7.3.4 アプリケーションの稼働・非稼働情報収集時のアラーム運用例
アプリケーションの稼働・非稼働情報を収集する機能を用いたアラームの運用例について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 特定のプロセス起動状況について監視する場合
ここでは,監視対象のうち,特定のプロセスが起動しているか監視する場合の設定内容について説明します。
次に示すプロセスが通常は1つだけ起動している環境で,プロセスが複数(2つ以上)起動するかまたは停止してしまった場合に,異常アラームを通知するように設定します。
プロセス名 |
コマンドライン |
---|---|
GyoumuProcess |
GyoumuProcess -a 1 |
-
[ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーの[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に設定するインスタンス名を次に示します。
GyoumuProcess Monitor
-
[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成された「GyoumuProcess Monitor」のプロパティで設定する内容を次に示します。
Process01 Kind:「Execute」を選択する。 Process01 Name:「GyoumuProcess」を入力する(プロセス名を入力します)。 Process01 Range:「1-1」を入力する。
上記の設定の結果,プロセスが起動していると,PD_APPレコードの「Process01 Count」,「Process01 Status」,および「Application Status」フィールドの値はそれぞれ次のようにレポート表示されます。
表7‒11 PD_APPレコードの各フィールド値の結果 フィールド名
値
Process01 Count
1※1
Process01 Status
NORMAL※2
Application Status
NORMAL※2
- 注※1
-
稼働中の該当プロセス数を示します。
- 注※2
-
問題がないことを示します。
-
アラームに設定する内容を次に示します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Name」を選択する。 条件:「=」を選択する。 異常値:「GyoumuProcess Monitor」を入力する。 警告値:「GyoumuProcess Monitor」を入力する。
上記内容を設定し[追加]ボタンをクリックしたあと,次の内容を追加設定します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Status」を選択する。 条件:「<>」を選択する。 異常値:「NORMAL」を入力する。 警告値:「NORMAL」を入力する。
アラーム条件式はANDで結合されます。インスタンスを特定しないで「Application Status」の結果だけを監視する場合には,「Application Status」<>「NORMAL」だけを指定してください。
(2) 引数を伴うプロセスの起動状況について監視する場合
ここでは,監視対象の引数を伴うプロセスが起動しているか監視する場合の設定内容について説明します。
次に示す引数を伴うプロセスが停止してしまった場合に,異常アラームを通知するように設定します。
プロセス名 |
コマンドライン |
---|---|
GyoumuProcess |
GyoumuProcess -a 1 |
-
[ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーの[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に設定するインスタンス名を次に示します。
GyoumuProcess Monitor
-
[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成された「GyoumuProcess Monitor」のプロパティで設定する内容を次に示します。
Process01 Kind:「Command Line」を選択する。 Process01 Name:「GyoumuProcess -a 1」を入力する(コマンドラインを入力します)。 Process01 Range:「1-1」を入力する。
上記の設定の結果,プロセスが起動していると,PD_APPレコードの「Process01 Count」,「Process01 Status」,および「Application Status」フィールドの値はそれぞれ次のようにレポート表示されます。
表7‒13 PD_APPレコードの各フィールド値の結果 フィールド名
値
Process01 Count
1※1
Process01 Status
NORMAL※2
Application Status
NORMAL※2
- 注※1
-
稼働中の該当プロセス数を示します。
- 注※2
-
問題がないことを示します。
-
アラームに設定する内容を次に示します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Name」を選択する。 条件:「=」を選択する。 異常値:「GyoumuProcess Monitor」を入力する(手順1で設定したインスタンス名)。 警告値:「GyoumuProcess Monitor」を入力する(手順1で設定したインスタンス名)。
上記内容を設定し[追加]ボタンをクリックしたあと,次の内容を追加設定します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Status」を選択する。 条件:「<>」を選択する。 異常値:「NORMAL」を入力する。 警告値:「NORMAL」を入力する。
