7.3.4 オフラインインストール
ここでは、オフラインインストールの操作について説明します。
なお、この機能はCitrix XenApp、Microsoft RDSサーバではサポートしていません。
- 〈この項の構成〉
(1) オフラインインストールの手順
オフラインインストールの手順を次の図に示します。
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インストールするソフトウェアをパッケージングする。
パッケージャで、インストールするソフトウェアをパッケージングします。
ただし、[JP1/ITDM2 パッケージング]ダイアログボックスで無効になる設定項目があります。これらについては、「7.3.4(6) オフラインインストールを実行するときの注意事項」を参照してください。
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インストール媒体を準備する。
配布管理システムで、インストールするパッケージの情報を格納したパッケージ情報ファイルを作成します。パッケージ情報ファイルを作成すると、同時にインストール実行プログラムが出力されます。
インストール媒体の準備方法については、「7.3.4(2) インストール媒体の準備」を参照してください。
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インストール媒体をオフラインマシンへ搬送する。
パッケージ情報ファイルおよびインストール実行プログラムを、USBメモリなどの媒体に格納してオフラインマシンへ搬送します。
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インストールを実行する。
オフラインマシンでインストール実行プログラムを実行すると、インストールパッケージ情報ファイルに含まれるパッケージがインストールされます。
インストールの実行方法については、「7.3.4(3) オフラインマシンでのインストールの実行」を参照してください。
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インストール結果ファイルを配布管理システムへ搬送する。
インストール時に出力されるインストール結果ファイルをUSBメモリなどの媒体に格納して、配布管理システムへ搬送します。オフラインマシンと配布管理システムがネットワークで接続されている場合は、このファイルをメールに添付して搬送することもできます。
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インストール結果を確認する。
テキストエディタでインストール結果ファイルを開いて確認します。
インストール結果の確認方法については、「7.3.4(4) オフラインマシンでのインストール結果の確認」を参照してください。
(2) インストール媒体の準備
インストール媒体は、パッケージを管理している配布管理システムのリモートインストールマネージャで準備します。インストール媒体には、次のファイルを格納します。
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パッケージ情報ファイル(ファイル名:ITDM2LINST.BIN)
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インストール実行プログラム(ファイル名:ITDM2LINST.EXE)
パッケージ情報ファイルの作成方法を次に示します。なお、インストール実行プログラムは、パッケージ情報ファイルと同時に作成されます。
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[パッケージ]ウィンドウで、インストールするパッケージを選択する。
同じキャビネット内のパッケージは複数選択できます。
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[ファイル]メニューの[オフラインマシンの管理]から[インストール媒体作成]を選択する。
[インストール媒体作成]ダイアログボックスが表示されます。
図7‒43 [インストール媒体作成]ダイアログボックス 「インストールするパッケージのリスト」には、[パッケージ]ウィンドウで選択したパッケージが表示されます。
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必要に応じて、パッケージのインストール順を変更する。
「インストールするパッケージのリスト」の上から順にパッケージがインストールされます。インストール順を入れ替える場合は、パッケージを選択して、[↑]または[↓]ボタンをクリックしてください。
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必要に応じて、パッケージのインストール条件を変更する。
インストール先ディレクトリやソフトウェア条件などの、パッケージのインストール条件を変更する場合は、パッケージを選択して[変更]ボタンをクリックしてください。[インストール条件の変更]ダイアログボックスが表示され、インストール条件を変更できます。
このダイアログボックスは、リモートインストールの実行時に使用する[インストール条件の変更]ダイアログボックスと同じです。
ただし、ダイアログボックスの[スケジュール]パネルの機能は、すべて空白で非活性となり、変更できません。このほかの[インストール条件の変更]ダイアログボックスの指定内容については、「7.3.2(3) インストール条件の変更」を参照してください。
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[作成]ボタンをクリックする。
[フォルダの参照]ダイアログボックスが表示されます。
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パッケージ情報ファイルおよびインストール実行プログラムを格納するフォルダを選択し、[OK]ボタンをクリックする。
インストール媒体の作成中を示すダイアログボックスが表示され、選択したフォルダに、パッケージ情報ファイルおよびインストール実行プログラムが作成されます。
(3) オフラインマシンでのインストールの実行
準備したインストール媒体を、パッケージをインストールしたいオフラインマシンへ搬送してください。オフラインマシンでのインストール方法を次に示します。
なお、オフラインインストールの実行時には、管理対象のコンピュータの幾つかの設定が無効となります。詳細については、「7.3.4(6) オフラインインストールを実行するときの注意事項」を参照してください。
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オフラインマシンで、JP1/IT Desktop Management 2の機能が実行されていないことを確認する。
JP1/IT Desktop Management 2のほかの機能が実行されている間は、オフラインインストールできません。機能が終了されるまで待ってください。
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パッケージ情報ファイルがインストール実行プログラムと同じフォルダにあることを確認し、インストール実行プログラムを実行する。
インストール実行中は[パッケージのインストール]ダイアログボックスが表示され、インストールの実行状況を確認できます。
また、インストール実行プログラムは、コマンド形式で実行することもできます。インストール実行コマンドについては、「7.3.4(5) オフラインインストールの実行コマンド(ITDM2LINSTコマンド)」を参照してください。
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インストール結果ファイルが出力できなかった場合は、表示される[インストール結果ファイルの保存]ダイアログボックスで出力先を選択し、[OK]ボタンをクリックする。
[キャンセル]ボタンをクリックすると、インストール結果ファイルは出力されません。
インストールが終わると、インストール実行ファイルと同じフォルダに、インストール結果ファイル(ファイル名:ITDM2linst.txt)が出力されます。出力先にインストール結果ファイルがすでにある場合は、ファイルの末尾にインストール結果が追加されます。
(4) オフラインマシンでのインストール結果の確認
インストール時に出力されるインストール結果ファイルを、配布管理システムに搬送してください。インストール結果ファイルをテキストエディタで開いて、インストール結果を確認します。
ここでは、インストール結果ファイルの出力形式について説明します。インストール結果ファイルの出力形式を次の図に示します。
