4.6.2 アンセットアップ手順
論理ホスト環境をアンセットアップします。アンセットアップ手順には,実行系ノードの手順と,待機系ノードの手順があります。実行系ノード,待機系ノードの順にアンセットアップしてください。
は実行系ノードで行う項目を,
は待機系ノードで行う項目を示します。また,
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
PFM - Agent for Oracleのアンセットアップ手順について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) クラスタソフトからの停止
![[図データ]](GRAPHICS/ZU12003.GIF)
クラスタソフトからの操作で,実行系ノードと待機系ノードで起動しているすべてのPerformance Managementのプログラムおよびサービスを停止してください。停止する方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
(2) 共有ディスクのマウント![[図データ]](GRAPHICS/ZU12002.GIF)
共有ディスクがマウントされていることを確認します。共有ディスクがマウントされていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャの操作などで,共有ディスクをマウントしてください。
- 注意
-
共有ディスクがアンマウントされていても,アンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにjp1pcディレクトリがあり,jp1pcディレクトリ以下にファイルがある場合は,共有ディスクをマウントしないでセットアップしています。この場合は次の手順で対処してください。
-
ローカルディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリをtarコマンドでアーカイブする。
-
共有ディスクをマウントする。
-
共有ディスク上にアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリがない場合は,環境ディレクトリを作成する。
-
共有ディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにtarファイルを展開する。
-
共有ディスクをアンマウントする。
-
ローカルディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリ以下を削除する。
-
(3) ポート番号の設定の解除
![[図データ]](GRAPHICS/ZU12001.GIF)
この手順は,ファイアウォールを使用する環境で,セットアップ時にjpcconf portコマンドでポート番号を設定した場合だけに必要な手順です。
ポート番号の解除方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章,およびクラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。
(4) PFM - Agent の論理ホストのアンセットアップ![[図データ]](GRAPHICS/ZU12002.GIF)
手順を次に示します。
- 注意
-
共有ディスクがマウントされていない状態で論理ホスト環境を削除した場合は,物理ホスト上に存在する論理ホストの設定が削除され,共有ディスク上のディレクトリやファイルは削除されません。この場合,共有ディスクをマウントして,環境ディレクトリ以下のjp1pcディレクトリを手動で削除する必要があります。
-
jpcconf ha listコマンドを実行して,論理ホスト設定を確認する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcconf ha list -key all -lhost jp1-halora
論理ホスト環境をアンセットアップする前に,現在の設定を確認します。論理ホスト名や共有ディスクのパスなどを確認してください。
-
PFM - Agent for Oracleのインスタンス環境を削除する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcconf inst unsetup -key Oracle -lhost jp1-halora -inst SDC1
jpcconf inst unsetupコマンドを実行すると,論理ホストのインスタンスを起動するための設定が削除されます。また,共有ディスク上のインスタンス用のファイルが削除されます。
-
jpcconf ha unsetupコマンドを実行して,PFM - Agent for Oracleの論理ホスト環境を削除する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcconf ha unsetup -key Oracle -lhost jp1-halora
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf inst unsetupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf inst unsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
jpcconf ha unsetupコマンドを実行すると,論理ホストのPFM - Agent for Oracleを起動するための設定が削除されます。また,共有ディスク上の論理ホスト用のファイルが削除されます。
-
jpcconf ha listコマンドで,論理ホスト設定を確認する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcconf ha list -key all
論理ホスト環境からPFM - Agent for Oracleが削除されていることを確認してください。
-
Oracle Databaseからオブジェクトを削除する。
PFM - Agent for OracleがOracleを監視するときに必要なオブジェクト(監視用のプロシージャや作業用のテーブル)をOracleから削除します。このオブジェクトは,PFM - Agent for Oracleが提供している削除用のSQLスクリプトを実行して削除します。Oracle Databaseからのオブジェクトの削除方法については,「3.2.2(1)(b) Oracle Databaseへ登録したオブジェクトを削除する」を参照してください。
-
Oracleの初期化パラメーターを元に戻す。
PFM - Agent for Oracleのレコード収集のために,Oracleの初期化パラメーター「TIMED_STATISTICS」の値を変更している場合は,必要に応じて元に戻してください。
-
OracleのアカウントおよびOracleのアカウントが使用していた表領域を削除する。
PFM - Agent for Oracleで使用しなくなったOracleのアカウントを削除します。
