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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 運用ガイド


4.1.2 パフォーマンスデータの保存条件を変更する(Storeバージョン2.0の場合)

データベースに記録するパフォーマンスデータの保存条件として,Storeバージョン2.0ではレコードの保存期間の設定を変更できます。

各レコードタイプと設定できる保存条件の対応を次の表に示します。

表4‒7 レコードタイプと設定できる保存条件

レコードタイプ

設定できる保存条件

PIレコードタイプ

レコードの保存期間

PDレコードタイプ

PLレコードタイプ

〈この項の構成〉

(1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する場合は,PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面で変更します。

  1. 監視コンソールのWebブラウザからPFM - Web Consoleにログインする。

    管理ユーザー権限を持つユーザーアカウントでログインします。[サービス階層]画面での操作には,管理ユーザー権限が必要です。

  2. [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[サービス階層]タブを選択する。

  3. [サービス階層]画面のナビゲーションフレームで,「Machines」フォルダの下位の階層を展開する。

    Performance Managementのサービスがインストールされているホストの名前が付いたフォルダが表示されます。また,ホスト名が付いたフォルダを展開すると,そのホストにインストールされているサービスが表示されます。各サービスの名前は,サービスIDで表示されます。サービスIDの形式は,プロダクト名表示機能が有効か無効かによって異なります。プロダクト名表示機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,Performance Managementの機能について説明している章を参照してください。

  4. パフォーマンスデータの保存条件を変更するホストの名前が付いたフォルダの下位の階層を展開し,Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスを選択する。

    プロダクト名表示機能が有効の場合,Agent StoreおよびRemote Monitor Storeサービスは,「ホスト名<サービスキー>(Store)」で表示されるサービスです。

    プロダクト名表示機能が無効の場合,Agent StoreおよびRemote Monitor Storeサービスは,先頭文字が「P」以外で2文字目が「S」であるサービスを選択します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。

    サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所,および各PFM - AgentまたはPFM - RMマニュアルに記載されている識別子一覧を参照してください。

    選択したAgent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスにチェックマークが表示されます。

  5. メソッドフレームの[プロパティ]メソッドを選択する。

  6. Agent Store またはRemote Monitor Store サービスの[サービスのプロパティ]画面で階層表示されたプロパティから「RetentionEx」ノードを選択する。

    インフォメーションフレームの下部に「RetentionEx」ノードのプロパティが表示されます。

    プロパティの設定内容を変更します。各プロパティの説明および設定値を次の表に示します。

    表4‒8 各プロパティの説明および設定値

    レコードタイプ

    ノード名

    プロパティ名

    設定値

    PIレコードタイプ

    Product Interval - PIレコードタイプのレコードID

    Period - Minute Drawer (Day)

    PIレコードタイプのレコードIDごとに,分単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

    保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

    Period - Hour Drawer (Day)

    PIレコードタイプのレコードIDごとに,時間単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

    保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

    Period - Day Drawer (Week)

    PIレコードタイプのレコードIDごとに,日単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

    保存期間(週の数)を0〜522の整数で指定します。

    Period - Week Drawer (Week)

    PIレコードタイプのレコードIDごとに,週単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

    保存期間(週の数)を0〜522の整数で指定します。

    Period - Month Drawer (Month)

    PIレコードタイプのレコードIDごとに,月単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

    保存期間(月の数)を0〜120の整数で指定します。

    Period - Year Drawer (Year)

    PIレコードタイプのレコードIDごとに,年単位のパフォーマンスデータの保存期間を表示します。

    保存期間の制限はありません。

    PDレコードタイプ

    Product Detail - PDレコードタイプのレコードID

    Period (Day)

    PDレコードタイプのレコードIDごとに,パフォーマンスデータの保存期間を設定します。

    保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

    PLレコードタイプ

    Product Log - PLレコードタイプのレコードID

    Period (Day)

