jimdbrecovery
機能
バックアップで保管しておいたデータベースを復旧(リカバリー)するコマンドです。リカバリーできるデータの種類を次に示します。
- 障害復旧用リカバリー
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データベースの障害が発生した際に,定期的に取得しているバックアップデータを利用してデータベースを復旧します。
- 拡張用リカバリー
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データベースのサイズ拡張をするために,一時退避するためのデータをバックアップします。
形式
jimdbrecovery -i バックアップファイル名 -m {MAINT|EXPAND} [-h 論理ホスト名] [-q]
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
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Managerパス\bin\imdb\
- UNIXの場合
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/opt/jp1imm/bin/imdb/
引数
- -i バックアップファイル名
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jimdbbackupコマンドを用いてバックアップしたデータベースのファイル名を絶対パス形式で指定します。ファイル名に使用できる文字は,半角英数字とアンダーバー「_」,ドット「.」,シャープ「#」,アットマーク「@」です。バックアップファイルには,ローカルドライブを指定します。このオプションは省略できません。
ネットワークドライブが指定された場合,UNCパスが指定された場合,およびWindowsで予約デバイスファイルが指定された場合はエラーとなります。
- -m {MAINT|EXPAND}
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データベースのリカバリー形式を指定します。指定できる文字は,半角英大文字です。このオプションは省略できません。
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MAINT:障害復旧用リカバリーを実行します。
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EXPAND:拡張用リカバリーを実行します。
障害復旧用リカバリーを実行する場合,障害復旧用バックアップで採取したバックアップファイルを指定してください。また,拡張用リカバリーを実行する場合,拡張用バックアップで採取したバックアップファイルを指定してください。指定した引数とバックアップファイルの種別が異なる場合は,エラーとなります。
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- -h 論理ホスト名
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クラスタシステムで運用している場合に,コマンドを実行するホストの論理ホスト名を指定します。指定した論理ホストに対するデータベースがリカバリーされます。このオプションを省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名が仮定されます。クラスタシステムを使用していない場合には指定は不要です。なお,論理ホスト名にJP1_DEFAULTは指定できません。また,論理ホスト名は,大文字・小文字を区別します。
- -q
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ユーザー確認を省略してコマンドを実行する場合に指定します。
戻り値
0 |
リカバリーが正常終了した |
1 |
リカバリーが異常終了した |
注意事項
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jimdbbackupコマンドで取得したバックアップデータをjimdbrecoveryコマンドでリカバリーする場合は,バックアップを取得したときと同じOSで実施してください。異なるOSのデータベースにリカバリーした場合は,動作は保証できません。
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このコマンドの実行中に,ほかのJP1/IM - Managerのコマンドの実行やJP1/IM - Managerのサービス起動をしないでください。このコマンドはデータベースの参照・更新を禁止モードに変更するため,実行に失敗するおそれがあります。
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このコマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーや[Ctrl]+[Break]キーは押さないでください。リカバリーをバックグラウンドで実行するため,[Ctrl]+[C]キーや[Ctrl]+[Break]キーを押してもリカバリー処理は継続されます。[Ctrl]+[C]キーや[Ctrl]+[Break]キーを押したあと,すぐにほかのJP1/IM - Managerコマンドを実行したり,JP1/IM - Managerのサービスを起動したりすると,コマンドの実行やサービスの起動に失敗することがあります。
コマンド実行中に[Ctrl]+[C]キーや[Ctrl]+[Break]キーでコマンドの実行を途中で停止した場合,障害復旧用リカバリーではpdrstrプロセスが実行されていないことを確認してからJP1/IM - Managerを再起動してください。拡張用リカバリーではpdrorgプロセスが実行されていないことを確認してから,ほかのコマンドの実行やJP1/IM - Managerのサービスの起動をしてください。
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このコマンドの実行時に一時ファイルが作成されます。拡張用リカバリーの場合,IMデータベースのインストール先ディレクトリの空き容量は,DBサイズがSのときに1ギガバイト,Mのときに1ギガバイト,Lのときに4ギガバイト程度必要です。また,障害復旧用リカバリーの場合,IMデータベースのインストール先ディレクトリの空き容量は,DBサイズがS,MおよびLのどのサイズのときも,5〜50メガバイト程度必要です。
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障害復旧用リカバリー実行時は,障害復旧用バックアップを実行したときのデータベース格納ディレクトリと,障害復旧用リカバリーを実行するときのデータベース格納ディレクトリは同じである必要あります。
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拡張用リカバリーを実行する場合,拡張用バックアップを実行した時のサイズより小さいサイズでは実行できません。
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拡張用リカバリーを実行する場合,拡張用バックアップを実行したときと同じサイズでは,リカバリーに失敗することがあります。データベースを再セットアップしてデータベースを空にしてから,リカバリーしてください。
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IMデータベースを使用している場合には,JP1/IM - Managerが停止している必要があります。
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Windowsの場合,IMデータベースサービス(JP1/IM2-Manager DB Server)が起動している必要があります。また,IMデータベースのクラスタサービス(JP1/IM2-Manager DB Cluster Service_論理ホスト名)が停止している必要があります。
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JP1/IM - MOを使用している場合は,接続元のJP1/IM - MOのJP1/IM - Message Optimizerサービスが停止している必要があります。
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Windowsの場合,Application Experienceサービスが存在する場合は,Application Experienceサービスのスタートアップの種類が無効になっていないことを確認してからコマンドを実行してください。