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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Oracle


3.4.1 インストールとセットアップの前に(UNIXの場合)

インストールおよびセットアップを開始する前に前提条件,必要な情報,および注意事項について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

PFM - RM for Oracleをクラスタシステムで使用する場合,次に示す前提条件があります。

(a) クラスタシステム

次の条件が整っていることを確認してください。

  • クラスタシステムがクラスタソフトによって制御されていること。

  • クラスタソフトが論理ホスト運用するPFM - RM for Oracleの起動や停止などを制御するように設定されていること。

(b) 共有ディスク

次の条件が整っていることを確認してください。

  • 論理ホストごとに共有ディスクがあり,実行系ノードから待機系ノードへ引き継げること。

  • 共有ディスクが,各ノードに物理的にFibre ChannelやSCSIで接続されていること。

    Performance Managementでは,ネットワークドライブや,ネットワーク経由でレプリケーションしたディスクを共有ディスクとして使う構成はサポートされていません。

  • フェールオーバーの際に,何らかの問題によって共有ディスクを使用中のプロセスが残った場合でも,クラスタソフトなどの制御によって強制的に共有ディスクをアンマウントしてフェールオーバーできること。

  • 1つの論理ホストで複数のPerformance Management製品を運用する場合,共有ディスクのディレクトリ名が同じであること。

    なお,Storeデータベースについては格納先を変更して,共有ディスク上のほかのディレクトリに格納できます。

(c) 論理ホスト名,論理IPアドレス

次の条件が整っていることを確認してください。

  • 論理ホストごとに論理ホスト名,および論理ホスト名と対応する論理IPアドレスがあり,実行系ノードから待機系ノードに引き継げること。

  • 論理ホスト名と論理IPアドレスが,hostsファイルやネームサーバに設定されていること。

  • DNS運用している場合は,FQDN名ではなく,ドメイン名を除いたホスト名を論理ホスト名として使用していること。

  • 物理ホスト名と論理ホスト名は,システムの中でユニークであること。

注意
  • 論理ホスト名に,物理ホスト名(uname -nコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常に通信処理がされなくなる可能性があります。

  • 論理ホスト名に使用できる文字は,1〜32バイトの半角英数字です。次の記号および空白文字は指定できません。

    / \ : ; * ? ' " < > | & = , .

  • 論理ホスト名には,"localhost",IPアドレス,"-"から始まるホスト名を指定できません。

(d) IPv6を使用する場合の設定

Performance Managementでは,ネットワーク構成がIPv4環境だけでなくIPv6環境にも対応しています。そのため,IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でも,Performance Managementを運用できます。

PFM - RM for Oracleでは,PFM - ManagerとIPv6で通信できます。ただし,PFM - RM for OracleおよびPFM - Managerが導入されているホストのOSが,Windows,またはLinuxの場合に限ります。

IPv4環境とIPv6環境での通信の適用範囲については,「付録M IPv4環境とIPv6環境での通信について」を参照してください。

IPv6で通信する場合,PFM - ManagerホストとPFM - RMホストのそれぞれでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。また,PFM - RM for Oracleをインストールする前に,PFM - RMホストでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。この設定はjpcconf ipv6 enableコマンドで実行しますが,すでに有効になっている場合,この設定は必要ありません。IPv6の利用設定を確認するためには,jpcconf ipv6 displayコマンドを実行します。

jpcconf ipv6 enable,jpcconf ipv6 displayコマンドは,実行系および待機系のそれぞれで実行してください。

jpcconf ipv6 enableコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。また,jpcconf ipv6 enableコマンドを実行する条件やタイミングについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のIPv6環境が含まれる場合のネットワーク構成例について説明している章を参照してください。

なお,PFM - RM for OracleとPFM - ManagerをIPv6で通信する場合,名前解決できるホスト名を指定してください。

PFM - RM for OracleとPFM - Managerとの通信は,解決できるIPアドレスで通信します。また,PFM - RM for OracleとPFM - Managerとの通信では,IPv4とIPv6が共存した環境の場合,解決できるIPアドレスで通信に失敗したとき,別のIPアドレスで通信することはありません。

例えば,IPv4で接続に失敗した場合,IPv6でリトライすることはありません。また,IPv6で接続に失敗した場合に,IPv4でリトライすることもありません。事前に接続できることを確認してください。

(2) 論理ホスト運用するPFM - RM for Oracleのセットアップに必要な情報

論理ホスト運用するPFM - RM for Oracleをセットアップするには,通常のPFM - RM for Oracleのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の表の情報が必要です。

表3‒4 論理ホスト運用のPFM - RM for Oracleのセットアップに必要な情報

項目

論理ホスト名

jp1-halora

論理IPアドレス

172.16.92.100

共有ディスク

/jp1

なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementのプログラムが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。

共有ディスクに必要な容量については,「付録A システム見積もり」を参照してください。

(3) PFM - RM for Oracleで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項

PFM - RM for Oracleを論理ホスト運用するシステム構成の場合,PFM - RM for Oracleの障害によって論理ホスト全体をフェールオーバーさせるかどうかを検討してください。

PFM - RM for Oracleの障害で論理ホスト全体をフェールオーバーさせると,同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションもフェールオーバーすることになり,業務に影響を与えるおそれがあります。