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JP1 Version 12 JP1/SNMP System Observer


7.3.6 SNMP定義ファイル(ssosnmp.conf)

SNMP定義ファイルには,SSOが発行するSNMPのリクエストについて定義します。なお,このファイルを変更した場合は,次のどちらかの処理を実行してください。

〈この項の構成〉

(1) 書式

SNMP定義ファイルには,対象となるSNMPエージェントごとの定義を1行で指定します。各項目は,「(2) 定義内容」の表の記載順序に従って「:(コロン)」で区切って記述してください。

(2) 定義内容

定義内容を,次の表に示します。

項目

カテゴリ名

  • リソース収集の場合

    対象リソースのカテゴリ名を指定します。SSOが提供したリソースを収集する場合は「sso」または「sso-ex」,ユーザリソースを収集する場合はそのカテゴリ名を指定します。カテゴリ名が指定されていない場合は,「sso」と指定した定義が有効になります。

  • プロセスおよびサービス監視の場合

    「process」と指定した定義が有効になります。「process」の定義がない場合は,「sso」と指定した定義が有効になります。「process」,「sso」のどちらの定義もない場合は,各項目のデフォルト値が設定されます。

大文字・小文字は区別されません。

IPアドレス

対象エージェントのIPアドレスを指定します。指定する形式は,IPv4とIPv6とで異なります。

IPv4の場合は,IPアドレスを「n.n.n.n」の形式で指定します。nには,0〜255の値,またはワイルドカードの「*(アスタリスク)」を指定できます。

IPv6の場合は,IPアドレスを「[x:x:x:x:x:x:x:x]」の形式で指定します。xには0〜FFFFの値,またはワイルドカードの「*(アスタリスク)」を指定できます。

定義のないエージェントには,各項目のデフォルト値が設定されます。

Getコミュニティ名

《public》((255バイト以内の文字列))

対象エージェントに対してSNMPのGet/Get-Nextリクエストを発行する場合のコミュニティ名を設定します。「:(コロン)」は指定できません。

リソース監視機能では,SNMPバージョンに3が指定され,対応する固有名の指定が有効である場合,Getコミュニティ名の指定は無視されます。

Setコミュニティ名

《Getコミュニティ名》((255バイト以内の文字列))

対象エージェントに対してSNMPのSetリクエストを発行する場合のコミュニティ名を設定します。「:(コロン)」は指定できません。

リソース監視機能では,SNMPバージョンに3が指定され,対応する固有名の指定が有効である場合,Setコミュニティ名の指定は無視されます。

応答監視時間

《20》((1〜990))

対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行した場合の応答監視時間を,1/10秒単位で指定します。

リトライ回数

《3》((0〜99))

対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行した場合のリトライ回数を指定します。

ポート番号

《161》((1〜65535))

対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行する場合のポート番号を指定します。

SNMPプロキシのIPアドレス※1

対象エージェントに対してSNMPリクエストを発行する場合のプロキシのIPアドレスを,「n.n.n.n」の形式で指定します。nには,0〜255の値を指定します。

SNMPバージョン※2,※3《ユーザリソースの場合:1,カテゴリ「SSO-Ex」のリソースの場合:2,カテゴリ「SSO」のリソースの場合:1または2※4

リソースを参照または収集する際のSNMPプロトコルバージョンを指定します。

指定できる値は1,2または3です。

1:SNMP Version1(SNMPv1)でリクエスト発行

2:SNMP Version2(SNMPv2c)でリクエスト発行

3:SNMP Version3(SNMPv3)でリクエスト発行

1または2を指定した場合

ユーザリソースだけで有効です。

3を指定した場合

すべてのリソース(SSOが提供するリソース,ユーザリソース)で有効です。

固有名※5

ssosnmpv3setupコマンドで登録するSNMPv3定義情報の固有名を指定します。

SNMPバージョンに3を指定していない場合,固有名の指定は無視されます。

注※1

SNMPプロキシのIPアドレスおよびそれに続くSNMPバージョン以降の指定を省略する場合,区切り文字(:)を含めて省略できます。

注※2

SNMPバージョンおよびそれに続く固有名の指定を省略する場合,指定値の末尾に付ける区切り文字(:)を含めて省略できます。

注※3

「process」のカテゴリでのSNMPバージョンは1固定です。ユーザリソースの収集でCounter64型のMIB値を取得する場合は,該当する収集対象エージェントのIPアドレス,ポートに対して必ず2または3を指定してください。

また,収集対象エージェントがSNMPバージョン1をサポートしていない場合,2または3を指定することでユーザリソースの収集はできますが,3を指定した場合だけリソース参照およびカテゴリ「sso」のリソース収集を実行できます。

注※4

Counter64またはCounterBasedGauge64型のMIBを取得する場合だけ,SNMPバージョンに2が使用されます。

注※5

固有名を省略する場合,指定値の末尾に付ける区切り文字(:)を含めて省略できます。

SNMP定義ファイルを作成する場合の注意事項を次に示します。

(3) 定義例

SNMP定義ファイルの定義例を次に示します。

[図データ]

この例では,ターゲット100.100.100.2に対してSSO-Exリソースを収集する場合,「sso-ex:*.*.*.*:public:public:20:3::::」の定義が有効になります。このターゲットに対して,Userリソースを収集する場合は,「sso:*.*.*.*:public:public:8:2:161::」の定義が有効になります。

ターゲット172.16.45.42に対してリソースを収集する場合,SNMPバージョン「3」で通信を実行します。プロセスおよびサービス監視をする場合,Getコミュニティ名およびSetコミュニティ名の定義が有効になりSNMPバージョン「1」で通信を実行します。