4.10 運用上の注意事項
PFM - Agent for Platformを運用するにあたって,知っておくべき注意事項について説明します。
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Agent CollectorサービスやAgent Storeサービスに対してjpctool service listコマンドを実行する場合の注意事項については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
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PFM - Agent for Platformに対してjpcspm startコマンドおよびjpcspm stopコマンドを実行する場合の注意事項については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
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Hitachi Tuning ManagerはPerformance Managementを監視することができません。
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ウィルス検出プログラムの影響で,Performance Managementが使用しているファイルおよびフォルダに対するファイルアクセスに排他制御によるロックが掛かることがあります。この影響で,次のような現象が発生するおそれがあります。
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Performance Managementが起動できない。
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性能情報の収集ができない,または遅延する。
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Performance Managementのコマンドが異常終了する。
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ログが出力できなくなり,トラブル発生時の調査ができなくなる。
Performance Managementの稼働中にウイルスチェックをする場合は,Performance Managementのインストールフォルダ以下のファイル(Storeデータベースの格納先を変更している場合は変更した場所も含む)を対象から外してください。
Performance Managementの停止中にウイルスチェックをしてPerformance Managementを再起動する場合は,Performance Managementのインストールフォルダ以下(Storeデータベースの格納先を変更している場合は変更した場所も含む)のウイルスチェックが完了したことを確認してください。
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06-70-/Iまたは07-00-/Gより前のバージョンでサービスを自動で起動する設定をしている場合,次の問題が発生することがあります。
電源断などによりPFMサービスが正常に終了処理を行わずに終了すると,Agent Storeサービス起動時にStoreデータベースのインデックスを再構築するため時間が掛かります。その間,Agent Collectorサービスは,Agent Storeサービスと通信が行えず,起動に失敗する場合があります。
上記の問題を解消するためにPFM - Agent for Platformをインストールすると,自動起動スクリプトのモデルファイルが変更されます。必要に応じて自動起動スクリプトファイルのバックアップを取り,再設定してください。設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の監視マネージャーおよび監視エージェントのサービスの自動起動を設定または解除(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。
なお,再設定後の自動起動スクリプトファイルによるサービスの起動では,次のように動作が変更されます。
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PFMサービスの起動処理をバックグラウンドで実行するため,OS起動完了後も,PFMサービスが起動処理中の場合があります。
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Performance Managementの各サービスは同期をとって起動するため,再設定前より起動完了までに時間が掛かることがあります。
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再設定前は,次のメッセージがコンソールに出力されていましたが,再設定後は出力されません。PFMサービスの起動確認は,共通メッセージログを確認してください。
KAVE06007-I サービスを起動します(service=サービス名,lhost=論理ホスト名,inst=インスタンス名)
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HP-UXでは,Node and Host Name Expansion機能を有効にした場合でもPerformance Managementで使用できるホスト名は先頭から8バイトまでの長さに制限されます。このため9バイト以上のホスト名で運用する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の運用上の注意事項について説明している章を参照してください。
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HP-UXおよびSolarisでは,PFMサービスの自動起動は,OS規定のランレベル2で起動した場合に有効です。PFMサービスの自動停止は,OS規定のランレベル1で起動した場合に有効です。その他のランレベルで起動した場合は,自動起動・自動停止は動作しません。
また,Linuxでは,PFMサービスの自動起動は,OS規定のランレベル3と5で起動した場合に有効です。PFMサービスの自動停止は,OS規定のランレベル0と6で起動した場合に有効です。
上記以外のランレベルで起動した場合は,自動起動・自動停止は動作しません。
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HP-UXでは,PFM - Agent for Platformは高信頼性モードでの運用に対応しておりません。
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PD_FSLやPD_FSRを収集する場合は,収集間隔のタイミングでシステムコールを発行して情報を収集しています。システムコールでの情報収集時はファイルシステムにアクセスしているため,情報収集時にumountコマンドでそのファイルシステムをアンマウントしようとすると,umountコマンドの実行が失敗することがあります。この場合,収集間隔以外のタイミングでumountコマンドを再度実行してください。
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Linuxでは,PFM - Agent for Platformは,CPU数が動的に変更する環境に対応しておりません。CPU数を変更した場合は,Agent Collectorサービスを再起動する必要があります。
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NFS File Systemプロパティを「No」に設定していない場合には,マウントしているリモートファイルシステムの情報が参照できる状態(dfコマンドが正常に実行できる状態)で運用してください。マウントしているリモートファイルシステムが応答を返さない状態で,PD_FSLレコード,PD_FSRレコードを収集した場合,Agent Collectorサービスがハングアップし,すべてのパフォーマンスデータの収集を継続できなくなります。この場合,次の回復手順を実施してください。
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jpcagtuプロセスをkillコマンドで停止する。
# kill -TERM(またはKILL) jpcagtuのプロセスID
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NFSデーモンを再起動するなど,正常にリモートファイルシステムがマウントされている状態に回復する。
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jpcspm startコマンドでAgent Collectorサービスを起動する。
# /opt/jp1pc/tools/jpcspm start -key agtu
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AIXでは,PFM - Agent for Platform 08-00-10以降のバージョンでは,システムに割り当てることが可能な非稼働中のCPUの情報がインスタンスとして追加されているため,PI_CPUPレコードのインスタンス数がPFM - Agent for Platform 08-00-10より前のバージョンに比べて増加する場合があります。
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HP-UXで提供されるEmulex Fibre Channelカードの仮想化およびN-Port ID仮想化(NPIV)の機能を使用してディスクデバイスを動的に変更した場合,Device Detail(PI_DEVD)レコードで次のような現象が発生することがあります。
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動的に追加したディスクデバイスは,I/Oが発生している期間のみパフォーマンスデータが取得され,それ以外の期間はパフォーマンスデータが取得されません。
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リアルタイムレポートでデルタ値を表示する場合,動的に追加したディスクデバイスの初回収集時のパフォーマンスデータに不正な値が表示されます。
このような現象が発生する場合は,次のような方法で運用することを検討してください。
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アラームの評価を行う場合,動的に追加されたディスクデバイスを監視対象から除外する。
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レポートの表示設定画面で[デルタ値で表示]にチェックをつけない,または動的に追加されたディスクデバイスのデルタ値を確認する場合は,2回目以降に収集されたパフォーマンスデータを参照する。
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