    PLレコードタイプのレコードIDごとに,パフォーマンスデータの保存期間を設定します。

    保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

  7. [完了]または[適用]ボタンをクリックする。

    設定が有効になります。

(2) コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更するための手順は,次のとおりです。

  1. jpcaspsv outputコマンドで,現在の保存条件に関する定義内容をXML形式のファイルに出力する

  2. 出力したXML形式のファイルを基に,保存条件に関する定義内容を変更する

  3. jpcaspsv updateコマンドで,保存条件の定義内容を,変更したXML形式のファイルの内容に更新する

それぞれの操作について説明します。

(a) jpcaspsv outputコマンドで保存条件の定義内容を出力する

PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv outputコマンドを実行します。jpcaspsv outputコマンドは,エージェントに接続して取得したStoreデータベースの保存条件に関する定義情報をXML形式のファイルに出力します。

  1. PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。

    次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。

    • Windowsの場合

      Administrators権限

    • UNIXの場合

      rootユーザー権限

  2. jpcaspsv outputコマンドを実行する。

    例えば,サービスIDが「TS1host1」というPFM - AgentのStoreデータベースの保存条件に関する定義情報を「aspsv.xml」というパラメーターファイルに出力する場合は,次のように指定します。

    jpcaspsv output -o aspsv.xml TS1host1

    コマンドを実行すると,指定した出力ファイル(XML形式のファイル)に保存条件に関する定義内容が出力されます。

    出力例を次に示します。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd">
    <pr-cli-parameters ver="0110">
    <agent-store-db-preserve-definition>
    <service id="TS1host1">
    <ex-product-interval>
    <ex-interval-record id="PI">
    <minute-drawer-days period="10"/>
    <hour-drawer-days period="10"/>
    <day-drawer-weeks period="10"/>
    <week-drawer-weeks period="10"/>
    <month-drawer-months period="10"/>
    <!-- year-drawer-years period="10" -->
    </ex-interval-record>
                 :
    </ex-product-interval>
    <ex-product-detail>
    <ex-detail-record id="PD" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_THRD" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_ADRS" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_PDI" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_PEND" period="10"/>
    </ex-product-detail>
    <ex-product-log>
    <ex-log-record id="PL" period="10"/>
    <ex-log-record id="RM" period="10"/>
    </ex-product-log>
    </service>
    </agent-store-db-preserve-definition>
    </pr-cli-parameters>

(b) jpcaspsv outputコマンドで出力した定義内容を変更する

jpcaspsv outputコマンドで出力したXMLファイルの,記録方法に関する定義内容を変更します。XMLファイルの内容は,テキストエディターやXMLエディターなどで編集できます。

ファイルの書式および各タグの設定内容について次に示します。必要に応じて編集してください。

  • 書式

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd">
    <pr-cli-parameters ver="0110">
    <agent-store-db-preserve-definition>
        <service id="サービスID">
            <ex-product-interval>
                <ex-interval-record id="レコードID">
                    <minute-drawer-days period="分ごとの保存期間"/>
                    <hour-drawer-days period="時間ごとの保存期間"/>
                    <day-drawer-weeks period="日ごとの保存期間"/>
                    <week-drawer-weeks period="週ごとの保存期間"/>
                    <month-drawer-months period="月ごとの保存期間"/>
                    <!-- year-drawer-years period="10" -->※
                </ex-interval-record>
            </ex-product-interval>
            <ex-product-detail>
                <ex-detail-record id="レコードID" period="レコードの保存期間"/>
                    :
                    :
            </ex-product-detail>
            <ex-product-log>
                <ex-log-record id="レコードID" period="レコードの保存期間"/>
                    :
            </ex-product-log>
        </service>
    </agent-store-db-preserve-definition>
    </pr-cli-parameters>
     
    注※ 年ごとの保存期間は設定できません。
  • 定義内容

    1行目にはXML宣言を,2〜3行目には文書型宣言を記述します。次に示すとおりに記述してください。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd">
    <pr-cli-parameters ver="0110">

    4行目以降に定義するタグについて次の表に示します。各タグの定義は,表の記載順に指定してください。

(凡例)

