の範囲で指定します。指定を省略すると、送信が完了するまで再試行します。送信の再試行は、1分間隔で実施します。

再試行回数を超えると、KDDM0541-Wメッセージをsyslog、および基本機能のMAIN.LOGFログファイルに出力します。要因を取り除いたあと、以下のどちらかを実行してください。その場合の再試行も、1分間隔、またはJP1/IT Desktop Management 2 - Agentの設定ファイルのWatchTimeofStatusに指定した時間間隔で実施します。値に2以上を指定すると、試行回数となります。

配布管理システムからの処置

エンドWSに対して指令を実行します。

エンドWSでの処置
  • HP-UX以外の場合

    rdsft -a〔-h上位システムのホスト名〕

  • HP-UXの場合

    /opt/NETMDMW/bin/rdsft -a〔-h上位システムのホスト名〕

(3) ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバ起動失敗時リトライ回数およびリトライ間隔

ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバ起動失敗時リトライ回数、およびリトライ間隔を次のように指定します。

BINDRETRY=リトライ回数
BINDRETRYINTERVAL=リトライ間隔

リトライ回数は、1〜256回の範囲で指定します。値を省略した場合は、20が仮定されます。リトライ間隔は、1〜300秒の範囲で指定します。値を省略した場合は、60秒が仮定されます。

(4) 通信での無応答監視時間

中継システムとクライアントの通信中の時間を監視します。この監視時間は、次のように指定します。

COMWAT=監視時間

監視時間は、0〜2,147,483,647秒の範囲で指定します。値に0を指定すると、監視は行われません。値を省略した場合は、60秒が仮定されます。

重要

Linuxの場合は、動作環境設定用ファイルのCOMWATに0を指定しないでください。

(5) コンソール出力メッセージの抑止

JP1/IT Desktop Management 2 - Agentが標準出力へのメッセージ出力に失敗したときに、コンソールにメッセージを出力するには、次のように指定します。

CONSOLEMSG=YES

「NO」を指定すると出力されません。省略時のデフォルト値は「NO」です。

「YES」を指定すると、コンソールロックによりJP1/IT Desktop Management 2 - Agentの処理が滞る場合があるため、「NO」で使用することを推奨します。

「NO」の場合にも、基本機能のメッセージログファイルやsyslog ファイルにメッセージの内容は出力されます。

(6) ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバの機能停止を検出する時間

ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバの機能停止を検出する時間を設定するには、次のように指定します。

SOCKETLOOP=検出時間

検出時間は300〜65,535秒の範囲で指定します。値を省略した場合は、300秒が仮定されます。

(7) 資源登録・収集時のパス名の制限の解除

デフォルトでは、次のパス名は資源登録および収集時に使用できません。

これらのパス名を使用できるようにするには、次のように指定します。

PROHIBITPATH=NO

サンプルファイルには「#PROHIBITPATH=NO」と記述されているので、先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。「export PROHIBITPATH」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「YES」が仮定され、上記のパス名は資源登録および収集に使用できなくなります。

(8) 他社ソフトウェアインストールログファイルのサイズ

他社ソフトウェアを配布すると、インストール情報が他社ソフトウェアインストールログファイル(ISVSOFT.LOGF)に出力されます。このファイルのサイズは、次のように設定します。

MAXSIZE_ISV_LOGF=他社ソフトウェアインストールログファイルのサイズ

サイズは10,240〜2,097,152キロバイトの範囲で指定します。指定を省略すると、10,240キロバイトが仮定されます。

ISVSOFT.LOGFファイルのサイズが設定値を超えると、既存の情報はバックアップファイルISVSOFT.LOGF.bakに出力され、新しい情報がISVSOFT.LOGFに出力されます。

(9) 自システムのホスト名

システム構成の自動登録機能で通知する自システムのホスト名を、次のように指定します。

DMHOSTNAME=ホスト名

ホスト名には、アドレス解決できるホスト名を指定してください。ホスト名は、半角の英数字、ハイフン、アンダーバー、およびピリオドを用いた32文字以内の文字列で指定します。指定を省略した場合や指定値が不正の場合は、hostnameコマンドで求められるホスト名が仮定されます。

この設定は、実行中の指令がないことを確認してから変更してください。

重要

動作環境設定用ファイルで設定したDMHOSTNAMEの値は、基本機能にだけ有効です。組み込み支援機能では、hostnameコマンドで求められるホスト名を自ホスト名として使用します。

