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JP1 Version 12 JP1/Network Node Manager i セットアップガイド


付録G.1 jp1nnmiinitconfig.ovpl

設定値変更簡易化コマンド(本コマンドにより,一部の設定を簡単に設定できます。)

SYNOPSIS

jp1nnmiinitconfig.ovpl help

jp1nnmiinitconfig.ovpl setUndefTrap [-template (once|multiple) | [-severity <string>] [-nature <string>] [-multiple (true|false)]]

jp1nnmiinitconfig.ovpl setImportantNodeGroup [-force]

DESCRIPTION

本コマンドでは,UndefinedSNMPTrapインシデントに関する設定, および,"重要なノード"にすべてのノードを登録する設定が可能です。

本コマンドを実行すると,既存の設定を上書きしますので,本機能に関連する設定を実施していない状態で使用してください。

  1. UndefinedSNMPTrapインシデントについての説明

    本設定を行うことで,NNMiが"SNMPトラップの設定" に定義がないOIDのSNMPトラップを受け取った際に"UndefinedSNMPTrap"インシデントを生成することができます。

    UndefinedSNMPTrapインシデントには,破棄したSNMPトラップのOID情報が含まれます。

    NNMiは"SNMPトラップの設定" に定義のないOIDのSNMPトラップを破棄しますが,本設定を有効にすると,破棄したSNMPトラップのOIDがわかるため,"SNMPトラップの設定"に追加すべきトラップ定義を把握するのに役立ちます。

    本コマンドによる設定では,UndefinedSNMPTrapインシデントの重大度,原因のほか,各OIDにつき1度だけUndefinedSNMPTrapを生成するか,受信するたびに毎回UndefinedSNMPTrapを生成するかを選択できます。

    ※注:本設定実施時の注意事項

    • 本コマンドで設定を実施した場合,OIDが完全一致していなくても,前方一致しているSNMPトラップインシデント定義が存在していれば,その定義が使用されるようになります。

    • 本コマンドは,設定ファイルnms-jboss.propertiesを変更します。手動で変更する場合は,「8.6.1 未定義のトラップのインシデントを有効化にする」に従って,設定ファイルを変更してください。

  2. 重要なノードノードグループについての説明

    本設定を行うことで, "重要なノード"ノードグループにすべてのノードが所属するようになります。すべてのノードについて,無応答時に,根本原因ではなくてもインシデントを通知したい場合は,本設定を行ってください。

    ※注:重要なノードについて

    "重要なノード"ノードグループに含めたノードは,NNMiの根本原因解析機能で特別扱いされるようになり,ノードが無応答になった際,ノードが停止したことを示すインシデント(NodeDownなど)が必ず発生するようになります。

    NNMiは,障害発生時,発生した事象のすべてをそのまま通知するのではなく,監視結果を解析し,根本原因に絞って通知します。この根本原因解析は,問題に迅速に対応でき,運用負担を低減する機能ですが,運用によっては弊害が生じるケースもあります。

    例えばサーバーAが,ネットワーク経路上のルーター障害によって通信できなくなった場合,根本原因としてルーター障害がインシデントが通知されます。その際,サーバーAと通信ができない現象は,ルーター障害の影響による副次的な事象(根本原因ではない)と判定され,サーバーAが停止したことを示すインシデントが通知されないことがあります。

    そのため,無応答になったノードすべてについてインシデントを発行したい場合,本設定を使用し,"重要なノード"にすべてのノードを登録してください。

    なお,本設定を実施後,設定を元に戻す場合や,一部のノードを除外する場合は,GUIの下記から,設定を編集してください。(本コマンドを実施した場合 [追加のフィルター]に"hostname is not null"が設定されています。)

    • [設定]-[オブジェクトグループ]-[ノードグループ]-[重要なノード]ノードグループ-[追加のフィルター]タブ

Commands

help

コマンドの使用方法を表示します。

setUndefTrap

UndefinedSNMPTrapインシデントに関する設定を変更します。

本コマンドを使用することで,UndefinedSNMPTrapインシデントを有効化します。

オプションを指定することで,指定したパラメータに従ってUndefinedSNMPTrapインシデントが生成されるようになります。オプションは,-templateによるテンプレート設定,もしくは-severity-nature-multipleによる個別設定が選択できます。