○:省略できない

−:省略できる

表4‒9 XML定義内容

タグ名

必須

説明および設定値

<agent-store-db-preserve-definition>・・・</agent-store-db-preserve-definition>

Storeデータベース保存条件定義情報のルートのタグです。

<service id="サービスID">・・・</service>

PFM - AgentまたはPFM - RMを特定するサービスIDを指定します。

先頭文字が「P」以外で,2文字目が「S」であるサービスを指定します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。

サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,サービスの命名規則について説明している個所を参照してください。

<service>タグは,<ex-product-interval>タグ,<ex-product-detail>タグ,および<ex-product-log>タグを含みます。

<service>タグは,複数指定できます。

<ex-product-interval>・・・</ex-product-interval>

PIレコードタイプのレコードの保存期間を指定するタグです。

<minute-drawer-days period=分ごとの保存期間>タグ,<hour-drawer-days period=時間ごとの保存期間>タグ,<day-drawer-weeks period=日ごとの保存期間>タグ,<week-drawer-weeks period=週ごとの保存期間>タグ,および<month-drawer-months period=月ごとの保存期間>タグを含みます。詳細については,「表4-10 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-interval>タグ)」を参照してください。

<ex-product-interval>タグは,1つの<service>タグ内に複数指定できます。

<ex-product-detail>・・・</ex-product-detail>

PDレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。

<ex-detail-record>タグを含みます。

<ex-product-detail>タグは,1つの<service>タグ内に1つだけ指定できます。

詳細については,「表4-11 PDレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-detail>タグ)」を参照してください。

<ex-product-log>・・・</ex-product-log>

PLレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。

<ex-log-record>タグを含みます。詳細については,「表4-12 PLレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-log>タグ)」を参照してください。

<ex-product-log>タグは,1つの<service>タグ内に1つだけ指定できます。

注 省略した項目の値は更新されません。

<ex-product-interval>タグ(PIレコードタイプのレコードの保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。<ex-product-interval>タグに含まれるタグの定義は,表の記載順に指定してください。

表4‒10 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-interval>タグ)

タグ名

必須

設定値

<minute-drawer-days period="分ごとの保存期間">

分ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

<hour-drawer-days period="時間ごとの保存期間">

時間ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

<day-drawer-weeks period="日ごとの保存期間">

日ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

保存期間(週の数)を0〜522の整数で指定します。

<week-drawer-weeks period="週ごとの保存期間">

週ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

保存期間(週の数)を0〜522の整数で指定します。

<month-drawer-months period="月ごとの保存期間">

月ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。

保存期間(月の数)を0〜120の整数で指定します。

注 省略した項目の値は更新されません。

<ex-product-detail>タグ(PDレコードタイプのレコード保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。

表4‒11 PDレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-detail>タグ)

タグ名

必須

設定値

<ex-detail-record id="レコードID" period="レコードの保存期間"/>

PDレコードタイプのレコードIDごとに,レコード保存期間を指定します。

保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

<ex-detail-record>タグは,1つのPDレコードに対して1つだけ指定できます。

注 省略した項目の値は更新されません。

<ex-product-log>タグ(PLレコードタイプのレコードの保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。

表4‒12 PLレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-log>タグ)

タグ名

必須

設定値

<ex-log-record id="レコードID" period="レコードの保存期間"/>

PLレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコードの保存期間を指定します。

保存期間(日数)を0〜366の整数で指定します。

<ex-log-record>タグは,1つのPLレコードに対して1つだけ指定できます。

注 省略した項目の値は更新されません。

(c) jpcaspsv updateコマンドで保存条件の定義内容を更新する

PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv updateコマンドを実行します。jpcaspsv updateコマンドは,Storeデータベースの保存条件に関する定義情報を,XML形式のファイルに指定した内容に更新します。

  1. PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。

    次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。

    • Windowsの場合

      Administrators権限

    • UNIXの場合

      rootユーザー権限

  2. jpcaspsv updateコマンドを実行する。

    例えば,「aspsv.xml」というファイルに記述した保存条件の内容に定義情報を更新する場合は,次のように指定します。

    jpcaspsv update aspsv.xml