3.1.6 Windows版のインストールとセットアップに関する注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) 環境変数に関する注意事項
Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。
(2) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
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PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - Agentの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Managerをインストールしてから PFM - Agentをインストールしてください。
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PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Manager → PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance ManagementプログラムをアンインストールしたあとにPFM - Base → PFM - Agentの順でインストールしてください。
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PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールすると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
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PFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールすると,PFM - Agentの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。
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PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - Agentをインストールする場合は,ブラウザの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
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Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ただし,07-50から08-00以降にバージョンアップインストールした場合は,ステータス管理機能の設定状態はバージョンアップ前のままとなります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
- ポイント
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システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
(3) バージョンアップの注意事項
Performance Managementプログラムをバージョンアップする場合の注意事項については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップの章にある,バージョンアップの注意事項について説明している個所を参照してください。
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項についての詳細は,「付録H 移行手順と移行時の注意事項」を参照してください。なお,バージョンアップについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。
(4) SAPシステムをASCSインスタンス構成としている場合の注意事項
SAPシステムを監視する場合は,ダイアログサービスを持つセントラルインスタンス(プライマリアプリケーションサーバインスタンス)またはダイアログインスタンス(追加アプリケーションサーバインスタンス)が存在するホストごとにインスタンス環境を設定する必要があります。
(5) リモート監視機能を使用する場合の注意事項
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リモート監視を行う場合は,NTPなどでホスト間のシステム時刻が同じになるようにしてください。
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PFM - Agentが稼働しているホストと監視対象のSAPシステムが稼働しているホストのタイムゾーンが異なる場合,「3.1.5(10) SAPシステムのタイムゾーンの設定」で説明している手順でSAPシステムのタイムゾーンを使用する設定をしてください。
(6) 管理用リモートデスクトップ接続を使用する場合の制限事項
管理用リモートデスクトップ接続を使用してインストールおよび設定操作する場合,次の制限事項があります。
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インストール,セットアップ,アンインストール,および保守作業の目的でだけ使用可能です。
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リモートデスクトップ接続を使用してインストール,セットアップおよびアンインストールの設定操作を行うには,管理者(Administrator),またはAdministratorsグループに所属するOSのユーザーで接続先にログインしてください。
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複数のセッションから同時に設定操作を行わないでください。設定操作は1つのセッションから行ってください。
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リモートデスクトップを使用して製品のインストールを行う場合は,ターミナルサービスの環境を「インストールモード」に変更してからインストールしてください。
(7) その他の注意事項
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SAPシステムの接続先ダイアログインスタンスに取得対象のMTE 名がない場合,一部のレコードのフィールドは,接続先ダイアログインスタンスに存在しないためパフォーマンスデータを取得できません。このため,共通メッセージやWindowsイベントログに警告メッセージ(KAVF14173-W)が出力されます。この警告メッセージは,各レコードの「Log」(収集したパフォーマンスデータをStoreデータベースに記録するかどうか)の設定内容に関係なく出力されます。
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Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままインストールした場合,システムの再起動を促すメッセージが表示されることがあります。この場合は,メッセージに従ってシステムを再起動し,インストールを完了させてください。
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Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラム(例えばWindowsのイベントビューアなど)を起動したままの状態,ディスク容量が不足している状態,またはディレクトリ権限がない状態でインストールした場合,ファイルの展開に失敗することがあります。Performance Managementのプログラムおよびサービスや,Performance Managementのファイルを参照するような他プログラムが起動している場合はすべて停止してからインストールし直してください。ディスク容量不足やディレクトリ権限不足が問題である場合は,問題を解決したあとでインストールし直してください。
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Performance Managementのプログラムをインストールする場合,次に示すセキュリティ関連プログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インストールされている場合,次の説明に従って対処してください。
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セキュリティ監視プログラム
セキュリティ監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのプログラムのインストールを妨げないようにしてください。
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ウィルス検出プログラム
ウィルス検出プログラムを停止してからPerformance Managementのプログラムをインストールすることを推奨します。
Performance Managementのプログラムのインストール中にウィルス検出プログラムが稼働している場合,インストールの速度が低下したり,インストールが実行できなかったり,または正しくインストールできなかったりすることがあります。
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プロセス監視プログラム
プロセス監視プログラムを停止するかまたは設定を変更して,Performance Managementのサービスまたはプロセス,および共通コンポーネントのサービスまたはプロセスを監視しないようにしてください。
Performance Managementのプログラムのインストール中に,プロセス監視プログラムによって,これらのサービスまたはプロセスが起動されたり停止されたりすると,インストールに失敗することがあります。
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PFM - Agent for Enterprise Applicationsを新規にインストールした場合,「プログラムと機能」ダイアログボックスを開いた時に,表示されるPFM - Agent for Enterprise Applicationsのアイコンが,最初に表示されたアイコンからすぐに別のアイコンに置き換わる場合があります。これはアイコンの表示だけの問題であり,PFM - Agent for Enterprise Applicationsの動作に影響はありません。
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PFM - Agent for Enterprise Applicationsは,IPv6アドレスを使用した通信をサポートしていません。IPv4とIPv6のデュアルスタックのOS環境でPFM - Agent for Enterprise Applicationsを使用する場合は,接続先のSAPホスト名から求まるIPアドレスが,IPv4で解決できる必要があります。この場合,本製品の実行環境に,SAPシステムとの通信でIPv6を利用するための環境変数SAP_IPv6_ACTIVEを設定しないでください。