インストール結果はパッケージごとに1行ずつ出力されます。各項目はタブ文字で区切られます。各項目の詳細は次のとおりです。
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日付
パッケージをインストールした年月日が、YYYY/MM/DDの形式で出力されます。
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時刻
パッケージをインストールした時分秒が、hh:mm:ssの形式で出力されます。
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結果
インストール結果が、次のどちらかの値で出力されます。
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OK:成功
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NG:失敗
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ホスト名
インストールを実行したコンピュータのホスト名が出力されます。ホスト名がないコンピュータの場合は、ホスト識別子から先頭の「#」を削除した値が出力されます。
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IPアドレス
インストールを実行したコンピュータのIPアドレスが出力されます。IPアドレスがないコンピュータの場合は、「127.0.0.1」が出力されます。
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パッケージ名
インストールしたパッケージの名称が出力されます。
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パッケージ情報
インストールしたパッケージの情報が、次の形式で出力されます。
d.cc.pppppp.vvvv.ssss
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d :パッケージの種別
(UNIXを示す「C」、またはWindowsを示す「D」)
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cc :キャビネット識別ID
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pppppp :パッケージ識別ID
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vvvv :バージョン/リビジョン
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ssss :世代番号
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保守コード
インストール結果を示す保守コードが出力されます。
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ホスト識別子
インストールを実行したコンピュータのホスト識別子が出力されます。
(5) オフラインインストールの実行コマンド(ITDM2LINSTコマンド)
オフラインマシンで実行する、ITDM2LINSTコマンドについて説明します。
- 機能
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パッケージ情報ファイル(ファイル名:ITDM2LINST.BIN)に含まれるパッケージをオフラインマシンにインストールします。インストール結果は、インストール結果ファイル(ファイル名:ITDM2linst.txt)に出力されます。
- 形式
ITDM2LINST.exe [/I パッケージ情報ファイルのディレクトリ] [/O インストール結果ファイルの出力先ディレクトリ] [/S]
- オプション
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/I
パッケージ情報ファイル(ファイル名:ITDM2LINST.BIN)のディレクトリのフルパスを指定します。
省略した場合は、インストール実行プログラム(ファイル名:ITDM2LINST.EXE)と同じディレクトリにあるパッケージ情報ファイルが読み込まれます。
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/O
インストール結果ファイル(ファイル名:ITDM2linst.txt)の出力先ディレクトリのフルパスを指定します。出力先にインストール結果ファイルがすでにある場合は、ファイルの末尾に結果が追加されます。
省略した場合は、インストール実行プログラム(ファイル名:ITDM2LINST.EXE)と同じディレクトリにインストール結果ファイルが出力されます。
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/S
オフラインインストールの実行時に、次に示すダイアログボックスを表示させない場合に指定します。
・[パッケージのインストール]ダイアログボックス
・[インストール結果ファイルの保存]ダイアログボックス
・インストール結果を表示するダイアログボックス
・オフラインインストール固有のエラーダイアログボックス
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- 実行例
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パッケージ情報ファイルの格納先が「C:\Program Files\Hitachi\JP1ITDMM\MGR\BIN¥DMPRM」、インストール結果ファイルの出力先が「A:\」の場合の例を次に示します。
ITDM2LINST.exe /I "C:\Program Files\Hitachi\JP1ITDMM\MGR\BIN\DMPRM" /O "A:\"
(6) オフラインインストールを実行するときの注意事項
管理対象のコンピュータでオフラインインストールを実行するときには、次の点に注意してください。
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インストール媒体のデータをネットワークドライブに格納してオフラインインストールを実行する場合、「ITDM2LINST.BINが見つかりません。」といったエラーが発生したときは、ネットワークドライブへのアクセスに失敗したおそれがあります。ネットワークドライブへのアクセス権があるかどうか確認してください。
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管理対象のコンピュータでオフラインインストールを実行するときに必要なディスク容量は、リモートインストールを実行するときと同様です。
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エージェント設定の[ジョブの設定]の設定、インストールするソフトウェアのパッケージング、およびインストール条件の変更で無効になる項目があります。
オフラインインストールの実行時に無効になるなどの注意が必要な設定項目を、次の表に示します。
表7‒2 オフラインインストールの実行時に注意が必要な設定項目 ダイアログボックス名
カテゴリまたはパネル名
設定項目
説明
ジョブの設定
インストール待ち時間の設定
InstallShieldからの応答待ち時間
無効になります。
ジョブの保留許可の設定
利用者による、ジョブの保留を許可する
通知抑止の設定
リモートインストール待ち、または収集待ちとなっている通知を抑止する※
JP1/ITDM2パッケージング
スケジュール
中継システムパッケージの保管期間
無効になります。
インストール日時
実行タイミング
オプション
インストール後コンピュータを再起動する
インストール条件の変更
オプション
インストール後コンピュータを再起動する
無効になります。
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JP1/IT Desktop Management 2 - Managerをクラスタシステム環境で使用する場合、リモートインストールマネージャを起動した際に[ログイン(リモートインストールマネージャ)]ダイアログボックスで入力する[管理用サーバ]には、クラスタリソースが稼働している実行系のサーバ上でリモートインストールマネージャを起動して「localhost」、物理ホスト名または物理IPアドレスを指定してください。論理ホスト名や論理IPアドレスを指定すると、[インストール媒体作成]が非活性になります。