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JP1 Version 12 JP1/Network Node Manager i セットアップガイド


13.5.2 静的NATでの通信

NNMiでは,使用可能な重複するアドレスマッピングを自動的に使用して静的NAT通信用のテナント/外部IPアドレスのペアを識別することによって,静的NATファイアウォールを通して正常な通信が行われます。この利点については,「13.7 重複するIPアドレスマッピング」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 静的NAT環境での管理アドレスのICMPポーリングの管理

NAT環境では,ファイアウォールによって,NNMiがノードのIPアドレス(プライベートIPアドレス)を使用してNATノードとのやり取りがブロックされます。これを解決するには,NATアドレス(パブリックIPアドレス)を使用してNNMiと通信します。

NAT環境では,ノードの管理アドレスが,ノードでホストされるIPアドレスと異なることがあります。NNMiがNAT環境でノードを検出できるようにするには,NATアドレスを検出シードとしてNNMiに追加する必要があります。NNMiは,このNATアドレスがノードのipAddressTableに存在しなくても,それを通信に使用します。

NNMiはこの機能を提供することで,誤ったノード停止中インシデントの生成を回避し,根本原因分析をより正確にします。

(2) NAT環境での管理アドレスのICMPポーリングの概要

(a) NAT環境の管理アドレスのICMPポーリング

NAT環境がある場合,この設定を無効にしないことをお勧めします。

管理アドレスのICMPポーリングが無効になっている場合,有効にするには,次の手順を実行します。

  1. ワークスペースのナビゲーションパネルで,[設定]ワークスペースを選択して[モニタリング]フォルダーを展開し,[モニタリングの設定]を選択して[デフォルト設定]タブを探す。

  2. [ICMP障害モニタリング]セクションの[管理アドレスポーリングを有効にする]を有効にする。

    NNMiヘルプの「モニタリングのデフォルト設定」を参照してください。

    SNMPエージェントに対して[アクション][モニタリングの設定]を実行したあとにNNMiが表示する情報を確認します。表示される情報に,NNMiが管理アドレスのポーリングを有効にしているかどうかが示されます。

ICMP管理アドレスポーリングが有効になっていると,NNMiが次のように変更されます。

  • [管理アドレスICMPの状態]フィールドが次のフォームおよびテーブルビューに表示されます。

    • [ノード]フォーム

    • [SNMPエージェント]フォーム

    • [SNMPエージェント]テーブルビュー

  • NNMiは,管理アドレスICMP状態の表示場所とSNMPエージェントステータスの判断方法を変更します。

管理アドレスICMPおよびIPアドレスの状態ポーリングアクションを次の表に示します。NNMiは,ICMP管理アドレスポーリング設定およびICMP障害ポーリング設定に対応して,これらのアクションを実行します。

表13‒1 ICMP設定および結果の状態ポーリング

ICMP管理アドレスポーリング

ICMP障害ポーリング

管理ICMPアドレス状態

IPアドレス状態

有効

無効

ポーリング

ポーリングなし

有効

有効

ポーリング

ポーリング

無効

無効

ポーリングなし

ポーリングなし

無効

有効

ポーリングなし

ポーリング

注※ デフォルトの設定

SNMPエージェントと管理アドレスICMPの応答のためにAPAが判断するSNMPエージェントステータス,および生成されるインシデントの変化を次の表に示します。APAは,管理アドレスのICMPポーリングで,結論とインシデントの生成時に,管理アドレスICMP応答とSNMPエージェント応答を考慮します。

表13‒2 SNMPエージェントステータスの判断および生成されるインシデント

SNMPエージェント応答

管理アドレスICMP応答

SNMPエージェントステータス

生成されるインシデント

応答

応答

正常域

なし

応答

無応答

警戒域

そのほかのネットワークの問題で,生成されるインシデントは次のとおりです。

  • なし

  • AddressNotResponding

無応答

応答

危険域

SNMPAgentNotResponding

無応答

無応答

危険域

そのほかのネットワークの問題で,生成されるインシデントは次のとおりです。

  • なし

  • NodeDown