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JP1 Version 12 JP1/Extensible SNMP Agent


2.10.1 MIBオブジェクトの定義

MIBモジュールには,1つ以上のMIBオブジェクトを定義でき,それらを1つ以上のサブツリーとしてまとめて定義できます。1つのサブツリーには最大200ノードが定義できます。MIBオブジェクトを定義する手順を次に示します。

  1. SNMPエージェントに追加したいMIBオブジェクトをリストアップする。

  2. MIBオブジェクトの論理構成を決定する。

    MIBオブジェクトをグループとして論理的に構成します。例えば,sysDescr,sysObjectID,sysUpTime,sysContact,sysName,sysLocation,およびsysServicesのMIB-IIオブジェクトは,すべてSystemグループに属します。/var/opt/OV/share/snmp_mibsディレクトリのMIBモジュールに多くの例があるので参照してください。

  3. 各サブツリーへのノードを定義する。

    各サブツリーにすべてのノードを定義します。ノードによっては,ほかのノードの子になることもあります。

    ノードを定義するとき,ASN.1に定義されている次の規則に従ってください。

    • 任意数個の文字・数字・ハイフンを使用できる。

    • 英小文字で始める。

    • ハイフンで終わらせない。

    • ハイフンを連続して使用しない。

    • アンダースコアは使用しない。

    なお,次に示す規則もあります。

    • カウンタは文字「s」で終わる。

    • 各ノード名はユニークにする。

  4. サブツリーの葉ノードを定義する。

    実在のオブジェクト(サブツリーの葉ノード)を定義します。

    実在のオブジェクトを定義するときは,ユニークな名称にしてください。オブジェクト名を決定するときの一般的な規則を次に示します。

    • 1つのグループに属するオブジェクト名は,すべてそのグループ名の接頭辞で始める。例えば,Systemグループのオブジェクトはすべて接頭辞'sys'で始まる。

    • 接頭辞のあとの語を大文字で記述する。例えば,オブジェクト名sysContactではContactのCが大文字になる。

  5. MIBツリー内のオブジェクトの位置を決定する。

    MIBツリーのどこにオブジェクトを置くかを決定します。

    enterprisesサブツリーにある自分の会社名の下に作成したMIBを追加すればオブジェクト識別子は確実にユニークになります。

    独自のenterprise IDを指定する場合は,次の機関に自分のenterprise IDを登録してください。

    Internet Assigned Numbers Authority
    URL:http://www.iana.org/
    Email:iana-mib@iana.org

    Internet Assigned Numbers Authority(IANA)に自分のenterprise IDを登録しておけば,自分自身のMIBを制御できるので,ほかのMIBとの衝突を避けられます。