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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Agent Option for HiRDB


4.3.1 クラスタシステムでのインストールとセットアップの前に確認すること(Windowsの場合)

インストールおよびセットアップを開始する前提条件,必要な情報,および注意事項について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

PFM - Agent for HiRDBをクラスタシステムで使用する場合,次に示す前提条件があります。

(a) クラスタシステム

次の条件が整っていることを確認してください。

  • クラスタシステムがクラスタソフトによって制御されていること。

  • クラスタソフトが論理ホスト運用するPFM - Agent for HiRDBの起動や停止などを制御するように設定されていること。このとき,PFM - Agent for HiRDBが,監視対象のHiRDBと連動してフェールオーバーするように設定すること。

注意
  • Windowsでは,アプリケーションエラーが発生すると,Microsoftへエラーを報告するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスが表示されるとフェールオーバーできないおそれがあるため,エラー報告を抑止する必要があります。抑止手順については,OSのマニュアルを参照してください。

(b) 共有ディスク

次の条件が整っていることを確認してください。

  • 論理ホストごとに共有ディスクがあり,実行系ノードから待機系ノードへ引き継げること。

  • 共有ディスクが,各ノードに物理的にFibre ChannelやSCSIで接続されていること。

    Performance Managementでは,ネットワークドライブや,ネットワーク経由でレプリケーションしたディスクを共有ディスクとして使う構成はサポートされていません。

  • フェールオーバーの際に,何らかの問題によって共有ディスクを使用中のプロセスが残った場合でも,クラスタソフトなどの制御によって強制的に共有ディスクをオフラインにしてフェールオーバーできること。

  • 一つの論理ホストで複数のPFM製品を運用する場合,共有ディスクのディレクトリ名が同じであること。

    なお,Storeデータベースについては格納先を変更して,共有ディスク上のほかのディレクトリに格納できます。

(c) 論理ホスト名,論理IPアドレス

次の条件が整っていることを確認してください。

  • 論理ホストごとに論理ホスト名,および論理ホスト名と対応する論理IPアドレスがあり,実行系ノードから待機系ノードに引き継げること。

  • 論理ホスト名と論理IPアドレスが,hostsファイルやネームサーバに設定されていること。

  • DNS運用している場合は,FQDN名ではなく,ドメイン名を除いたホスト名を論理ホスト名として使用していること。

  • 物理ホスト名と論理ホスト名は,システムの中でユニークであること。

注意
  • 論理ホスト名に,物理ホスト名(hostnameコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常に通信処理がされなくなるおそれがあります。

  • 論理ホスト名に使用できる文字は,1〜32バイトの半角英数字です。次の記号および空白文字は指定できません。

    / \ : ; * ? ' " < > | & = , .

  • 論理ホスト名には,「localhost」,IPアドレス,「-」から始まるホスト名を指定できません。

(2) 論理ホスト運用するPFM - Agent for HiRDBのセットアップに必要な情報

論理ホスト運用するPFM - Agent for HiRDBをセットアップするには,通常のPFM - Agent for HiRDBのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の表の情報が必要です。

表4‒2 論理ホスト運用のPFM - Agent for HiRDBのセットアップに必要な情報

項目

論理ホスト名

jp1-ha1hrd

論理IPアドレス

172.16.92.100

共有ディスク

S:\jp1

なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementのプログラムが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。

共有ディスクに必要な容量については,「付録A システム見積もり」を参照してください。

(3) PFM - Agent for HiRDBで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項

PFM - Agent for HiRDBを論理ホスト運用するシステム構成の場合,PFM - Agent for HiRDBの障害によって論理ホスト全体をフェールオーバーさせるかどうかを検討してください。

PFM - Agent for HiRDBの障害で論理ホスト全体をフェールオーバーさせると,PFM - Agent for HiRDBが監視対象としている同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションもフェールオーバーすることになり,業務に影響を与えるおそれがあります。

通常は,PFM - Agent for HiRDBに異常が発生しても,HiRDBの動作に影響がないように,次のどちらかのようにクラスタソフトで設定することをお勧めします。

(4) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項

論理ホスト運用のPFM - Agent for HiRDBをバージョンアップする場合は,実行系ノードまたは待機系ノードのどちらか一方で,共有ディスクをオンラインにする必要があります。