(10) 自システムのIPアドレス

システム構成の自動登録機能で通知する自システムのIPアドレスを次のように指定します。

DMIPADDR=IPアドレス

IPアドレスには、通信可能なIPアドレスを指定してください。

指定を省略したときは、次のように処理されます。

この設定は、実行中の指令がないことを確認してから変更してください。

(11) プロセスの監視時間間隔

rdsregularプロセスの生存確認を行う時間間隔を次のように指定します。

PROCESSCHKINTERVAL=監視時間間隔

監視時間間隔は、秒単位で0〜65,535の範囲で指定します。0を指定すると、rdsregularプロセスの監視は行われません。値を省略した場合は、10秒が仮定されます。監視間隔には、10秒の誤差があります。

(12) システム変更時にインベントリ情報を上位システムへ通知

システムの変更を検知し、システム情報およびソフトウェア情報を上位システムに自動通知するには、次のように指定します。

REALTIME_INVENTORY=YES

指定を省略した場合は「NO」が仮定され、システムの変更を検知しません。

この指定を「YES」にする場合は、あわせて次の指定をする必要があります。

(13) ソフトウェア情報の他社ソフトウェアをファイルセット単位で通知

AIXで、ソフトウェア情報の他社ソフトウェアをファイルセット単位で通知するには、次のように指定します。

FILESET_MANAGEMENT=YES

指定を省略した場合は「NO」が仮定され、パッケージ単位で通知します。この指定は、AIXの場合だけ有効です。

この指定を変更すると、ファイルセットとパッケージの情報が混在します。混在させたくない場合は、配布管理システム上のソフトウェア情報を削除してから、設定を変更してください。

(14) 初回ポーリング時にインベントリ情報を上位システムへ通知

初回ポーリング時に、システム情報およびソフトウェア情報も上位システムに通知するには、次のように指定します。

INVENTORY_UPLOAD=YES

「NO」を指定すると通知されません。省略時のデフォルト値は「YES」です。

この指定が「YES」の場合は、あわせて次の指定をする必要があります。

EnableMultiServer NO

(15) パッケージ情報および収集資源情報の文字コード変換

パッケージ名などのパッケージ情報には日本語を入力できます。このため、配布管理システムおよび配布先システムと言語環境が異なる場合でもパッケージ名などが文字化けしないように資源登録システム、配布先システムで次のように指定します。

CONVERT_CHARSET=SJIS

この指定は次の場合に有効です。

この機能で変換される項目は次のとおりです。

(a) 資源登録システムで指定した場合

パッケージング時、次のパッケージ情報を資源登録システムの言語環境からシフトJISコードに変換します。

  • プログラム名

  • 所有者名

  • インストール先ディレクトリ名

  • ユーザコメント

  • ユーザ組み込み前処理

  • ユーザ組み込み後処理

  • ファイル/ディレクトリ名

(b) 配布先システムで指定した場合

資源配布時、次のパッケージ情報をシフトJISコードから配布先システムの言語環境に変換します。

  • プログラム名

  • 所有者名

  • インストール先ディレクトリ名

  • ユーザコメント

  • ユーザ組み込み前処理

  • ユーザ組み込み後処理

  • ファイル/ディレクトリ名

  • リンケージファイル名

  • 組み込み用UAP名

  • 起動UAP名

資源収集時、次の収集資源情報をシフトJISコードから配布先システムの言語環境に変換します。

  • 資源ファイル名

  • ユーザ収集前処理

  • ユーザ収集後処理

また、次の収集資源情報は配布先システムの言語環境からシフトJISコードに変換します。

  • ファイル/ディレクトリ名

この指定を省略した場合、日本語入力可能なパッケージ属性情報および収集属性情報の変換は行われません。

(16) 作業用一時ディレクトリのパス名

JP1/IT Desktop Management 2 - Agentの処理で使用する作業用一時ディレクトリのパス名を変更する場合は、次のように指定します。

DMTMPDIR=作業用一時ディレクトリのパス名

作業用一時ディレクトリのパス名には、空白を除く半角英数字を128文字まで指定することができます。指定を省略した場合や存在しないディレクトリを指定した場合、次のディレクトリが仮定されます。

(17) システム起動時・停止時組み込みの強制停止までの待ち時間

システム起動時組み込み、およびシステム停止時組み込みの処理に時間がかかることでOSの起動および停止が遅延することを回避するために、システム起動時およびシステム停止時組み込みを強制停止することができます。システム起動時組み込みおよびシステム停止時組み込みを強制停止するには、強制停止までの時間を次のように指定します。

FORCESTOP_WAITTIME=強制停止待ち時間

強制停止待ち時間は、分単位で0〜1440の範囲で指定してください。0分を指定すると、強制停止は行われません。指定を省略した場合や指定値が不正の場合は0分が仮定され、強制停止は行われません。

強制停止が行われた場合、画面上にプロセスを強制停止したことを知らせるメッセージが表示されることがあります。