5.1.2 ネットワーク待ち時間とタイムアウト
通常のネットワーク遅延は,NNMi管理サーバーがICMPクエリーとSNMPクエリーへの応答を得るための待ち時間に影響を与えます。一般に,ネットワークのエリアが異なれば,応答が返る時間も異なります。例えば,NNMi管理サーバーが置かれているローカルネットワークからは,ほぼ即時の応答が返り,ダイヤルアップワイドエリアリンク経由でアクセスする遠隔地にあるデバイスからの応答は,通常はるかに長く時間が掛かります。
さらに,負荷が大きいデバイスは処理量が多いためICMPクエリーまたはSNMPクエリーにただちに応答できません。タイムアウトと再試行の設定を決定するときには,こうした遅延に関する事項を考慮してください。
ネットワーク領域と特定のデバイスの両方について,固有のタイムアウトと再試行の設定を行うことができます。設定によって,応答がない場合に要求を破棄するまでの,NNMiの応答待ち時間,NNMiがデータを要求する回数が決まります。
要求を再試行するたびに,NNMiは設定したタイムアウト値をそれまでのタイムアウト値に加算します。そのため,再試行するごとに停止時間が長くなります。例えば,NNMiの設定を5秒でタイムアウト,再試行は3回とすると,NNMiは最初の要求への応答を5秒待ちます。応答がない場合は再試行1回目の要求への応答は10秒待ち,2回目の要求への応答は15秒待ち,3回目の要求の応答は20秒待ってから次のポーリングサイクルに移ります。