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JP1 Version 12 JP1/Extensible SNMP Agent


trapsend

〈このページの構成〉

形式

SNMPv1トラップを送信する場合の形式を示します。

trapsend -v1 [-ipv6] [-port ポート番号]
ノード名  コミュニティ名 標準トラップ番号 
[拡張トラップ番号 企業ID 
  [タイムスタンプ 
    [オブジェクト識別子 値のシンタクス ]
    [オブジェクト識別子 値のシンタクス ]
    ...
  ]
]

SNMPv2cトラップを送信する場合の形式を示します。

trapsend -v2c [-ipv6] [-port ポート番号]
ノード名 コミュニティ名 トラップOID
[タイムスタンプ
  [オブジェクト識別子 値のシンタクス ]
  [オブジェクト識別子 値のシンタクス ]
  ...
]

機能

指定したIPv4ノードまたはIPv6ノードに対して,SNMPv1トラップまたはSNMPv2cトラップを送信します。

格納場所

引数

-v1

SNMPv1トラップを送信します。

-v2c

SNMPv2cトラップを送信します。

-ipv6

IPv6ノードへトラップを送信します。省略するとIPv4ノードへトラップを送信します。

-port ポート番号

トラップの宛先ポート番号を1〜65535の整数値で指定します。省略すると,162が仮定されます。それ以外の数値または数値以外の値が指定された場合は,メッセージを出力し,162を使用して処理を継続します。

ノード名

IPアドレス,またはホスト名を指定します。

-ipv6指定時はipv6ノード(IPv6アドレスまたはIPv6アドレスに解決できるホスト名),それ以外の場合はipv4ノード(IPv4アドレスまたはIPv4アドレスに解決できるホスト名)を指定します。

コミュニティ名

コミュニティ名を指定します。

標準トラップ番号

標準トラップ番号を0〜6の整数で指定します。拡張トラップを発行する場合は6を指定します。

数値以外が入力された場合,0(coldStart)を使用して処理を継続します。

拡張トラップ番号

拡張トラップ番号を32ビットの符号付き整数を10進表記で指定します。拡張トラップを発行する際は省略できません。数値以外が指定された場合は,メッセージを出力し,0を使用して処理を継続します。

企業ID

sysObjectIDを指定します。拡張トラップを発行する際は省略できません。

入力形式は「オブジェクト識別子(数字)の文法」に従います。この形式以外を指定すると,エラーメッセージを出力し,プログラムを終了します。

省略した場合は,次のsysObjectIDが仮定されます。

OS

sysObjectID

HP-UX (IPF)

1.3.6.1.4.1.116.3.9.1.3

Solaris

1.3.6.1.4.1.116.3.8.1.3

AIX

1.3.6.1.4.1.116.3.13.1.3

Linux

1.3.6.1.4.1.116.3.14.1.3

トラップOID

トラップOIDを指定します。指定値は,「オブジェクト識別子(数字)の文法」に従います。

タイムスタンプ

時刻を0以上の整数で指定します。省略した場合は,0を使用します。数値以外が入力された場合,メッセージを出力し,0を使用して処理を継続します。

オブジェクト識別子,値のシンタクス,値

trapsendコマンドは,オブジェクト識別子 値のシンタクス 値の組み合わせを複数指定できます。

オブジェクト識別子

値の形式は「オブジェクト識別子(数字)の文法」に従います。

値のシンタクス

次の型を選択できます。

指定値

説明

-i

INTEGER

32ビットの符号付き整数値を10進数,16進数(0x…)列で指定します。

-o

OCTET STRING

2桁ずつ半角コロンまたは半角スペースで区切った16進数を指定します(例:"0A B1 B3", 00:BB:F0)。

-d

OBJECT IDENTIFIER

形式は「オブジェクト識別子(数字)の文法」に従います。

-a

IpAddress

IPv4アドレス形式

-c

Counter32

32ビットの符号なし整数値

-g

Gauge32

32ビットの符号なし整数値

-t

TimeTicks

32ビットの符号なし整数値

-D

OCTET STRING

NVT ASCIIコードの文字列

-N

NULL

値には数値を指定しますが,入力された値は無視されます。

シンタクスに正しい値を指定します。

オブジェクト識別子(数字)の文法

trapsendコマンドでは,オブジェクト識別子を数字で指定する際,次の形式に従う必要があります。

0-2.0-39[.0-4294967295[.0-4294967295…]]

戻り値

0:正常終了

SNMPトラップはUDPで送信するので,相手ノードとの送達確認はしません。そのため,正常終了した場合でも相手ノードに通知されない場合があります。また,trapsendコマンド実行時に標準出力または標準エラー出力にメッセージが出力された場合でも戻り値が0の場合は,SNMPトラップは送信されます。

0以外:実行時エラー

SNMPトラップは送信されません。

実行例

SNMPv1トラップの送信例について説明します。

SNMPv1トラップの送信例1

IPv4アドレス192.168.1.5を持つノードに対して,コミュニティ名sendtrapでcoldStartトラップ(標準トラップ番号0)を送信する例を示します。

trapsend -v1 192.168.1.5 sendtrap 0
SNMPv1トラップの送信例2

IPv6アドレスfec0::1111:2222:3333:4444:5555を持つノードのポート22162に対して,コミュニティ名sendtrap,enterpriseSpecificトラップ(標準トラップ番号6),拡張トラップ番号5,企業IDが1.3.6.1.4.1.116.3.14.1.3の拡張トラップを送信する例を示します。

trapsend -v1 -port 22162 -ipv6 fec0::1111:2222:3333:4444:5555 sendtrap 6 5 1.3.6.1.4.1.116.3.14.1.3
SNMPv1トラップの送信例3

IPv6アドレスに解決できるホスト名esaipv6に対して,コミュニティ名sendtrapでlinkDownトラップ(標準トラップ番号2)を企業ID1.3.6.1.4.1.116.3.14.1.3で送信する例を示します。タイムスタンプは10000とします。「オブジェクト識別子 値のシンタクス 値」の組み合わせを1つ付与します(オブジェクト識別子:1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.3,値のシンタクス:Integer,値:3)。

trapsend -v1 -ipv6 esaipv6 sendtrap 2 0 1.3.6.1.4.1.116.3.14.1.3 10000 1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.3 -i 3

SNMPv2cトラップの送信例について説明します。

SNMPv2cトラップの送信例1

IPv4アドレス192.168.1.5を持つノードに対して,コミュニティ名sendtrap,warmStartトラップ(オブジェクト識別子:1.3.6.1.6.3.1.1.5.2)を送信する例を示します。

trapsend -v2c 192.168.1.5 sendtrap 1.3.6.1.6.3.1.1.5.2
SNMPv2cトラップの送信例2

IPv6アドレスfec0::1111:2222:3333:4444:5555を持つノードに対して,コミュニティ名sendtrap,タイムスタンプ79000でlinkUpトラップ(オブジェクト識別子:1.3.6.1.6.3.1.1.5.4)を送信する例を示します。オブジェクト識別子 値のシンタクス 値の組み合わせを1つ付与します(オブジェクト識別子:1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.3,値のシンタクス:Integer,値:3)。

trapsend -v2c -ipv6 fec0::1111:2222:3333:4444:5555 sendtrap 1.3.6.1.6.3.1.1.5.4 79000 1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.3 -i 3

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