8.1.3 クラスタシステムでのJP1/IMの構成(UNIXの場合)
クラスタシステムでJP1/IM - Managerを運用するには,クラスタソフトの制御により論理ホストのJP1/IM - ManagerおよびJP1/Baseを実行し,フェールオーバーに対応します。このときのJP1/IMの構成は次のようになります。
- 〈この項の構成〉
(1) クラスタ運用でのJP1/IMの構成の概要
製品名 |
クラスタシステムでのJP1/IMの構成 |
---|---|
JP1/IM - View |
|
JP1/IM - Manager |
|
(2) 共有ディスク上のファイル構成
論理ホスト環境のJP1/IM - Managerをセットアップすると,共有ディスク上に次のファイルが作成されます。これらは,論理ホストでJP1/IM - Managerを実行するために必要なファイルです。
機能 |
共有ファイルの種別 |
ディレクトリ名 |
---|---|---|
セントラルコンソール |
定義ファイル |
共有ディレクトリ/jp1cons/conf/ |
ログファイル |
共有ディレクトリ/jp1cons/log/ |
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一時ファイル |
共有ディレクトリ/jp1cons/tmp/ |
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履歴ファイル※ |
共有ディレクトリ/jp1cons/operation/ |
|
セントラルスコープ |
定義ファイル |
共有ディレクトリ/jp1scope/conf/ |
ログファイル |
共有ディレクトリ/jp1scope/log/ |
|
一時ファイル |
共有ディレクトリ/jp1scope/tmp/ |
|
データベース |
共有ディレクトリ/jp1scope/database/ |
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IM構成管理 |
定義ファイル |
共有ディレクトリ/jp1imm/conf/imcf/ |
ログファイル |
共有ディレクトリ/jp1imm/log/imcf/ |
|
一時ファイル |
共有ディレクトリ/jp1imm/tmp/ |
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IM構成のデータおよびプロファイルのデータ |
共有ディレクトリ/jp1imm/data/imcf/ |
|
IMデータベース |
データベース |
共有ディスク上のユーザーが指定したディレクトリ/imdb |
注※ 相関イベント発行サービスの処理,共通除外条件による除外処理,および共通除外条件定義の更新処理が履歴として出力されます。
(3) JP1/IM - Managerのサービスおよびプロセス
クラスタ運用でのJP1/IM - Managerは,論理ホストのサービスまたはプロセスを実行します。
論理ホストのJP1/IM - Managerを実行すると,論理ホストに対応したプロセスが動作します。
プロセス名は,引数に論理ホスト名が付加された名称になります。プロセス名については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド」の「付録B プロセス一覧」を参照してください。
(4) 通信方式
論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,JP1/IM - Managerの通信方式をIPバインド方式と呼ぶ方式に設定します。IPバインド方式に変更するのは,論理ホストと物理ホストの両方の環境が対象です。
通信方式には,IPバインド方式とANYバインド方式の2種類があります。これは,通信するときに使用するIPアドレスを,内部処理で割り当て(バインド)をする方法をきめます。
通信方式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの通信方式に関する説明を参照してください。JP1/IM - Managerは,JP1/Baseと同じ通信方式で通信をします。
(5) 共通定義情報の設定
論理ホストのJP1/IM - Managerをセットアップすると,共通定義情報に,論理ホスト用の設定情報が設定されます。
共通定義情報とは,JP1の設定情報を格納するデータベースで,JP1/Baseが管理しています。設定情報のデータは,各サーバのローカルディスク上に,次のような形式で格納されています。
|
共通定義情報は,物理ホスト(JP1_DEFAULT)および論理ホストごとに分かれて格納されています。物理ホストおよび論理ホスト単位に,jbssetcnfコマンドで設定し,jbsgetcnfコマンドで読み出します。
論理ホストの共通定義情報は,各サーバで同じ内容になるようにします。セットアップ時および設定変更時は,設定をした実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバへコピーして設定します。
なお,共通定義情報は,JP1/IM - Manager,JP1/Base,JP1/AJS,およびJP1/Power Monitor(06-02以降)が設定情報を格納するために使用しています。