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JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


11.4.3 SSOクラスタシステム環境の解除(Linuxの場合)

Linuxを使用している場合に,SSOクラスタシステムの実行系と待機系の環境を解除する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 実行系のクラスタシステム環境の解除

実行系のクラスタシステム環境の解除は,次の順序で実施します。

  1. データベースの削除

  2. リソースグループの停止

  3. リソースグループからのSSO削除

  4. クラスタソフトの設定ファイルのチェック

  5. クラスタ制御スクリプトの削除

  6. SSOクラスタ解除の設定

次に,それぞれの内容について説明します。

(a) データベースの削除

次のコマンドを実行して,データベースを削除します。

ssodbdel -all

(b) リソースグループの停止

リソースグループ(Veritas Cluster Serverの場合にはクラスタソフト)を停止します。

クラスタソフトごとにコマンド実行例を次に示します。

Veritas Cluster Serverの場合

# hastop -all

HAモニタの場合

<サーバグループを使用しない構成の場合>
# monend サーバ識別名
<サーバグループを使用した構成の場合>

SSO用のサーバ(リソースグループ)を停止し,前提サーバは停止しません。

# monend SSOのサーバ識別名

(c) リソースグループからのSSO削除

リソースグループからSSOを削除します。

クラスタソフトごとにSSO削除の手順を次に示します。

Veritas Cluster Serverの場合

VCS設定ファイル(/etc/VRTSvcs/conf/config/main.cf)から,Applicationエージェント,およびリソースの依存関係に関するSSOの設定を削除します。

HAモニタの場合

<基本構成でサーバグループを使用していない構成の場合>

NNMiのクラスタ構築時に作成したスクリプト(/var/opt/OV/hacluster/グループ名/cm2_*.sh)に追加したSSOの定義内容をすべて削除します。

<基本構成でサーバグループを使用している構成の場合または分散構成の場合>

次の作業を実施します。

  1. SSOのクラスタ構築時にユーザが作成したスクリプト($SSO_TMPのsso_start.sh,sso_stop.sh,sso_monitor.sh)を削除します。

  2. サーバ対応の環境設定ファイル(/opt/hitachi/HAmon/etc/servers)を編集し,SSO用に追加した設定を削除します。

(d) クラスタソフトの設定ファイルのチェック

クラスタソフトごとに,設定ファイルのチェック方法を次に示します。

Veritas Cluster Serverの場合

次のコマンドを実行して,VCS設定ファイルを検証します。

# hacf -verify /etc/VRTSvcs/conf/config

このコマンドでエラーを検出した場合は,VCS設定ファイルを修正し,エラーがなくなるまでこのコマンドを実行してください。

HAモニタの場合

該当する手順はありません。

(e) クラスタ制御スクリプトの削除

環境構築時に作成したクラスタ制御スクリプトを削除します。

ただし,論理ホスト名を変更する場合は,クラスタシステムを再構築するときにクラスタ制御スクリプトを流用することができます。

(f) SSOクラスタ解除の設定

実行系の物理ホスト上でのSSO実行に切り替える場合,または基本構成で論理ホスト名を変更する場合は,クラスタの再構築時に以前の設定を引き継ぐために,実行系のSSOクラスタ解除の設定を実施します。

ただし,HAモニタのサーバグループを使用している構成の場合,ssoclustersetupコマンドを使用して実行系でクラスタ解除設定を実行するとき,この手順では前提リソースグループが動作中であるため,実行系から共有ディスクが参照できる状態です。

そのため,「1. 共有ディスクのマウント」および「3. 共有ディスクのアンマウント」は不要です。「2. SSOクラスタ解除の設定」のssoclustersetupコマンドだけ実行してください。

SSOクラスタ解除の設定の手順を次に示します。

  1. 共有ディスクのマウント

    実行系が共有ディスクをマウントしている状態にします。

    この手順では,次に示す設定内容を例にして説明します。

    • SSOが使用する共有ディスクの絶対パス:「/dev/dsk/dg01/vol1」

    • SSOが共有ディスク上で使用するディレクトリ:「/shared/sso」

    クラスタソフトごとに,共有ディスクをマウントするコマンドの指定例を次に示します。

    Veritas Cluster Serverの場合

    # vxdg import dg01
    # vxvol -g dg01 start vol1
    # mount -t vxfs /dev/dsk/dg01/vol1 /shared

    HAモニタの場合

    # vgchange -a y /dev/dsk/dg01
    # mount /dev/dsk/dg01/vol1 /shared
  2. SSOクラスタ解除の設定

    クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup)を実行して,実行系のSSOクラスタ解除の設定を実施します。クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup)については,「6. コマンド ssoclustersetup(Linux限定)」を参照してください。

    クラスタ環境設定コマンドの引数には,次の内容を指定してください。

    引数

    指定する値

    第一引数

    -release(解除設定指定)

    第二引数

    -primary(実行系指定)

    第三引数

    共有ディスク上の共有データディレクトリ

    例:/shared/sso

    SSOクラスタ解除の設定コマンドの指定例を次に示します。

    ssoclustersetup -release -primary /shared/sso

    エラーが発生した場合は,画面に出力されたメッセージを参照して問題を解決してください。問題が解決したら,コマンドを再実行してください。

  3. 共有ディスクのアンマウント

    クラスタソフトごとに,手順1でマウントした共有ディスクをアンマウントします。

    Veritas Cluster Serverの場合

    # umount /shared
    # vxdg deport dg01

    HAモニタの場合

    # umount /shared
    # vgchange -a n /dev/dsk/dg01

(2) 待機系のクラスタシステム環境の解除

待機系のクラスタシステム環境の解除は,次の手順で実施します。

  1. リソースグループからのSSO削除

  2. クラスタ制御スクリプトの削除

  3. SSOクラスタ解除の設定

それぞれの手順について説明します。

(a) リソースグループからのSSO削除

リソースグループからSSOを削除します。

クラスタソフトごとに,リソースグループからSSOを削除する手順を次に示します。

Veritas Cluster Serverの場合

VCS設定ファイル(/etc/VRTSvcs/conf/config/main.cf)から,Applicationエージェント,およびリソースの依存関係に関するSSOの設定を削除します。

