10.2.3 PFM - Web Consoleのインストールとセットアップ
(1) インストールとセットアップの流れ
|
手順中のは実行系ノードで行う項目を,
は待機系ノードで行う項目を示します。また,
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
(2) インストール手順
![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
実行系ノードおよび待機系ノードに,PFM - Web Consoleを新規インストールします。インストール手順は非クラスタシステムの場合と同じです。
インストール手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(Windowsの場合)について説明している章を参照してください。
- 注意
-
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インストール先はローカルディスクです。共有ディスクにはインストールしないでください。
-
実行系ノードと待機系ノードのPFM - Web Consoleは同じパスにインストールしてください。
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(3) セットアップ手順
PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合,実行系ノードと待機系ノードで環境構成を同じにする必要があります。
(a) PFM - Web Consoleにエージェント情報を登録する
![[図データ]](GRAPHICS/ZU105006.GIF)
クラスタシステムでPFM - AgentまたはPFM - RMを一元管理するために,実行系ノードおよび待機系ノードのPFM - Web ConsoleにPFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報を登録します。
PFM - Web Consoleに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。
手動登録の要否については次の条件を確認してください。
次の条件を満たす場合に手動登録してください。
-
インストールするPFM - AgentまたはPFM - RMの製品バージョンがPFM - Web Consoleのリリースノートに記載していないバージョンである。
ただし,PFM - AgentまたはPFM - RMのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。
PFM - Web Consoleのエージェント情報の追加セットアップは,「図10-13 論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れ」で示す流れで実施します。
PFM - Web Consoleにエージェント情報を登録する手順を次に示します。
-
セットアップファイルをコピーする。
PFM - AgentまたはPFM - RMのセットアップファイルを,PFM - Web Consoleの実行系ノードおよび待機系ノードの次の場所にコピーします。
PFM - Web Consoleインストール先フォルダ\setup\
コピーするセットアップファイルおよび手順は,PFM - Managerに追加セットアップする場合と同じです。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(Windowsの場合)について説明している章を参照してください。
-
待機系ノードでセットアップコマンドを実行する。
待機系ノードで,jpcwagtsetupコマンドを実行し,エージェント情報を登録します。
次のようにコマンドを実行します。
jpcwagtsetup
jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
- 補足
-
PFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報をPFM - Web Consoleに登録した場合は,PFM - Web Consoleを再起動する必要があります。ただし,待機系ノードは,フェールオーバー時にPFM - Web Consoleが再起動されるため,手順2のあとの再起動は必要ありません。
(b) 接続先PFM - Managerを設定する![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
PFM - Web Consoleが接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。
<vsa>タグ配下,<vserver-connection>タグ内のhostに,接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を指定してください。接続するPFM - Managerがクラスタシステムで運用されている場合は,論理IPアドレスまたは論理ホスト名を指定してください。
初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。
(c) PFM - Web Consoleの論理ホストを設定する![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。
<vsa>タグ配下,<vserver-connection>タグ内のownHostに,PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を指定してください。
初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。
(d) ブックマーク定義情報の格納先を設定する![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
ブックマークの定義情報を格納するフォルダを,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。
<vsa>タグ配下,<bookmark>タグ内のbookmarkRepositoryに,ブックマークの定義情報を格納するフォルダを指定してください。指定するフォルダは,フェールオーバー時に情報を引き継がせるため,共有ディスク上のフォルダとします。
初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。
(e) プロセス監視定義テンプレートの格納先を設定する![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
プロセス監視の定義テンプレートを格納するフォルダを,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。
<vsa>タグ配下,<process-monitoring>タグ内のprocessMonitoringTemplatesRepositoryに,ブックマークの定義情報を格納するフォルダを指定してください。指定するフォルダは,フェールオーバー時に情報を引き継がせるため,共有ディスク上のフォルダとします。
初期設定ファイル(config.xml)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の定義ファイルについて説明している章を参照してください。
(f) usrconf.cfgを設定する![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
システムロケールとusrconf.cfgファイルの言語設定が異なる場合,待機系ノードでusrconf.cfgファイルの設定を変更します。
