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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド


2.7.7 リモートコントロールの接続モードの設定

コンピュータをリモートコントロールする場合、接続先のコンピュータに対する操作の権限を設定できます。この権限を接続モードと呼びます。接続モードを設定することで、管理者がリモートコントロール中に利用者に操作されることを防いだり、コントローラ側から画面の参照だけできるようにしたりできます。

接続モードには、「制御モード」、「共有モード」、「監視モード」の3種類があります。それぞれのモードについて説明します。

制御モード

コントローラ側だけが操作できるモードです。接続先のコンピュータでは、キーボードやマウスの操作ができません。コントローラ側で操作している最中に利用者に操作されたくない場合は、このモードで接続してください。制御モードを設定して、コンピュータにRFBで接続した場合、自動的に共有モードになります。

重要

RFBで接続している場合、制御モードは利用できません。

共有モード

コントローラ側と接続先のコンピュータ側の両方からコンピュータを操作できるモードです。管理者と利用者の両方が操作するおそれがある場合は、このモードで接続してください。

監視モード

接続先のコンピュータに対して、画面の参照だけができるモードです。コントローラ側のコンピュータでは、キーボードやマウスでの操作ができません。接続先のコンピュータでの操作を参照するだけのときは、このモードで接続してください。

接続モードの決定方式

接続モードは、コントローラの設定とエージェント設定の組み合わせで決定されます。接続モードに設定したモードとリモコンエージェントのステータスウィンドウに表示されるモード名の組み合わせを次に示します。

エージェント設定

コントローラの設定

制御モード

共有モード

監視モード

制御モード

パターン1

コントローラ:監視

エージェント:制御

パターン2

コントローラ:監視

エージェント:制御

パターン2

コントローラ:監視

エージェント:制御

共有モード

パターン3

コントローラ:制御

エージェント:監視

パターン1

コントローラ:共有

エージェント:共有

パターン2

コントローラ:監視

エージェント:共有

監視モード

パターン3

コントローラ:制御

エージェント:監視

パターン3

コントローラ:共有

エージェント:監視

パターン1

コントローラ:監視

エージェント:監視

表中のパターン1〜パターン3について説明します。

パターン1およびパターン2の場合

両者が同じリモートコントロールモードを設定した場合(パターン1)、およびエージェントの方が権限を高く設定した場合(パターン2)では、エージェントの設定が優先されます。このため、エージェントの設定が「制御」モードの場合、コントローラは自身の設定に関係なく「監視」モードになります。エージェントの設定が「共有」モードまたは「監視」モードの場合、コントローラは自身で設定しているモードになります。

パターン3の場合

コントローラの方が権限を高く設定した場合(パターン3)では、コントローラの設定が優先されます。このため、コントローラの設定が「制御」モードの場合、エージェントは自身の設定に関係なく「監視」モードになります。コントローラの設定が「共有」モードの場合、エージェントは自身で設定しているモードになります。

〈この項の構成〉

(1) 利用者のコンピュータからリモートコントロールの接続モードを変更する手順

接続先のコンピュータが制御モードの場合、利用者がコンピュータを操作しようと思っても、そのままでは操作できません。

利用者がコンピュータを操作する必要がある場合、利用者のコンピュータ側で[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押すことで共有モードに変更できます。

この操作でコンピュータの接続モードが制御から共有に変わると、この情報がコントローラに通知されます。コントローラでは、コントローラの接続モードを制御から共有に変更するかどうか問い合わせるメッセージが表示されます。共有に変更することを許可しなかった場合、コンピュータは再び制御モードに戻り、利用者はコンピュータを操作できなくなります。

ヒント

利用者のコンピュータ側で[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押した時点で、接続モードは共有に変更されます。このため、コントローラにメッセージが表示されたときは、すでに接続モードは変更されています。

(2) リモートコントロール(複数接続時)の接続モード

複数のコントローラが1台のコンピュータに接続している場合、制御モードで操作できるコントローラは1台だけです。このとき、そのほかのコントローラは、監視モードになります。

そのあと、制御モードのコントローラをほかのモードへ変更したり、接続を解除したりした場合、ほかのコントローラに、制御モードが解放されたことを通知するメッセージが表示されます。

以降では、複数接続時の接続モードの変化について例を示します。

例1.初期状態

次のような接続モードで、1台のコンピュータに3台のコントローラが接続していると仮定します。

[図データ]

例2.コントローラ1を制御モードに変更する

初期状態から、コントローラ1を制御モードに変更した場合、そのほかのコンピュータのモードは次のように変化します。

[図データ]

  1. コントローラ1を制御モードに変更します。

    接続先のコンピュータ上に、接続モードの変更を要求するメッセージが表示されます。

  2. 接続先のコンピュータで[OK]ボタンをクリックします。

    接続先のコンピュータが監視モードになります。また、コントローラ2上に、ほかのコントローラが制御モードを取得したことを通知するメッセージが表示されます。

  3. コントローラ2で[OK]ボタンをクリックします。

    コントローラ2が監視モードになります。

例3.コントローラ1を制御モード以外のモードに変更する

例2の状態で、コントローラ1を制御モード以外のモードに変更した場合、そのほかのコンピュータのモードは変化しません。コントローラ1がコンピュータとの接続を切断した場合も、これと同じ結果となります。

[図データ]

  1. コントローラ1を共有モードに変更します。

  2. コントローラ2および3上に、コントローラ1で制御モードが解除されたことを通知するメッセージが表示されます。ただし、コントローラ2の接続モードは監視のままです。

例4.コントローラが制御モードを取得したあと、接続先のコンピュータで[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押す

例2の状態で、接続先のコンピュータの利用者が[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押した場合、そのほかのコンピュータのモードは次のように変化します。

[図データ]

  1. 接続先のコンピュータの利用者が[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押します。

    コントローラ1上に、接続モードの変更を要求するメッセージが表示されます。

  2. コントローラ1で[はい]ボタンをクリックします。

    コントローラ1および接続先のコンピュータが共有モードになります。なお、ここで[いいえ]ボタンをクリックするとモードは変わりません。

  3. コントローラ2および3上に、ほかのコントローラで制御モードが解放されたことを通知するメッセージが表示されます。ただし、コントローラ2の接続モードは監視のままです。