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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


2.1 稼働監視システム構築の流れとPerformance Managementのサポート範囲

ここでは,システム管理者が稼働監視システムを構築する際の一般的な流れと,Performance Managementのサポート範囲を示します。稼働監視システムを設計する前に,稼働監視システムのライフサイクルとPerformance Managementを使ってできることを確認してください。

Performance Managementの提供機能の詳細については,「3. Performance Managementの機能」を参照してください。

図2‒1 稼働監視システム構築の一般的な流れとPerformance Managementのサポート範囲

[図データ]

システム化計画フェーズ

稼働監視システムを構築するための計画を立案するフェーズです。システムの目的,構築に掛かる費用や体制,およびスケジュールなどを検討します。

Performance Managementを使用する場合は,システムの要件に応じた監視エージェント製品を選定します。

設計フェーズ

稼働監視システムの基盤方式を設計するフェーズです。

まず,システムの構成やネットワーク構成などを設計します。稼働監視システムを,統合運用管理システム(JP1/IM),サービスレベル管理システム(JP1/SLM),およびジョブ管理システム(JP1/AJS3)など,ほかのシステムと連携させる場合は,連携の方式も検討します。

次に,監視項目の選定,システムが危険域に達したときの対処方法,監視項目のレポートの表示形式,構築した稼働監視システムの運用ルールなどを設計します。

Performance Managementの提供機能
  • メモリー所要量など,システム見積もりのための算出式の提供

  • 監視項目を選定するための,監視テンプレート(ひな形)やデータモデル(各種レコード)の提供

  • 他システムとの連携機能の提供(JP1/IM連携,JP1/SLM連携など)

    など

構築フェーズ

設計フェーズで検討した内容に従い,稼働監視システムを導入して各種設定を実施するフェーズです。Performance Managementをインストールし,パラメーターや環境を設定します。

Performance Managementの提供機能
  • 各種設定を実施するためのGUI(PFM - Web Consoleの画面)の提供

  • 各種設定を実施するためのコマンドの提供

運用フェーズ

稼働監視システムを運用するフェーズです。稼働監視データを収集し,システムが危険域に達したことを検知したときに適切に対処したり,レポートを参照して稼働状態を分析したりします。

Performance Managementの提供機能
  • パフォーマンスデータの収集・管理機能

  • パフォーマンスデータがしきい値に達したときのアラーム通知機能

  • パフォーマンスデータのレポート機能

  • パフォーマンスデータの出力機能

  • 運用コマンドによるパフォーマンスデータのバックアップ,リストア,バックアップデータのインポートなどの機能

    など

分析・再構築フェーズ

稼働監視システムで得られたパフォーマンスデータを基に,監視対象であるシステムの問題点を分析し,必要に応じて再構築を実施するフェーズです。