また,Oracleのアカウントを削除したことによって,そのアカウントが使用していた表領域が必要なくなった場合,その表領域を削除します。
Oracleのアカウントの削除方法については,「3.2.2(2) PFM - Agent for Oracleで使用するOracleのアカウントの削除」を参照してください。
(5) 他Performance Managementプログラムの論理ホストのアンセットアップ
![[図データ]](GRAPHICS/ZU12001.GIF)
PFM - Agent for Oracleのほかに,同じ論理ホストからアンセットアップするPFM - Agentがある場合は,この段階でアンセットアップしてください。
アンセットアップ手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章,または各PFM - Agentマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。
(6) 論理ホスト環境定義ファイルのエクスポート![[図データ]](GRAPHICS/ZU12002.GIF)
論理ホストのPFM - Agent for Oracleを削除したら,環境定義をファイルにエクスポートします。
Performance Managementでは,環境定義のエクスポートおよびインポートによって実行系と待機系の環境を合わせる方式を採っています。
実行系ノードでエクスポートした環境定義(Performance Managementの定義が削除されている)を,待機系ノードにインポートすると,待機系ノードの既存の環境定義(Performance Managementの定義が削除前のままの状態で定義が残っている)と比較して差分(実行系ノードで削除された部分)を確認してPerformance Managementの環境定義を削除します。
手順を次に示します。
-
jpcconf ha exportコマンドを実行して,論理ホスト環境定義をエクスポートする。
Performance Managementの論理ホスト環境の定義情報を,エクスポートファイルに出力します。エクスポートファイル名は任意です。
例えば,lhostexp.txtファイルに論理ホスト環境定義をエクスポートする場合,次のようにコマンドを実行します。
jpcconf ha export -f lhostexp.txt
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf ha exportコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf ha exportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
(9) 論理ホスト環境定義ファイルのインポート![[図データ]](GRAPHICS/ZU12003.GIF)
実行系ノードからコピーしたエクスポートファイルを,待機系ノードに反映させるためにインポートします。なお,待機系ノードでは,インポート時に共有ディスクをアンマウントする必要はありません。
手順を次に示します。
-
jpcconf ha importコマンドを実行して,論理ホスト環境定義をインポートする。
次のようにコマンドを実行します。
jpcconf ha import -f lhostexp.txt
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf ha importコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf ha importコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
コマンドを実行すると,待機系ノードの環境を,エクスポートファイルの内容と同じ環境になるように設定変更します。これによって,論理ホストのPFM - Agent for Oracleを起動するための設定が削除されます。ほかの論理ホストのPerformance Managementのプログラムをアンセットアップしている場合は,それらの設定も削除されます。
また,セットアップ時にjpcconf portコマンドで固定のポート番号を設定している場合も,解除されます。
-
jpcconf ha listコマンドを実行して,論理ホスト設定を確認する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcconf ha list -key all
実行系ノードでjpcconf ha listコマンドを実行したときと同じ内容が表示されることを確認してください。
(10) クラスタソフトからのPFM - Agentの登録解除
![[図データ]](GRAPHICS/ZU12003.GIF)
クラスタソフトから,論理ホストのPFM - Agent for Oracleに関する設定を削除してください。
設定を削除する方法は,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
(11) 接続先PFM - Managerの解除
![[図データ]](GRAPHICS/ZU12003.GIF)
接続先PFM - Managerを解除する場合は,PFM - Web ConsoleでPFM - Managerにログインし,接続しているPFM - Agent for Oracleに関連する定義を削除する必要があります。手順を次に示します。
手順を次に示します。
-
「(1) クラスタソフトからの停止」でPFM - Managerサービスを停止している場合,クラスタソフトの操作でPFM - Managerサービスを起動してください。起動する方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
-
PFM - Web Consoleから,エージェントを削除する。
-
PFM - Managerのエージェント情報を削除する。
例えば,PFM - Managerが論理ホストjp1-hal上で動作し,PFM - Agent for Oracleが論理ホストjp1-halora上で動作している場合,次のように指定してコマンドを実行します。
jpctool service delete -id サービスID -host jp1-halora -lhost jp1-hal
サービスIDには削除するエージェントのサービスIDを指定してください。
-
PFM - Managerサービスを再起動する。
サービスの起動方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
-
PFM - Managerホストのサービス情報を反映する。
PFM - Web Consoleホストにサービス情報の削除を反映するため,PFM - Manager ホストとPFM - Web Consoleホストのエージェント情報を同期します。エージェント情報を同期するにはjpctool service syncコマンドを使用してください。