3.5.3 バックアップとリカバリー(UNIXの場合)
(1) 設定情報のバックアップ
JP1/Baseの設定情報には以下のものがあります。
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定義ファイル
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共通定義情報
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jp1hosts2情報
クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をバックアップしてください。
(a) 定義ファイルのバックアップ
JP1/Baseでは,ユーザーが設定する定義ファイルとして以下のファイルがあります。これらのファイルのバックアップをしてください。バックアップの手段には,tarやcpio,またはより高度なバックアップコマンドがあります。任意の方法でバックアップしてください。
(b) 共通定義情報のバックアップ
JP1/Baseでは,定義ファイルだけでなく,共通定義情報もバックアップする必要があります。なお,この共通定義情報には,JP1/Baseのほかに,JP1/IM,JP1/AJSの定義情報も含まれています。
共通定義情報のバックアップは,次のコマンドを実行してJP1/Baseの共通定義情報だけを取得してください。
jbsgetcnf -c JP1BASE > 退避ファイル
クラスタ運用している場合は,次のコマンドを実行してJP1/Baseの共通定義情報だけを取得してください。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 -c JP1BASE > 退避ファイル
なお,論理ホスト名は,論理ホストのセットアップ時に指定したとおりに大文字・小文字を正しく指定してください。
- 重要
-
クラスタ運用している論理ホストの場合は,実行系で実行してください。バックアップした共通定義情報のリストアは,実行系サーバと待機系サーバの両方で実施してください。
(2) イベントDBのバックアップ
イベントDBのバックアップは次の2種類あります。
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リカバリーを目的としたバックアップ
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参照を目的とした障害レポートでのバックアップ
(a) リカバリーを目的としたバックアップ
イベントDBファイルのバックアップ手順を次に示します。
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JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
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JP1/Baseを停止する。
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イベントDBファイルをコピーするなど任意の方法で,バックアップする。
バックアップの対象のファイルは次のとおりです。
/var/opt/jp1base/sys/event/servers/default/IMEvent*.*※
または,
共有ディレクトリ/event/IMEvent*.*※
注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するディレクトリに別のパスを指定している場合は,指定したパス以下のファイルが対象となります。
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JP1/Baseを起動する。
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JP1/Baseを前提としている製品を起動する。
(b) 参照を目的とした障害レポートでのバックアップ
障害レポートとしてバックアップする場合は,jevexportコマンドを使用してイベントDBの内容をcsvファイルに出力します。
なお,イベントDBは,イベントサーバごとに二つ存在し,一つが上限値(初期設定では10メガバイト)を超えると,もう一方のイベントDBに切り替わります。この際,使用するイベントDBの内容は消去されます。イベントDBの容量を定期的に確認して,イベントDBが切り替わる前にjevexportコマンドを実行してください。
また,イベントDBのサイズが大きい(1面が1GB以上)場合,jevexportコマンドで全イベントを対象にすると実行に時間がかかります。また,出力されたcsvファイルが大きすぎると参照できない場合があります。
定期的にバックアップをする場合は,イベントフィルターを利用すると前回バックアップした以降のイベントだけを対象にできます。
次のイベントフィルターは,今日までの2日間に発生したJP1イベントをバックアップの対象にします。
B.TIME WITHIN D 2
上記のイベントフィルターを指定したイベントフィルターファイルを使用したjevexportコマンドの実行例を次に示します。-tオプションにONを指定すると,filter.txtで指定したイベントフィルターで,JP1イベント登録時刻,JP1イベント到着時刻などを西暦表示で出力します。
jevexport -t ON -f filter.txt -o 退避ファイル名
jevexportコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jevexport」を参照してください。
(3) 設定情報のリカバリー
JP1/Baseのリカバリーについて説明します。クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をリカバリーしてください。
(a) 定義ファイルのリカバリー
下記の条件を確認した上で,バックアップファイルを,元の位置にリカバリーしてください。
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JP1/Baseが正常にインストールされ,セットアップコマンドが実行済みであること。
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JP1/Baseが停止していること。
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論理ホスト環境のJP1/Baseがセットアップされていること(論理ホストの場合)。
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共有ディスクをオンラインにしていること(論理ホストの場合)。
(b) 共通定義情報のリカバリー
「(a) 定義ファイルのリカバリー」に加えて,共通定義情報をリカバリーする必要があります。
セットアップ済みのホストにリカバリーする場合,次のコマンドを実行していったんJP1/Baseの共通定義情報を削除してください。
- 物理ホストの場合
jbsunsetcnf -i -h JP1_DEFAULT -c JP1BASE
- 論理ホストの場合
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1BASE
