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JP1 Version 12 JP1/Performance Management 設計・構築ガイド


1.2.1 大規模で複雑な企業システムの稼働状況を一元監視できます

さまざまなサーバや業務アプリケーションが混在する大規模システムでは,プロセスやデータベースリソースの稼働状況を監視することは,大変な労力と時間が掛かる場合があります。しかし,Performance Managementは大規模で複雑な構成の企業システムでも,容易に稼働監視システムを構築して一元監視できます。さらに,統合運用管理システム,サービスレベル管理システム,およびネットワーク管理システムなどほかの運用管理システムと連携したり,システムの本質的な問題を把握するために収集したパフォーマンスデータを分析したりできます。これによって,企業システムでの問題の早期検出,性能分析,システムの将来的な動作を見据えた補強計画を立てることができます。

〈この項の構成〉

(1) 監視対象システムの構成に応じて容易に拡張できます

Performance Managementは,データベースサーバや業務アプリケーションサーバなどを監視するための数多くの監視エージェントを提供しています。そのため,企業システムの環境に応じて,必要な監視エージェントを追加するだけで,稼働監視ができます。

図1‒6 監視対象のシステムが追加になった場合の構成変更の例

[図データ]

Performance Managementを使った稼働監視システムの構築およびシステムの構成の詳細については,Windowsの場合は「4. インストールとセットアップ(Windowsの場合)」を,UNIXの場合は「5. インストールとセットアップ(UNIXの場合)」を参照してください。

(2) 他システムと柔軟に連携できます

Performance Managementは,複数のサーバやプログラムから成る大規模システムで,ほかのシステムと柔軟に連携できます。

統合運用管理システムやネットワーク管理システムと連携すると,企業システム全体の視点で可用性や信頼性を向上させることができます。

また,サービスレベル管理システムやジョブ管理システムと連携すると,Performance Managementで収集した稼働監視データを活用して,サービス性能の異常の予兆を検知したり,ジョブの遅延や異常終了の原因を調査したりできます。

図1‒7 Performance Managementのほかのシステムとの連携

[図データ]

(3) 複数拠点のサーバを監視できます

複数の拠点にあるサーバの稼働状況を,1つのサーバ上のPFM - Managerで一元的に監視できます。

拠点内の監視対象サーバには,監視のためにPerformance Management製品,そのほかの追加アプリケーション,およびサービスを追加する必要はありません(ほかのホストからリモートで監視します)。

複数拠点に存在するサーバの稼働状況を監視する際の構成例を次に示します。

図1‒8 監視対象が複数ある場合のホスト名とIPアドレスについて

[図データ]

メモ

監視対象サーバは,固定IPアドレス接続,DHCP接続の両方に対応できます。監視対象サーバは,DHCPのIPアドレス変更などがあった場合でも,ホスト名に変更がなければ,同じ監視対象として監視を継続できます。

(4) OpenStackを利用したクラウド環境の監視ができます

OpenStackを利用したクラウド環境の監視ができます。

クラウド管理者の視点で,OpenStack基盤を含めた影響範囲を把握できるため,障害に迅速に対応できます。

OpenStack環境を監視するための構成例を次に示します。

図1‒9 OpenStack環境を監視するための構成例

[図データ]