アラーム条件式はANDで結合されます。インスタンスを特定しないで「Application Status」の結果だけを監視する場合には,「Application Status」<>「NORMAL」だけを指定してください。
(3) 複数のプロセスがすべて起動しているか監視する場合
ここでは,監視対象のプロセスがすべて起動しているか監視する場合の設定内容について説明します。
次に示す5つのプロセスが,すべて起動しているときはアラームを通知しないようにし,1つでも停止しているときは異常アラームを通知する手順について説明します。
プロセス名 |
コマンドライン |
---|---|
GyoumuProcess1 |
GyoumuProcess1 -a 1 |
GyoumuProcess2 |
GyoumuProcess2 -a 2 |
GyoumuProcess3 |
GyoumuProcess3 -a 3 |
GyoumuProcess4 |
GyoumuProcess4 -a 4 |
GyoumuProcess5 |
GyoumuProcess5 -a 5 |
-
[ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーの[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に設定するインスタンス名を次に示します。
GyoumuProcess Monitor
-
[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成された「GyoumuProcess Monitor」のプロパティで設定する内容を次に示します。
Process01 Kind:「Execute」を選択する。 Process01 Name:「GyoumuProcess*」を入力する。※ Process01 Range:「1-5」を入力する。
- 注※
-
通番にワイルドカード文字「*」を使用します。なお,ワイルドカード文字の代わりに,任意の一文字「?」を使用することもできます。
上記の設定の結果,5つのプロセスがすべて起動していると,PD_APPレコードの「Process01 Count」,「Process01 Status」,および「Application Status」フィールドの値はそれぞれ次のようにレポート表示されます。
表7‒15 PD_APPレコードの各フィールド値の結果 フィールド名
値
Process01 Count
5※1
Process01 Status
NORMAL※2
Application Status
NORMAL※2
- 注※1
-
稼働中の該当プロセス数を示します。
- 注※2
-
問題がないことを示します。
-
アラームに設定する内容を次に示します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Process01 Count」を選択する。 条件:「<」を選択する。 異常値:「5」を入力する。 警告値:「5」を入力する。
5つのプロセスがすべて起動していればアラームを通知しません。プロセスが1つでも停止している場合はアラームを通知します。また,アラーム条件式はANDで結合されるため,プロセスの起動数が1〜5以外の場合に異常アラームを通知させるような設定はできません。
(4) 先頭から31バイトまでが同じ名称のプロセスが複数存在する場合に,ある特定のプロセスに対して起動しているか監視する場合
ここでは,監視対象のうち,先頭から31バイトまでが同じ名称のプロセスが複数存在している場合に,ある特定のプロセスが起動しているか監視する場合の設定内容について説明します。
次に示す2つのプロセスがそれぞれ1つずつ起動している場合に,「1234567890123456789012345678901A」プロセスが複数(2つ以上)起動されたとき,または停止してしまったときに,異常アラームを通知するように設定します。
プロセス名 |
コマンドライン |
---|---|
1234567890123456789012345678901A |
1234567890123456789012345678901A -A |
1234567890123456789012345678901B |
1234567890123456789012345678901B -B |
-
[ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーの[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に設定するインスタンス名を次に示します。
Long Name Process Monitor
-
[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成された「Long Name Process Monitor」のプロパティで設定する内容を次に示します。
Process01 Kind:「Execute」を選択する。 Process01 Name:「1234567890123456789012345678901A」を入力する。 Process01 Range:「1-1」を入力する。
上記の設定の結果,「1234567890123456789012345678901A」プロセスが1つだけ起動していると,PD_APPレコードの「Process01 Count」,「Process01 Status」,および「Application Status」フィールドの値はそれぞれ次のようにレポート表示されます。
表7‒17 PD_APPレコードの各フィールド値の結果 フィールド名
値
Process01 Count
1※1
Process01 Status
NORMAL※2
Application Status