本コマンドの設定後,設定を有効化するためには,NNMiを再起動してください。

※注:オプション省略時の動作について

  • 本コマンドは,オプションを省略した場合,省略した部分の設定は変更しません(すべてのオプションを省略した場合,UndefinedSNMPTrapインシデントの有効化のみを行います)。

  • オプションを省略した場合,指定しなかった設定は未定義になり,undefinedと表示されます。undefinedとなった設定は,以下の内容で動作します。

    • 重大度:NORMAL(正常域),原因:INFO(情報),-multiple false 相当(UndefinedSNMPTrapインシデントを,各OIDにつき1回だけ生成する)

setImportantNodeGroup

NNMiに重要なノード ノードグループにすべてのノードを登録する設定を行います。

本設定を行うことで,"重要なノード"ノードグループにすべてのノードが所属するようになります。すべてのノードについて,無応答時に,根本原因ではなくてもインシデントを通知したい場合は,本コマンドを使用してください。

本コマンドを使用する際は,NNMiを起動する必要があります。NNMi停止時に実行する場合は,-forceオプションを使用することで,NNMiを起動できます。

Parameters

-severity <string>

UndefinedSNMPTrapインシデントの重大度を指定します。下記のいずれかが指定可能です。

NORMAL, WARNING, MINOR, MAJOR, CRITICAL

-nature <string>

UndefinedSNMPTrapインシデントの原因に設定される値を指定します。下記のいずれかが指定可能です。

ROOTCAUSE,SECONDARYROOTCAUSE,SYMPTOM,SERVICEIMPACT,NONE,INFO

-multiple (true|false)

UndefinedSNMPTrapインシデントを,各OIDにつき 1回だけ生成するか,受信するたびに毎回生成するかを選択します。

  • true:同じOIDのSNMPトラップを複数回受け取った場合,毎回インシデントを生成します。

  • false:SNMPトラップの各OIDにつき1度だけUndefinedSNMPTrapインシデントを生成します。

-template (once|multiple)

設定テンプレート名(oncemultiple)を指定します。他のサブオプションとは同時に指定できません。

  • onceを実行した場合,下記と同じ設定となります。

    -severity WARNING -nature INFO -multiple false

  • multipleを実行した場合,下記と同じ設定になります。

    -severity NORMAL -nature INFO -multiple true

-force

NNMi停止時に指定した場合,NNMiを起動します。

EXAMPLES

  1. setUndefTrap の設定例
    未定義のOIDのSNMPトラップ受信時,各OIDにつき1度だけUndefinedSNMPTrapインシデントを生成する場合は,下記を実行します(テンプレートを使用した設定例)。

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setUndefTrap -template once

    未定義のOIDのSNMPトラップ受信時,毎回UndefinedSNMPTrapインシデントを生成する場合は,下記を実行します(テンプレートを使用した設定例)。

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setUndefTrap -template multiple

    重大度や原因の値を細かく指定したい場合は,-severity-nature-multipleオプションで設定します。

    以下は,UndefinedSNMPTrapインシデントの重大度を「MINOR(警戒域)」,原因を「SYMPTOM(症状)」にし,未定義のトラップ受信時,毎回インシデントを生成する例です。

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setUndefTrap -severity MINOR -nature SYMPTOM -multiple true

  2. setImportantNodeGroupの設定例
    NNMi停止時に,NNMiを起動し,すべてのノードを"重要なノード" ノードグループに登録する場合,下記を実行します。

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setImportantNodeGroup -force

NOTES

本コマンドにおいて,setImportantNodeGroupを設定する際は,NNMiを起動する必要があります。

また,setUndefTrapを設定する場合,設定を反映するためにはNNMiを再起動する必要があります。

両方のメインオプションを設定する場合は,下記手順で設定できます。

  1. NNMi停止時に設定する場合

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setUndefTrap [オプション]

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setImportantNodeGroup -force

    ※完了後,NNMiが起動した状態になりますので,必要に応じてNNMiを停止してください。

  2. NNMi起動時に設定する場合

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setImportantNodeGroup

    jp1nnmiinitconfig.ovpl setUndefTrap [オプション]

    ovstop

    ovstart

AUTHOR

jp1nnmiinitconfig.ovpl was developed by Hitachi Ltd.

FILES

$NNM_BIN/jp1nnmiinitconfig.ovpl