1.1.4 SAPシステムの運用上の問題点を通知できます
PFM - Agent for Enterprise Applicationsで収集したパフォーマンスデータは,SAPシステムのパフォーマンスをレポートとして表示するのに利用できるだけでなく,SAPシステムを運用していて問題が起こったり,障害が発生したりした場合にユーザーに警告することもできます。
例えば,1分ごとのダイアログタスクの応答時間が3,000ミリ秒を上回った場合,ユーザーにEメールで通知するとします。このように運用するために,「1分ごとのダイアログタスクの応答時間が3,000ミリ秒を上回る」を異常条件のしきい値として,そのしきい値に達した場合,Eメールをユーザーに送信するように設定します。しきい値に達した場合に取る動作を「アクション」と呼びます。アクションには,次の種類があります。
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Eメールの送信
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コマンドの実行
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SNMPトラップの発行
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JP1イベントの発行
しきい値やアクションを定義したものを「アラーム」と呼びます。1つ以上のアラームを1つのテーブルにまとめたものを「アラームテーブル」と呼びます。アラームテーブルを定義したあと,PFM - Agent for Enterprise Applicationsと関連づけます。アラームテーブルとPFM - Agent for Enterprise Applicationsとを関連づけることを「バインド」と呼びます。バインドすると,PFM - Agent for Enterprise Applicationsによって収集されているパフォーマンスデータが,アラームで定義したしきい値に達した場合,ユーザーに通知できるようになります。
このように,アラームおよびアクションを定義することによって,SAPシステムの運用上の問題を早期に発見し,対処できます。
アラームおよびアクションの設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,アラームによる稼働監視について説明している章を参照してください。