3.12 配布時に使用されるネットワーク帯域を制御する手順
管理用サーバから管理対象のコンピュータにソフトウェアやファイルを配布するときに、すべてのネットワーク帯域を使用しないように最大転送速度を設定して、ネットワーク帯域を制御できます。
ITDM互換配布のネットワーク帯域を制御するには:
-
Administrator権限を持つユーザーでOSにログオンします。
-
Windowsの[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[JP1_IT Desktop Management 2 - Manager]−[ツール]−[セットアップ]を選択します。
-
セットアップ画面で[次へ]ボタンをクリックします。
-
[セットアップの選択]画面で、[設定変更]を選択して[次へ]ボタンをクリックします。
-
[その他の設定]画面が表示されるまで、[次へ]ボタンをクリックします。
-
[管理用サーバでネットワークの帯域を制御する]をチェックして[最大転送速度]を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。
-
[セットアップの確認]画面で設定内容を確認して、[次へ]ボタンをクリックします。
リモートインストールマネージャ、JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Consoleが使用中でないことの確認を促すダイアログが表示されます。確認したあとに、[OK]ボタンをクリックしてください。
クラスタシステム構成の場合は、ダイアログに表示されたサービスに関連づけされたクラスタリソースをオフラインにしたあとに、[OK]ボタンをクリックしてください。
-
[リモートインストールマネージャを使用した配布のセットアップ]画面で、[OK]ボタンをクリックします。
セットアップが開始され、処理中を示すダイアログが表示されます。セットアップが終了すると、[セットアップを終了します]画面が表示されます。
-
[セットアップを終了します]画面で、[OK]ボタンをクリックします。
ネットワーク帯域が制御されるようになります。
リモートインストールマネージャを使用した配布のネットワーク帯域を制御するには:
-
JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのサービスを停止します。
-
コンフィグレーションファイルに設定を追加します。
コンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)の格納先は次のとおりです。
JP1/IT Desktop Management 2のインストール先フォルダ\mgr\conf
-
JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのサービスを起動します。
ネットワーク帯域が制御されるようになります。
コンフィグレーションファイルで設定する定義を次の表に示します。
セクション |
キー |
説明 |
初期値 |
省略可否 |
---|---|---|---|---|
BandwidthCtrl |
Function |
リモートインストールマネージャを使用した配布時に流量制御するかどうかを指定します。
|
OFF |
必須 |
SettingN※1 |
MinIP※2 |
0.0.0.0〜255.255.255.255の範囲で、IPアドレスの範囲の開始値を指定します。 |
0.0.0.0 |
必須 |
MaxIP |
0.0.0.0〜255.255.255.255の範囲で、IPアドレスの範囲の終了値を指定します。 |
255.255.255.255 |
必須 |
|
MaxTransSpeedKbps |
Kbps単位の整数(32※3〜8,388,608※4の範囲)で、最大転送速度を指定します。 |
15360 |
必須 |
注※1 Nは1〜30の数値です。IPアドレスの範囲を複数設定する場合は、Setting1、Setting2、Setting3のように定義します。なお、IPアドレスの範囲を複数設定する場合、各SettingNセクションのIPアドレスの範囲が重ならないように設定してください。
注※2 MaxIPより小さい値を指定します。MaxIPの値より大きい値を指定した場合、そのSettingNセクションの設定は無効になります。
注※3 KB単位に換算すると4KB/秒です(32 ÷ 8(bit) = 4)。
注※4 KB単位に換算すると1,048,576KB/秒です(8388608 ÷ 8(bit) = 1048576)。MB単位に換算すると1,024MB/秒です(8388608 ÷ 8(bit) ÷ 1024 = 1024)。
コンフィグレーションファイルの設定例を次に示します。
- 管理用サーバが属するLAN全体のネットワーク帯域の流量制御をする場合
[BandwidthCtrl] Function=ON [Setting1] MinIP=0.0.0.0 MaxIP=255.255.255.255 MaxTransSpeedKbps=1024
- 特定のネットワーク帯域の流量制御をする場合
[BandwidthCtrl] Function=ON [Setting1] MinIP=192.168.0.0 MaxIP=192.168.0.255 MaxTransSpeedKbps=1024 [Setting2] MinIP=192.168.100.0 MaxIP=192.168.100.255 MaxTransSpeedKbps=320
コンフィグレーションファイルについての注意事項を次に示します。
-
セクションが重複している場合、先に定義したセクションが有効となります。
-
キーが重複している場合、セクション内で先に定義したキーが有効となります。
-
SettingNセクションのIPアドレスの範囲が次に示すように重なっている(192.168.100.*の範囲がSetting1とSetting2の両方に含まれている)場合は、優先順位が上位(Nの値に依存してSetting1が1番上)のセクションの設定で動作します。つまり、IPアドレスが192.168.100.*(*:0〜255)のエージェントへの配布は、最大転送速度が1,024Kbpsとなります。
[BandwidthCtrl] Function=ON [Setting1] MinIP=192.168.0.0 MaxIP=192.168.100.255 MaxTransSpeedKbps=1024 [Setting2] MinIP=192.168.100.0 MaxIP=192.168.200.255 MaxTransSpeedKbps=320
-
BandwidthCtrlセクションのFunctionキーにOFFを指定した場合は、有効なSettingNセクションがあっても、流量制御されません。
-
BandwidthCtrlセクションのFunctionキーにONを指定した場合に、有効なSettingNセクションが1個もないときには流量制御されません。
-
コンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)のオープンに失敗した場合は、流量制御されません。
- ヒント
-
リモートインストールマネージャを使用した配布機能での流量制御の適用状況は、管理用サーバ起動時に出力されるMAIN.LOGファイルかWindowsイベントログのメッセージで確認できます。
- ヒント
-
次の場合、流量制御されません。
-
リモートコレクト機能によるファイルの収集
-
マルチキャスト配布を設定した場合の配布
-