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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Oracle


3.1.1 HAクラスタシステム

HAクラスタシステムでPFM - RM for Oracleを運用するためには,次の2つの方法があります。

それぞれの場合のシステム構成について説明します。

〈この項の構成〉

(1) HAクラスタシステムのOracleを監視するPFM - RM for Oracleの構成

Oracle Database(シングルインスタンスのOracle)をHAクラスタシステムで運用すると,障害発生時にフェールオーバーすることができ,可用性が向上します。

OracleをHAクラスタシステムで運用する場合,一般的には,実行系ノードと待機系ノードの両方で同じOracleのインスタンスが実行できる環境を構築し,Oracleのデータ(データファイル,構成ファイル,ログファイルなど)一式を共有ディスクに格納した構成にします。

PFM - RM for OracleからHAクラスタシステムのOracleを監視する場合,PFM - RM for Oracleが存在するホストから,論理ホスト名と論理IPアドレスで,監視対象の論理ホストに接続できるようにネットワークを構成します。

PFM - RM for Oracleは,次の図のようにクラスタ構成された論理ホストのOracleに対しては,非クラスタ構成のOracleと同様の設定で運用できます。

図3‒1 HAクラスタシステムのOracleを監視するPFM - RM for Oracleの構成例

[図データ]

なお,HAクラスタシステム上でOracleを運用する場合,一般的にはクラスタソフトからOracleを制御するためのソリューション製品を使用します。例えば,Windows WSFCの場合はOracle Fail Safeを使います。UNIXのクラスタソフトの場合は,各クラスタソフトのベンダーが提供している製品を使います。

また,クラスタシステムでのOracleの構成や運用方法は,システムによって異なる場合があります。

(2) HAクラスタシステムでPFM - RM for Oracleを運用する場合の構成

PFM - RM for OracleをHAクラスタシステムで運用すると,障害発生時にフェールオーバーすることができ,可用性が向上します。

HAクラスタシステムでPFM - RM for Oracleを運用する場合の構成例を次の図に示します。

図3‒2 HAクラスタシステムでのPFM - RM for Oracleの構成例

[図データ]

図3-2に示すように,PFM - RM for Oracleは論理ホスト環境で動作し,Oracleを監視します。障害発生時はOracleのフェールオーバーに連動してPFM - RM for Oracleもフェールオーバーし,監視を継続できます。

また,共有ディスクに定義情報やパフォーマンス情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。1つの論理ホストに複数のPerformance Managementのプログラムがある場合は,それぞれが同じ共有ディレクトリを使います。

監視対象のOracleが複数ある場合,PFM - RM for Oracleを別々の論理ホスト環境に配置することで,それぞれのPFM - RM for Oracleを独立して動作させ,別々にフェールオーバーさせることができます。