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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド


2.7.18 リモートコントロールの録画・再生

リモートコントロール中のコンピュータの画面を録画して、動画ファイルとして保存できます。また、動画ファイルはコントローラで再生できます。

動画ファイルは、AVIファイルに変換して、Windows Media Playerのような動画再生ソフトウェアでも再生できます。これによって、コントローラがインストールされていない環境でも、動画を利用して利用者にトラブルの対処方法やアプリケーションの操作手順などを説明できます。

コンピュータの画面の録画は、次のような利用方法があります。

トラブルシュートでの利用

利用者がコンピュータで発生したトラブルを自分で対処するためには、ある程度の習熟度が必要です。管理者がトラブルの対処方法を録画して動画で解説すれば、利用者が理解しやすくなるだけでなく、手順書の作成も不要になるため、問題解決の効率も向上します。

トレーニングでの利用

アプリケーションの操作手順や業務の作業手順などを記録して、教材として利用できます。例えば、手順書では説明しにくい複雑な操作がある場合、動画で説明することで理解しやすくなることがあります。

〈この項の構成〉

(1) リモートコントロール中の録画状態の表示

ステータスバーに録画状態を表すステータスアイコンを表示することで、録画状態を確認できます。

ステータスアイコンの表示は、[リモートコントロール]ウィンドウの[環境の設定]ダイアログの[ログ情報]タブで設定できます。なお、ステータスアイコンは、コンピュータに接続していない場合は表示されません。

コンピュータの画面情報の録画状態は、次のアイコンで表示されます。

ヒント

ステータスアイコンを右クリックして、表示されるメニューから録画の操作ができます。

(2) リモートコントロール中の画面を効率良く録画するための設定方法

録画を始めるたびに録画ファイルを選択していると作業効率が良くありません。そこで、あらかじめ録画ファイルの保存先とファイル名を設定しておくことで、ファイル選択の手間を省略できます。また、コンピュータと接続すると同時に録画を開始するような設定もできます。

録画のための設定は、[リモートコントロール]ウィンドウのツールバーで[環境の設定]ボタンをクリックして表示されるダイアログの[ログ情報]タブで設定できます。

録画ファイルの設定

[ログ情報]タブで録画ファイルを指定しておくと、コンピュータの画面情報は自動的に指定した録画ファイルに保存されます。このとき、録画ファイル名を特定のファイル名に固定すると、録画するたびに上書きするか、または録画ファイルを設定し直すことになります。 複数の録画ファイルを管理するなど、録画ごとの録画ファイルが必要な場合は、変数を使って録画ファイル名を設定しておきます。変数を利用した場合、録画開始時に変数に値を読み込んでファイル名が付けられます。利用できる変数は、次の3種類です。

これらを利用した任意のファイル名を指定することもできますし、デフォルトで提供されている3種類のテンプレートから選択することもできます。

変数を使ったファイル名の指定例を次に示します。この例では、コンピュータ名を「10.xxx.xxx.4」、日付を「2011年4月1日」、時間を「15時5分45秒」としています。これらの設定は、[ログ情報]タブから表示した[スクリーン操作の記録先の選択]ダイアログでテンプレートを選択します。

提供されているテンプレートから選択する

[ファイルの種類]のリストから、ファイル名のテンプレートを選択します。

  • 「記録ファイル(名前.jcr)」を選択した場合

    (例)10.xxx.xxx.4.jcr

  • 「記録ファイル(名前 日付 時間.jcr)」を選択した場合

    (例)10.xxx.xxx.4 2011-04-01 150545.jcr

  • 「記録ファイル(日付 時間 名前.jcr)」を選択した場合

    (例)2011-04-01 150545 10.xxx.xxx.4.jcr

変数を利用した任意のファイル名を指定する

[ファイル名]に、変数を使用して直接指定します。

  • 「$(Agent) $(Date).jcr」と指定した場合

    (例)10.xxx.xxx.4 2011-04-01.jcr

  • 「ユーザー名(nnn)_ $(Date).jcr」と指定した場合

    (例)nnn_2011-04-01.jcr

接続時に録画を開始するための設定

[対象のコンピュータとの接続時に、スクリーン操作の記録を開始する]をチェックすると、コンピュータに接続すると同時に録画を開始します。

(3) リモートコントロールに関する利用者のコンピュータ側での操作

リモコンエージェントは、エージェントに含まれるリモートコントロールを受ける側のプログラムです。通常は特別な操作は必要ありませんが、必要に応じてリモートコントロールを拒否したり、接続状況を確認したりできます。また、コントローラからの接続を待つだけではなく、コントローラに接続要求を出すこともできます。

エージェント設定の[リモートコントロールの設定]で自動起動を指定しておくと、エージェント導入済みのコンピュータの起動時に、リモコンエージェントが自動的に起動します。

自動起動を設定していない場合、利用者のコンピュータ側でリモコンエージェントを手動で起動させてください。手動で起動するには、Windowsの[スタート]メニューから[すべてのプログラム]−[JP1_IT Desktop Management 2 - Agent]−[リモコンエージェント]−[リモコンエージェント]を選択してください。

リモコンエージェントが起動すると、タスクバーに[リモコンエージェント]アイコン([図データ])が表示されます。

なお、エージェント設定でアイコンを表示する設定をしていない場合、リモコンエージェントを起動しても、[リモコンエージェント]アイコンおよびステータスウィンドウは表示されません。

ヒント

[図データ]の[リモコンエージェント]アイコンは、コントローラと未接続の状態です。コントローラと接続すると、接続モードに応じてアイコンが変わります。

ヒント

Windows 7およびWindows Server 2008 R2では、タスクバーに[リモコンエージェント]アイコンは表示されません。タスクバーにアイコンを表示したい場合は、コントロールパネルの[デスクトップのカスタマイズ]−[タスクバーのアイコンのカスタマイズ]を選択し、[リモコンエージェント]アイコンの動作を[アイコンと通知を表示]に設定してください。

(4) コントローラとの接続状態の確認

リモコンエージェントを起動すると表示される[リモコンエージェント]アイコンまたはステータスウィンドウでは、次に示す情報を確認できます。

[リモコンエージェント]アイコンでの表示

リモコンエージェントは、アイコンの色でコントローラとの接続状態を表しています。

なお、[リモコンエージェント]アイコンにマウスポインタを重ねると、接続先のコントローラの台数が表示されます。

ステータスウィンドウでの表示

ステータスウィンドウでは、タイトルバーの色がコントローラとの接続状態を表しています。色の意味は[リモコンエージェント]アイコンと同じです。また、タイトルバーに、接続状況、接続モード、および接続先のコントローラの台数が表示されます。

なお、タイトルバーの、括弧内の数字は、接続先のコントローラの台数を示しています。