付録H バージョンアップ手順とバージョンアップ時の注意事項
PFM - Agent for Platformをバージョンアップするには,PFM - Agent for Platformを上書きインストールします。インストールの操作の詳細については,「4. UNIX版のインストールとセットアップ」を参照してください。
Performance Managementプログラムをバージョンアップする場合の注意事項については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップの章および付録にある,バージョンアップの注意事項について説明している個所を参照してください。
ここでは,PFM - Agent for Platformをバージョンアップする場合の注意事項を示します。
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バージョンアップする際には,古いバージョンのPFM - Agent for Platformをアンインストールしないでください。アンインストールすると,古いバージョンで作成したパフォーマンスデータなども一緒に削除されてしまうため,新しいバージョンで使用できなくなります。
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PFM - Agent for Platformを上書きインストールすると,次の項目が自動的に更新されます。
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Agent StoreサービスのStoreデータベースファイル
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iniファイル
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バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースを自動的にバージョンアップします。Storeデータベースのサイズによってはインストール処理が数十分かかることがあります。
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バージョンアップ後のStoreデータベースファイル群(*.DBおよび*.IDX)の個々のファイルサイズは,最大で1.8GBとなります。また,ulimitコマンドによるファイルサイズ制限やファイルシステムの制限があれば,制限値の90%と1.8GBの,より小さい方が最大サイズとなります。
バージョンアップ後のファイルサイズがこの最大サイズを超える場合,最大サイズに収まらないデータが削除され,共通メッセージログにKAVE05834-Wメッセージが出力されます。
削除されるデータは次のルールで選定されます。
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PDデータベースまたはPLデータベースの場合
収集時刻が古いデータから順に削除されます。
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PIデータベースの場合
要約の区分が,分,時,日,週,月,年の順にデータが削除されます。要約の区分が同じデータの中では,収集時刻が古いデータから順に削除されます。
上記のとおり古いデータは削除されることがあります。必要に応じて,パフォーマンスデータをCSV出力してから,バージョンアップを行うようにしてください。CSV出力方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のレポートの出力について説明している章を参照してください。
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Storeデータベースをバージョンアップするとデータモデルが変更されるため,Storeデータベースのディスク占有量が変化します。新しいデータモデルに基づいて,収集項目・頻度およびStoreデータベースの保存条件を見直してください。
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バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースを自動的にバージョンアップするため一時的にStoreデータベースの格納先のディスクにStoreデータベースのサイズの2倍の容量を必要とします。
バージョンアップインストールを行う前に,Storeデータベースの格納先のディスクの空き容量が十分かどうか確認してください。
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PFM - Agent for Platform 07-50以前のバージョンが既にインストールされている場合,PFM - Agent for Platform 08-00以降を上書きインストールすると,レコードの一部がサポート対象外に変更されます。バージョンアップインストール時に,変更に関する次のメッセージがPPインストーラによって表示されます。
In the Performance Management - Agent Option for Platform that you are attempting to install, there is a limit on supported records.
For details, please see the "Release Notes".
新たにサポート対象外となるレコードについては,「付録M 各バージョンの変更内容」を参照してください。
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PFM - Agent for Platform 07-50以前のバージョンが既にインストールされている場合,PFM - Agent for Platform 08-00以降を上書きインストールすると,PFM - Web ConsoleのAgent Collectorサービスのプロパティで表示される「Detail Records」と「Interval Records」,Agent Storeサービスのプロパティで表示される「Retention」に,サポート対象外となったレコードが表示されます。
このレコードのプロパティは変更できますが,レコードの収集およびAgent Storeデータベースへの記録はできません。
「Detail Records」と「Interval Records」で,サポート対象外のレコードを表示しないようにするには,/opt/jp1pc/agtu/agentディレクトリにあるjpcagt.ini.modelファイルをjpcagt.iniにコピーし,プロパティを再設定する必要があります。
「Retention」で,サポート対象外のレコードを表示しないようにするには,/opt/jp1pc/agtu/storeディレクトリにあるjpcsto.ini.modelファイルをjpcsto.iniにコピーし,プロパティを再設定する必要があります。
次の手順により,再設定してください。
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jpcspm stop -key agtuで,サービスを停止する。
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jpcagt.ini.modelファイルをjpcagt.iniにコピーする。
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jpcsto.ini.modelファイルをjpcsto.iniにコピーする。
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jpcspm start -key agtuで,サービスを起動する。
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以前設定していた状態がデフォルト状態に戻るため,PFM - Web Consoleから各レコードのプロパティを再度設定してください。
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Linux 8またはCentOS 8で,PFM - Agent for Platformを12-50以降にバージョンアップする場合,ALL Container Collection for Processプロパティの設定内容の見直しが必要になることがあります。詳細については,「2.3.21(5)(b) Podmanホスト環境での注意事項」を参照してください。