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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド


1.1.1 この製品でできること

JP1/IT Desktop Management 2を導入することで、組織のセキュリティ管理および資産管理ができます。

組織内の機器のセキュリティ状況を管理するためには、セキュリティに関するルールを決め、それを各IT機器の利用者に遵守させる必要があります。また、セキュリティの現状を把握して、問題点を適宜対策していくことも必要です。

JP1/IT Desktop Management 2では、セキュリティ管理および資産管理を次の点から支援します。

IT機器の現状を把握できます

IT機器のセキュリティ管理を徹底するためには、ルールを適用する機器をすべて把握しておく必要があります。また、IT機器を組織内の資産として管理するためには、使用しているハードウェア、ソフトウェアは何かといった情報とそれらが今どのような状態になっているかを把握しておく必要があります。JP1/IT Desktop Management 2は、定期的にネットワーク内の機器を探索し、機器を発見する機能と発見した機器の情報を自動的に収集する機能を提供しています。探索時に新しい機器を発見すると自動的に情報が収集されるので、最新の正確な情報でIT機器を管理できます。これによって、管理者が情報収集する負担を軽減できます。

IT機器に対するセキュリティのルールを徹底できます

組織のセキュリティのルールを決めるための要素の一つに、ISMSがあります。ISMSに基づいて組織のセキュリティを管理する場合に、IT機器に対しては、設定や操作に関するルールを利用者に遵守させる必要があります。JP1/IT Desktop Management 2では、組織で定めたルールをセキュリティポリシーとして各IT機器に設定し、その遵守状況を把握できます。これによって、組織内のIT機器に対してセキュリティのルールを徹底できます。 また、セキュリティポリシーに違反しているコンピュータに対しては、自動で対策したり、警告メッセージを通知したりできるので、管理者や上長から利用者に対して対策を直接指示する手間を省略できます。

セキュリティに問題のある機器を把握・対策できます

組織内のコンピュータを安全に運用するためには、ウィルス感染や情報漏えいが発生する前にセキュリティに問題のあるコンピュータを特定し、早急に対策する必要があります。しかし、コンピュータのセキュリティ設定、ウィルス対策製品や更新プログラムの適用、情報漏えい対策など多岐に渡る対策状況を手動でチェックして問題点を抽出するには、多大な時間とコストが掛かります。 JP1/IT Desktop Management 2では、各コンピュータのセキュリティ状況を一覧で確認できるため、セキュリティの問題点を一目で把握できます。また、セキュリティに問題があった場合は、ウィルス対策製品や更新プログラムを自動で適用したり、該当する機器をネットワークから自動で切り離したりして対策できるため、システム全体のセキュリティを効率良く管理できます。

機器のネットワーク接続を監視できます

モバイルコンピュータの普及によって、組織内に個人のコンピュータが持ち込まれるおそれがあります。未確認の機器がネットワークに接続されてしまうと、情報漏えいやウィルス感染などの被害の原因となります。JP1/IT Desktop Management 2では、このような状況を防ぐために、組織内のネットワークを監視して新たに接続された機器を即座に発見して不正にネットワーク接続されていないかを確認したり、セキュリティ対策がされていない機器をネットワークから自動的に遮断したりできます。ネットワーク接続の監視機能を利用することで、組織内のネットワーク接続状況を把握でき、機器のセキュリティ状態を安全に保てます。

ソフトウェアを導入・保守できます

業務でソフトウェアを使用する場合、各コンピュータにソフトウェアをインストールする必要があります。しかし、コンピュータごとに利用者がインストール作業をするのは手間が掛かります。JP1/IT Desktop Management 2では、必要なコンピュータにソフトウェアを一括してインストールできます。そのため、頻繁にバージョンアップがあっても迅速に対応できます。また、不具合を修正したりセキュリティ上の問題を修正したりするための更新プログラムを、自動的にコンピュータに配布、適用できます。

遠隔地の機器をリモートで操作できます

近年の急速なITの高度化に伴い、アプリケーションのセットアップやトラブル発生時の対処などに不慣れなユーザーが増えてきています。組織内で発生するコンピュータの問題に対しては、専門知識を持つシステム管理者などが対応する場合がほとんどです。しかし、職場が分散していると速やかな対応は難しくなります。 JP1/IT Desktop Management 2では、システム管理者の手もとのコンピュータから問題の発生したコンピュータを遠隔操作でき、問題に速やかに対応できます。