4.5.2 ユーザ資源の状態の報告
配布先システムでは、自マシンに組み込まれているユーザ資源の状態をユーザ資源状態ファイルに作成し、基本機能のrdsusndコマンドを実行して配布管理システムに送付できます。ユーザ資源の状態は、配布管理システムの資源状態ファイルに反映されます。
これによって次のように、JP1/IT Desktop Management 2で管理していないユーザ固有の情報を配布管理システムに報告できます。
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JP1/IT Desktop Management 2を使わないで、配布先システムでローカルに組み込んだパッケージの状態
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JP1/IT Desktop Management 2による組み込みと非同期に、ユーザプログラムなどで操作されたパッケージの状態
資源状態ファイルに報告した情報は、配布先システム側でも記録されます。そのため、配布先システム側で組み込んだパッケージと同一名称のパッケージが配布管理システムから配布指示された場合に、パッケージの二重配布を防止できます。
なお、この方法では、日立プログラムプロダクト、他社ソフトウェア、およびOSパッチの組み込み状態は配布管理システムに報告できません。
また、ユーザ資源状態の報告(rdsusndコマンド)は、配布管理システムからのジョブ実行が1回以上成功してからでないと、使用できません。
ユーザ資源状態の報告を図4-4に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) ユーザ資源状態ファイルの作成規則
ユーザ資源状態ファイルは次の行形式で、テキストエディタなどで作成します。
属性名[Tab]設定値[Enter]
- 属性名
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ユーザ資源状態ファイルで指定する項目を指定します。
- 設定値
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ユーザ資源状態ファイルの項目に対して設定する値を指定します。
ユーザ資源状態ファイルは、次の規則に従って作成してください。
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[Tab]の代わりに空白を指定することもできます。
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設定値に空白文字を指定する場合は、必ず「"(ダブルクォーテーション)」で囲んでください。
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1カラム目に「#」が記述された場合は、その行をコメントとみなします。
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ユーザ資源状態ファイルの1行の長さは[Enter]を含めて最大256バイトです。
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複数の同一属性名を指定した場合、最後に指定された設定値が有効になり、それまでの設定値は無視します。
(2) ユーザ資源状態ファイルの文法
(a) 形式
ResourceName 資源名 ResultInformation {NORMAL|ERROR} Status ユーザステータス 〔Version バージョン/リビジョン〕 〔Generation 世代番号〕 〔Comments ユーザコメント〕
(b) 説明
- ResourceName 資源名 〜<半角の英大文字、数字、ハイフン、およびアンダーバー>((1〜44文字))
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配布結果を送信するパッケージの名称を指定します。
- ResultInformation 〜 {NORMAL|ERROR}
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パッケージの配布結果をエンドステータスに設定します。JP1/IT Desktop Management 2 - Agentで配布したパッケージの配布結果として、配布管理システムに送信する場合に指定します。
- NORMAL
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エンドステータス(90)を設定します。
- ERROR
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エンドステータス(9F)を設定します。
- Status ユーザステータス 〜<半角の16進数>((2けた))
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配布管理システムに通知するパッケージの配布結果を、ユーザステータスとして指定します。ユーザステータスの指定方法については、「付録B ステータスコード」を参照してください。
- Version バージョン/リビジョン 〜<半角の英大文字、数字およびスラント>((1〜6文字))
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パッケージのバージョン/リビジョンを指定します。この値を省略すると、000000が仮定されます。
- Generation 世代番号 〜<半角の英大文字、数字>((4けた))
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パッケージの世代番号を指定します。この値を省略すると、0000が仮定されます。
- Comments ユーザコメント 〜 ((1〜50文字(半角の場合)))
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パッケージに対するユーザコメントを指定します。この値を省略すると、空白文字が仮定されます。
この値は、配布管理システム上ではインストールパッケージ一覧に表示されます。