NORMAL※2
- 注※1
-
稼働中の該当プロセス数を示します。
- 注※2
-
問題がないことを示します。
-
アラームに設定する内容を次に示します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Name」を選択する。 条件:「=」を選択する。 異常値:「Long Name Process Monitor」を入力する(1の手順で設定したインスタンス名)。 警告値:「Long Name Process Monitor」を入力する(1の手順で設定したインスタンス名)。
上記内容を設定し[追加]ボタンをクリックしたあと,次の内容を追加設定します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Status」を選択する。 条件:「<>」を選択する。 異常値:「NORMAL」を入力する。 警告値:「NORMAL」を入力する。
上記の監視に加えて,これまでの監視方法と別の方法で「1234567890123456789012345678901B」プロセスについても監視する場合は,上記のインスタンス名と異なるインスタンス名を使用し,アラーム設定の「Application Name」フィールドの条件にそのインスタンス名を追加してください。
(5) SolarisのGlobal Zone環境にPFM - Agent for Platformをインストールして,Global Zone環境のプロセスに対して起動しているか監視する場合
ここでは,監視対象のGlobal Zone上のプロセスが起動しているか監視する場合の設定内容について説明します。
次に示すプロセスがGlobal Zone環境およびNon-Global Zone環境でそれぞれ1つずつ起動しているときに,Global Zone上のプロセスが複数(2つ以上)起動するかまたは停止してしまった場合に,異常アラームを通知する手順について説明します。
プロセス名 |
コマンドライン |
---|---|
GyoumuProcess |
GyoumuProcess -a 1 |
-
[Agent Configuration]ツリーの[ALL Zone Collection for Process]に設定する内容を次に示します。
Yes
-
[ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーの[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に設定するインスタンス名,および[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING FOR VIRTUAL ENVIRONMENT]に設定する内容を次に示します。
ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING:Global Zone Process Monitor ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING FOR VIRTUAL ENVIRONMENT:0
-
[OK]ボタンをクリックする。
-
[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成された「Global Zone Process Monitor, Virt ID = 0」のプロパティで設定する内容を次に示します。
Process01 Kind:「Execute」を選択する。 Process01 Name:「GyoumuProcess」を入力する。 Process01 Range:「1-1」を入力する。
上記の設定の結果,「GyoumuProcess」プロセスが1つだけ起動していると,PD_APPレコードの「Process01 Count」,「Process01 Status」,および「Application Status」フィールドの値はそれぞれ次のようにレポート表示されます。
表7‒19 PD_APPレコードの各フィールド値の結果 フィールド名
値
Process01 Count
1※1
Process01 Status
NORMAL※2
Application Status
NORMAL※2
- 注※1
-
稼働中の該当プロセス数を示します。
- 注※2
-
問題がないことを示します。
-
[メイン]画面のナビゲーションフレームで[アラーム階層]タブを選択する。
[アラーム階層]画面が表示されます。
-
「UNIX」ディレクトリの下位の階層を展開し,既存のアラームテーブルを表示させます。
-
メソッドフレームの[新規アラームテーブル]を選択し,アラームテーブルを作成します。新規アラームテーブルに設定する基本情報を次に示します。
プロダクト:UNIX(7.6)を選択する。 アラームテーブル名:AlarmTable1を入力する。 アラーム名:GyoumuProcess Alarmを入力する。
-
[次へ]ボタンをクリックする。
-
アラームに設定する内容を次に示します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Name」を選択する。 条件:「=」を選択する。 異常値:「Global Zone Process Monitor」を入力する(手順2で設定したインスタンス名)。 警告値:「Global Zone Process Monitor」を入力する(手順2で設定したインスタンス名)。
上記内容を設定し[追加]ボタンをクリックしたあと,次の内容を追加設定します。
レコード:「Application Summary(PD_APP)」を選択する。 監視フィールド:「Application Status」を選択する。 条件:「<>」を選択する。 異常値:「NORMAL」を入力する。 警告値:「NORMAL」を入力する。