18.1 アプリケーションフェイルオーバーの概要
アプリケーションフェイルオーバーは,クラスタソフトや共有ディスクなしでNNMi管理サーバーを多重化する機能です。
2台のNNMi管理サーバーをアクティブサーバーおよびスタンバイサーバーとして構成し,NNMiが稼働するアクティブサーバーに障害が発生したときに,スタンバイサーバーにNNMiを引き継ぐことでネットワーク監視を継続できます。
このアプリケーションフェイルオーバー機能は,NNMi独自のクラスタマネージャー(nnmclusterプロセス)の制御によって実現していて,クラスタソフトと連携するHA構成とは異なった特徴があります。なお,マニュアルやヘルプでは,アプリケーションフェイルオーバーの構成をNNMiクラスタ(または単にクラスタ)と表記している場合がありますので適宜読み替えてください。
アプリケーションフェイルオーバー機能は,NNMiデータベースを使用してNNMiをインストールすることで利用できるようになります。システムにアプリケーションフェイルオーバー機能を設定すると,NNMiはNNMi管理サーバーの障害を検出した場合に,スタンバイサーバーにNNMiの機能を引き渡します。
NNMiのアプリケーションフェイルオーバー設定では,次の用語と定義を使用しています。
アクティブ:ネットワーク監視を実行中のサーバー。
スタンバイ:フェイルオーバーのイベントを待機しているNNMiクラスタ内のサーバー。このサーバーはネットワーク監視を実行していません。
Cluster Member:クラスタに接続するためにJGroups技術を使用しているシステムで実行中のJavaプロセス。1つのシステムに複数のメンバーを登録できます。
Postgres:トポロジ,インシデント,設定情報などの情報を保存するためにNNMiが使用するデータベース。
Cluster Manager:アプリケーションフェイルオーバー機能でサーバーの監視と管理に使用されるnnmclusterプロセスおよびツール。