HAモニタの場合

<基本構成でサーバグループを使用していない構成の場合>

NNMiのクラスタ構築時に作成したスクリプト(/var/opt/OV/hacluster/グループ名/cm2_*.sh)に追加したSSOの定義内容をすべて削除します。

<基本構成でサーバグループを使用している構成の場合または分散構成の場合>

次の作業を実施します。

  1. SSOのクラスタ構築時にユーザが作成したスクリプト($SSO_TMPのsso_start.sh,sso_stop.sh,sso_monitor.sh)を削除します。

  2. サーバ対応の環境設定ファイル(/opt/hitachi/HAmon/etc/servers)を編集し,SSO用に追加した設定を削除します。

(b) クラスタ制御スクリプトの削除

環境構築時に作成したクラスタ制御スクリプトを削除します。

ただし,論理ホスト名を変更する場合は,クラスタシステムを再構築するときにクラスタ制御スクリプトを流用することができます。

(c) SSOクラスタ解除の設定

待機系の物理ホスト上でのSSO実行に切り替える場合は,クラスタの再構築時に以前の設定を引き継ぐために,待機系のSSOクラスタ解除の設定を実施します。

ただし,HAモニタのサーバグループを使用している構成の場合,ssoclustersetupコマンドを使用して待機系でクラスタ解除設定を実行するとき,この手順では実行系で前提リソースグループが動作中であるため,待機系から共有ディスクは参照できません。

そのため,「1. 共有ディスクのマウント」ではフェールオーバーを,「3. 共有ディスクのアンマウント」ではフェールバックを実施してください。「2. SSOクラスタ解除の設定」には変更がありません。

SSOクラスタ解除の設定の手順を次に示します。

  1. 共有ディスクのマウント

    共有ディスクを待機系がマウントしている状態にします。

    手順については,「(1)(f) SSOクラスタ解除の設定」の「手順1 共有ディスクのマウント」を参照してください。

  2. SSOクラスタ解除の設定

    クラスタ環境設定コマンド(ssoclustersetup)を実行して,待機系のSSOクラスタ解除の設定を実施します。

    クラスタ環境設定コマンドの引数には,次の内容を指定してください。

    引数

    指定する値

    第一引数

    -release(解除設定指定)

    第二引数

    -secondary(待機系指定)

    第三引数

    共有ディスク上の共有データディレクトリ

    SSOクラスタ解除の設定コマンドの指定例を次に示します。

    ssoclustersetup -release -secondary /shared/sso

    エラーが発生した場合は,画面に出力されたメッセージを参照して問題を解決してください。問題が解決したら,コマンドを再実行してください。

  3. 共有ディスクのアンマウント

    手順については,「(1)(f) SSOクラスタ解除の設定」の「手順3 共有ディスクのアンマウント」を参照してください。

(3) SSOの共有データの削除

実行系,および待機系のSSOクラスタ解除の設定が完了したあと,実行系で,構築時に共有ディスク上に作成したSSO共有データ用のディレクトリを削除します。

ただし,HAモニタのサーバグループを使用している構成の場合,この手順では実行系で前提リソースグループが動作したままです。そのため,「1. 共有ディスクのマウント」および「3. 共有ディスクのアンマウント」は不要です。実行系で「2. SSOディレクトリの削除」だけ実施してください。

SSO共有データ用のディレクトリを削除する手順を次に示します。

  1. 共有ディスクのマウント

    クラスタソフトごとに,共有ディスクを実行系がマウントしている状態にします。

    Veritas Cluster Serverの場合

    # vxdg import dg01
    # vxvol -g dg01 start vol1
    # mount -t vxfs /dev/dsk/dg01/vol1 /shared

    HAモニタの場合

    # vgchange -a y /dev/dsk/dg01
    # mount /dev/dsk/dg01/vol1 /shared
  2. SSOディレクトリの削除

    共有ディスク上に作成したSSO共有ディレクトリを削除します。

    # rm -r /shared/sso
  3. 共有ディスクのアンマウント

    クラスタソフトごとに,手順1でマウントした共有ディスクをアンマウントします。

    Veritas Cluster Serverの場合

    # umount /shared
    # vxdg deport dg01

    HAモニタの場合

    # umount /shared
    # vgchange -a n /dev/dsk/dg01

(4) NNMiリソースグループの起動(基本構成の場合だけ)

NNMiのリソースグループ(Veritas Cluster Serverの場合にはクラスタソフト)を起動します。

クラスタソフトごとに,コマンド実行例を次に示します。

Veritas Cluster Serverの場合

  1. 実行系と待機系でクラスタソフトを起動します。

    # hastart
  2. NNMiのリソースグループが起動していない場合は,次のコマンドを実行して実行系でリソースグループを起動します。

    # hagrp -online NNMiリソースグループ名 -sys 実行系ホスト名

HAモニタの場合

サーバグループを使用していない構成の場合,次のコマンドを実行します。

# monbegin サーバ識別名

(5) リソースグループの削除(分散構成の場合だけ)

実行系および待機系で,SSO用にユーザが作成したリソースグループに,ほかのJP1リソース(JP1/Baseなど)がある場合は削除します。そのあと,SSO用にユーザが作成したリソースグループを削除します。