なお,論理ホスト名は,論理ホストのセットアップ時に指定したとおりに大文字・小文字を正しく指定してください。
次に示すコマンドを実行してください。
jbssetcnf (1)(b)でバックアップした退避ファイル名
- 重要
-
クラスタ運用している論理ホストの場合は,実行系と待機系で実行してください。バックアップした共通定義情報のリストアは,実行系サーバと待機系サーバの両方で実施してください。
(4) イベントDBのリカバリー
バックアップしたイベントDBファイルをリカバリーすると,イベントDB内通し番号の最大値がバックアップ時の状態に戻ります。
JP1イベントの転送を受け付けるイベントサーバ側(主にJP1/IM - Managerがインストールされた環境)では,転送元のイベントDB内通し番号の最大値を記録しています。この情報は,重複登録チェックに使用されており,イベントDB内通し番号の最大値が大きくなっている場合には,重複がないためJP1イベントは無条件に登録されますが,イベントDB内通し番号小さくなった場合には,重複の可能性があるためイベント検索をして,同じJP1イベントが存在しないかを確認します。イベントDBのサイズが大きい場合には,検索件数が増えるためJP1イベントの転送遅延など,イベントサービスを利用する機能の遅延が発生します。
(a) 転送設定ファイルで他ホストにJP1イベントを転送していない場合のリカバリー手順
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JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
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JP1/Baseを停止する。
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バックアップしたファイルをディレクトリに配置する。
配置するディレクトリは次のとおりです。
/var/opt/jp1base/sys/event/servers/default/※
または,
共有ディレクトリ/event/※
注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するディレクトリに別のパスを指定している場合は,指定したパスの配下に配置してください。
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JP1/Baseを起動する。
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JP1/Baseを前提としている製品を起動する。
(b) 転送設定ファイルで他ホストにJP1イベントを転送している場合のリカバリー手順
転送先がJP1/Base 11-10以降で重複防止テーブルがファイル方式の場合,次の手順でイベントDBをリカバリーしてください。
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JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
-
JP1/Baseを停止する。
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バックアップしたファイルをフォルダに配置する。
配置するフォルダは次のとおりです。
/var/opt/jp1base/sys/event/servers/default/※
または,
共有ディレクトリ/event/※
注※ イベントサーバインデックスファイル(index)で,イベントサーバが使用するフォルダに別のパスを指定している場合は,指定したパスの配下に配置してください。
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JP1/Baseを起動する。
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転送先に対して重複防止テーブルクリア用JP1イベント(ユーザイベント)を送信して,転送先の重複防止テーブルから転送元の発行元イベントDB内通し番号の最大値をクリアする。
> jevsendd -i 7FFF8001 -m "DPT CLEAR EVENT" -d 転送先イベントサーバ名
転送先がJP1/IM - Managerのサブマネージャーの場合,その上位のマネージャーに対しても重複防止テーブルクリア用JP1イベント(ユーザイベント)を送信してください。
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JP1/Baseを前提としている製品を起動する。
転送先がJP1/Base 11-10未満か重複防止テーブルがメモリ方式の場合,次のどちらかの手順でイベントDBをリカバリーしてください。
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イベントDBを初期化してリカバリーする。
「10.2.2 イベントサービスの停止中に初期化する」を参照して,イベントDBを初期化してください。なお,バックアップしたイベントDBの内容は,jevexportコマンドでcsvファイルに出力して参照できます。
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転送設定ファイルに指定された転送先のイベントサーバで重複登録チェックを無効化する。
転送先の作業
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JP1/Baseを前提としている製品を停止する。
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JP1/Baseを停止する。
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イベントサーバ設定ファイル(conf)に次の行を追加する。
repetition-noncheck-server リカバリーするイベントサーバ名
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JP1/Baseを起動する。
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JP1/Baseを前提としている製品を起動する。
- 転送元の作業
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「(a) 転送設定ファイルで他ホストにJP1イベントを転送していない場合のリカバリー手順」に従ってリカバリーしてください。
なお,転送先では転送元からJP1イベントの転送を受け付けた時点で,記録している転送元のイベントDB内通し番号の最大値をクリアします。したがって,転送元からJP1イベントの転送を受け付けたあとは,転送先のイベントサーバで重複登録チェックを有効化しても問題ありません。転送先のイベントサーバで重複登録チェックを有効化し,イベントサーバを起動する前にjevdbmkrepコマンドを実行して,重複防止テーブルを再作成してください。
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