なお,PFM - Web Consoleのインストール後にシステムロケールを変更した場合には,必ずusrconf.cfgファイルの設定を見直してください。
オプション定義ファイル(usrconf.cfg)の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,定義ファイルについて説明している章を参照してください。
(g) Webブラウザと監視コンソールサーバ間の暗号化通信の設定![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
Webブラウザと監視コンソールサーバ間で暗号化通信を利用する場合は,PFM - Web ConsoleとWebブラウザで設定が必要です。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,Webブラウザと監視コンソールサーバ間の暗号化通信の設定および変更の流れについて説明している個所を参照してください。
(h) 設定ファイルの実行系ノードへのコピー
![[図データ]](GRAPHICS/ZU115910.GIF)
(b),(c),(d),および(e)で編集した初期設定ファイル(config.xml)を,実行系ノードにコピーします。実行系ノードの次の場所にコピーしてください。
インストール先フォルダ\conf
(f)で待機系ノードのusrconf.cfgファイルの設定を変更した場合は,実行系ノードにコピーします。実行系ノードの次の場所にコピーしてください。
インストール先フォルダ\CPSB\CC\server\usrconf\ejb\PFMWebConsole
(i) 共有ディスクのオンライン確認![[図データ]](GRAPHICS/ZU115910.GIF)
実行系ノードで共有ディスクがオンラインになっていることを確認します。共有ディスクがオンラインになっていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャーの操作などで,共有ディスクをオンラインにしてください。
(j) PFM - AgentまたはPFM - RM情報を追加セットアップする
![[図データ]](GRAPHICS/ZU105006.GIF)
実行系ノードで(a)でコピーしたセットアップファイルを使い,PFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報を追加セットアップします。
-
実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを停止する。
クラスタソフトへの登録前の場合,jpcwstopコマンドでサービスを停止させてください。
クラスタソフトへの登録後,PFM - AgentまたはPFM - RMの追加など構成を変更する場合,クラスタソフトからサービスを停止させてください。なお,構成変更の詳細については,「10.3 クラスタシステムでの構成変更(Windowsの場合)」を参照してください。
-
実行系ノードでセットアップコマンドを実行する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcwagtsetup
jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
-
実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを起動する。
手順1で停止させていたPFM - Web Consoleサービスを起動します。
(4) クラスタソフトの設定手順
クラスタソフトにPFM - Web Consoleを設定します。実行系ノードと待機系ノードでそれぞれに設定します。
(a) クラスタソフトでのPFM - Web Consoleの登録
![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
PFM - Web Consoleを論理ホスト環境で運用する場合は,クラスタソフトに登録して,クラスタソフトからの制御でPFM - Web Consoleを起動したり停止したりするように環境設定します。
PFM - Web Consoleをクラスタソフトに登録するときの設定内容を,WindowsのWSFCに登録する項目を例として説明します。PFM - Web Consoleの場合,次の表のサービスを,PFM - Managerと同じクラスタグループに追加登録します。
項番 |
名前 |
サービス名 |
依存関係 |
---|---|---|---|
1 |
PFM - Web Console |
PFM-WebConsole |
IPアドレスリソース 物理ディスクリソース※ |
2 |
PFM - Web Service |
PFM-WebService |
#1-1のクラスタリソース (PFM - Web Console) |
注※ (3)の(d)と(e)で設定した論理ホスト環境ディレクトリがある共有ディスクドライブ。
WSFCの場合は,これらのサービスをWSFCのリソースとして登録します。各リソースの設定は次のようにします。下記では,WSFCの設定項目を「[ ]」で囲んで示しています。
-
リソースは「汎用サービス」として登録する。
-
[名前],[サービス名]および[依存関係]を「表 10-4 クラスタソフトに登録するPFM - Web Consoleのサービス」のとおりに設定する。
なお,名前はサービスを表示するときの名称で,サービス名はWSFCから制御するサービスを指定するときの名称です。
-
クラスタに登録するサービスは,クラスタソフトから起動および停止を制御します。このため,実行系ノードと待機系ノードの両方で,OS起動時に自動起動しないよう[スタートアップの種類]を[手動]に設定してください。
-
[レジストリ複製]は設定しない。
-
プロパティの[ポリシー]タブは,[リソースが失敗状態になった場合は,現在のノードで再起動を試みる]をチェックする。[指定期間内での再起動の試行回数]は,3回を目安に設定する。
- 重要
-
-
WSFCの設定では,クラスタ管理ソフトウェアの「フェールオーバー クラスタ管理」およびclusterコマンドを使用します。これらの詳細については,Microsoft社のドキュメントを参照してください。
1. PFM - Web Serviceのクラスタ化されたサービスを作成する。
[スタート]メニューから「フェールオーバー クラスタ管理」を使用してクラスタソフトを起動し,PFM - Web Serviceのクラスタ化されたサービスを作成します。クラスタ化されたサービスに属する汎用サービス(PFM - Web Serviceのサービス),クライアントアクセスポイント(名前,IPアドレス),記憶域など,フェールオーバー時にノード間を移動するリソース類を追加します。各項目のプロパティを表示し,リソースの依存関係やそのほかのクラスタに関する設定を実施します。
2. clusterコマンドを実行する。
管理者として実行したコマンドプロンプトを開き,次のコマンドを実行します。
cluster△res△"リソース名"△/priv△StartupParameters=""
△は半角スペースを表しています。リソース名には,PFM - Web Serviceの汎用サービスのリソース名を指定します。PFM - Web Serviceの汎用サービスのリソース名は「フェールオーバー クラスタ管理」から確認してください。
3. [スタートアップ パラメータ]の値を確認する。
「フェールオーバー クラスタ管理」から,PFM - Web Serviceの汎用サービスのプロパティを開き,[スタートアップ パラメータ]の値が空白になっていることを確認します。
-
(b) クラスタソフトからの起動と停止の確認
![[図データ]](GRAPHICS/ZU115920.GIF)
クラスタソフトからの操作で,PFM - Web Consoleの起動および停止を各ノードで実行し,正常に動作することを確認してください。