7.4.3 マスターエージェントの詳細トレースの取得
マスターエージェントの詳細トレースには,次に示す内容が出力されます。
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マスターエージェントとマネージャー間で,どのようなSNMPの要求や応答があり,どの要求や応答が成功したのか,または失敗したのか
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マスターエージェントとサブエージェント間で,どのようなMIB値の要求や応答があり,どの要求や応答が成功したのか,または失敗したのか
マスターエージェントの詳細トレースに出力された内容を利用すると,何が原因で,マスターエージェントとマネージャーの間の通信,またはマスターエージェントとサブエージェントの間の通信が失敗したのかを調査できます。マスターエージェントの詳細トレースを取得する方法を次に示します。
操作手順
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snmpdmを停止する。
snmpdmプロセスに対して終了シグナルを通知するために次のコマンドを実行します。
Kill -15 snmpdmのプロセス番号
snmpdmのプロセス番号は次の方法で求めます。
次のコマンドを実行します。
/opt/CM2/ESA/bin/snmpcheck
コマンドを実行すると次のようにSNMPエージェントのプロセス一覧が表示されます。その表示中のsnmpdm行のpid=の値がプロセス番号です。
snmpdm running pid=11293 mib2agt running pid=11330 hp_unixagt running pid=11331 ipv6agt running pid=11334 trapdestagt running pid=11348 extsubagt running pid=11384 htc_unixagt1 running pid=11366 htc_unixagt2 running pid=11367 htc_unixagt4 running pid=11368
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マスターエージェントを起動する。
ログを出力するファイルは任意です。ここでは/tmp/esa.packet.logとします。
SR_SNMP_TEST_PORT=SNMPエージェントのポート番号(通常は161です) export SR_SNMP_TEST_PORT /usr/sbin/snmpdm -tcplocal -hexdump -vbdump -apall -n >> /tmp/esa.packet.log 2>&1 &
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mib2agtおよびhp_unixagtを起動する(HP-UX (IPF)の場合)。
/sbin/init.d/SnmpMib2 start /sbin/init.d/SnmpIpv6 start /sbin/init.d/SnmpHpunix start
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snmpdmが起動していることを確認する。
/opt/CM2/ESA/bin/snmpcheck
- 重要
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/tmp/esa.packet.logは単調増加ファイルです。ファイルサイズを監視してファイルサイズが大きくなっている場合は,次の方法で削除してください(Solarisの場合は,kshで実行してください)。
cat /dev/null > /tmp/esa.packet.log
SolarisおよびAIXの場合,詳細トレースを取得中にコマンドを実行した端末からログアウトすると,このコマンドで生成したプロセスにHUPシグナルが送信され,詳細トレースが取得できないときがあります。端末からログアウトしなければ,この現象は発生しません。ログアウトしなければいけない場合は次の方法で実施してください。
詳細トレースコマンド実行後にそのコマンドのプロセスIDを検索してから,次のコマンドを実行してください。
/usr/bin/nohup -p -a "プロセスのPID"
nohupコマンドの詳細については,manページなどを参照してください。