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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド


8.1.3 クラスタシステムでのJP1/IMの構成(UNIXの場合)

クラスタシステムでJP1/IM - Managerを運用するには,クラスタソフトの制御により論理ホストのJP1/IM - ManagerおよびJP1/Baseを実行し,フェールオーバーに対応します。このときのJP1/IMの構成は次のようになります。

〈この項の構成〉

(1) クラスタ運用でのJP1/IMの構成の概要

表8‒1 クラスタシステムでのJP1/IMの構成

製品名

クラスタシステムでのJP1/IMの構成

JP1/IM - View

  • JP1/IM - ViewからJP1/IM - Managerに接続するときは,論理IPアドレスあてに接続します。

  • JP1/IM - View自身は物理ホスト環境で動作します。

JP1/IM - Manager

  • 論理ホスト環境で動作することができます。

  • クラスタソフトに登録することで,フェールオーバーに対応します。

  • クラスタソフトに登録するときは,前提リソースとして論理IPアドレスと共有ディスクが必要です。

  • 共有ディスクに定義情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。

  • 一つのサーバで複数の論理ホストを実行できます。このため,アクティブ・スタンバイ構成だけでなく,アクティブ・アクティブ構成のクラスタシステムでも運用できます。

  • JP1/IM - Managerは前提製品JP1/Baseと同じ論理ホストで実行します。

(2) 共有ディスク上のファイル構成

論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,共有ディスク上に次のファイルが作成されます。これらは,論理ホストでJP1/IM - Managerを実行するために必要なファイルです。

表8‒2 共有ディスク上のファイル構成(UNIX)

機能

共有ファイルの種別

ディレクトリ名

セントラルコンソール

定義ファイル

共有ディレクトリ/jp1cons/conf/

ログファイル

共有ディレクトリ/jp1cons/log/

一時ファイル

共有ディレクトリ/jp1cons/tmp/

履歴ファイル

共有ディレクトリ/jp1cons/operation/

セントラルスコープ

定義ファイル

共有ディレクトリ/jp1scope/conf/

ログファイル

共有ディレクトリ/jp1scope/log/

一時ファイル

共有ディレクトリ/jp1scope/tmp/

データベース

共有ディレクトリ/jp1scope/database/

IM構成管理

定義ファイル

共有ディレクトリ/jp1imm/conf/imcf/

ログファイル

共有ディレクトリ/jp1imm/log/imcf/

一時ファイル

共有ディレクトリ/jp1imm/tmp/

IM構成のデータおよびプロファイルのデータ

共有ディレクトリ/jp1imm/data/imcf/

IMデータベース

データベース

共有ディスク上のユーザーが指定したディレクトリ/imdb

注※ 相関イベント発行サービスの処理,共通除外条件による除外処理,および共通除外条件定義の更新処理が履歴として出力されます。

(3) JP1/IM - Managerのサービスおよびプロセス

クラスタ運用でのJP1/IM - Managerは,論理ホストのサービスまたはプロセスを実行します。

論理ホストのJP1/IM - Managerを実行すると,論理ホストに対応したプロセスが動作します。

プロセス名は,引数に論理ホスト名が付加された名称になります。プロセス名については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド」の「付録B プロセス一覧」を参照してください。

(4) 通信方式

論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,JP1/IM - Managerの通信方式をIPバインド方式と呼ぶ方式に設定します。IPバインド方式に変更するのは,論理ホストと物理ホストの両方の環境が対象です。

通信方式には,IPバインド方式とANYバインド方式の2種類があります。これは,通信するときに使用するIPアドレスを,内部処理で割り当て(バインド)をする方法をきめます。

通信方式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの通信方式に関する説明を参照してください。JP1/IM - Managerは,JP1/Baseと同じ通信方式で通信をします。

(5) 共通定義情報の設定

論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,共通定義情報に,論理ホスト用の設定情報が設定されます。

共通定義情報とは,JP1の設定情報を格納するデータベースで,JP1/Baseが管理しています。設定情報のデータは,各サーバのローカルディスク上に,次のような形式で格納されています。

図8‒1 共通定義情報

[図データ]

共通定義情報は,物理ホスト(JP1_DEFAULT)および論理ホストごとに分かれて格納されています。物理ホストおよび論理ホスト単位に,jbssetcnfコマンドで設定し,jbsgetcnfコマンドで読み出します。

論理ホストの共通定義情報は,各サーバで同じ内容になるようにします。セットアップ時および設定変更時は,設定をした実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバへコピーして設定します。

なお,共通定義情報は,JP1/IM - Manager,JP1/Base,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor(06-02以降)が設定情報を格納するために使用しています。