Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイド


18.2.2 統合トレースログ

統合トレースログとは,各プログラムが出力するトレース情報を,統合トレース機能(HNTRLib2)を通じて,一つの出力先ファイルにまとめて採取するログ情報のことです。共通メッセージログより詳しい内容のメッセージが出力されます。

統合トレースログの初期設定の出力先は次のとおりです。

Windows(x86環境)の場合

システムドライブ\Program Files\Hitachi\HNTRLib2\spool\hntr2{1|2|3|4}.log

Windows(x64環境)の場合

システムドライブ\Program Files (x86)\Hitachi\HNTRLib2\spool\hntr2{1|2|3|4}.log

システムドライブ\Program Files\Hitachi\HNTRLib2\spool\hntr2{1|2|3|4}.log

UNIXの場合

/var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2{1|2|3|4}.log

出力先やログファイルのサイズなどを参照したり,変更したりする場合は,hntr2utilコマンド,hntr2confコマンド,またはhntr2getconfコマンドで実行できます。詳細については,「15. コマンド」の「hntr2util(Windows限定)」,「hntr2util(UNIX限定)」,「hntr2conf」,または「hntr2getconf」を参照してください。

統合トレースログファイルは,任意のテキストエディターで参照できます。統合トレースログの出力例を次の図に示します。

図18‒2 統合トレースログファイルの出力例

[図データ]

統合トレースログファイルに出力されるヘッダー情報と出力項目の説明を次の表に示します。

表18‒1 統合トレースログファイルのヘッダー情報

ヘッダー情報

説明

OS情報

統合トレース機能が起動しているOSの情報が出力されます。

ホスト名

統合トレース機能が起動しているホスト名が出力されます。

タイムゾーン

Windowsの場合

OSのタイムゾーンが出力されます。

UNIXの場合

統合トレースプロセスの環境変数TZが出力されます。

環境変数TZが設定されていない場合はUnknownと出力されます。

統合トレースログ機能起動時刻

統合トレース機能を起動した時刻が出力されます。

表18‒2 統合トレースログファイルの出力項目

出力項目

説明

番号(4桁)

トレースレコードの通番

番号はログを出力したプロセスごとに採番されます。

日付(10バイト)

トレースの取得日付:yyyy/mm/dd(年//日)

時刻(12バイト)

トレースの取得時刻(ローカル時刻):hh:mm:ss.sss(時::.ミリ秒)

AP名(16バイト以内)

アプリケーションを識別するための名称(アプリケーション識別名)。

  • プロセス管理

    JBS_SPMD

  • 起動管理

    JP1ControlSvc

  • 認証アクセス制御

    jp1BsSess

  • 操作権限アクセス制御

    jp1BsAcl

  • 認証サーバ

    jbssessionmgr

  • 構成管理

    jbsroute

  • コマンド実行(制御プロセス)

    jcocmdrouter

  • コマンド実行(JP1/Base間通信プロセス)

    jcocmdcom

  • コマンド実行(JP1/IM - M,JP1/Base間通信プロセス)

    jcocmdapi

  • コマンド実行(実行制御プロセス)

    jcocmdexe

  • コマンド実行(実行プロセス)

    jcocmdcmc

  • プラグインサービス

    jbsplugin

  • プラグイン(マネージャーコマンド)

    jbsrmtcmd

  • プラグイン(エージェントコマンド)

    plAdapter_Event

  • ヘルスチェック(自ホスト監視用)

    jbshcd

  • ヘルスチェック(他ホスト監視用)

    jbshchostd

  • イベントサービス

    jevservice

  • JP1/AJS互換プロセス

    jevsessvc

  • ログファイルトラップ(Windows)

    jevtraplog

  • ログファイルトラップ(UNIX)

    jevlogd

  • イベントログトラップ

    jevtrapevt

  • SNMPトラップ変換

    jp1co_evtgw

  • その他のコマンド名

    コマンド名

pid

プロセスID。OSが付けるプロセスID。

tid

スレッドID。スレッドを識別するためのID。

メッセージID

メッセージの出力形式で説明したメッセージID。この製品で使用するメッセージID。

メッセージテキスト

統合トレースログに出力されるメッセージのテキスト。この製品から出力されるメッセージテキスト。

重要

統合トレースログに出力されるログの時刻は,出力したプロセスのタイムゾーンでフォーマットされます。

このため,環境変数TZを変更したユーザーなどがサービスを起動したり,コマンドを実行したりすると,OSに設定されているタイムゾーンと異なる時刻が出力されることがあります。