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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド


5.5.5 メール送信の設定

JP1/IM - Managerのメール通知機能を使用するための設定の手順を示します。

  1. 通信環境を設定する。

    • メールサーバホストの名前解決

      SMTPサーバ名およびPOP3サーバ名のホスト名解決ができるように,次のどれかのファイルを設定します。

      ファイルは,次の順序で参照されます。

      ・マネージャーホスト上のJP1/Baseのjp1hostsファイル

      ・マネージャーホスト上のJP1/Baseのjp1hosts2ファイル

      hostsファイルまたはDNS

      メールサーバのIPアドレスは,IPv4アドレスだけを指定できます。

    • ファイアウォールの設定

      jimmailコマンドとメールサーバがSMTP/POP3通信できるようにするため,ファイアウォールの通過方向を設定します。

      ファイアウォールの設定の詳細については,「9.3.1 ファイアウォールの基礎知識」を参照してください。

  2. 通知メールを定義する。

    通知するメールを作成するために,jimmailコマンドのコマンドラインを定義します。

    自動アクションに通知メールを定義する場合の例を次に示します。

    jimmail.exe -to user@hitachi.com -s "[重大度:$EVSEV] 障害発生通知" -b "業務サーバで障害が発生しました。\n---\nイベントDB内通し番号=$EVSEQNO\nイベント発生日時=$EVDATE $EVTIME\nイベントID=$EVIDBASE\n重大度=$EVSEV\nプロダクト名=$EV"PRODUCT_NAME"\nメッセージ=$EVMSG\n---\nFrom:IM-Mホスト($ACTHOST)"

    jimmailコマンドの詳細については,「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jimmail(Windows限定)」(1. コマンド)を参照してください。

  3. メール環境定義ファイルをテキストエディターで開く。

    • 物理ホストのとき

      Consoleパス\conf\mail\jimmail.conf

    • 論理ホストのとき

      共有フォルダ\JP1Cons\conf\mail\jimmail.conf

  4. メール環境定義ファイルに次の表に示す項目を設定する。

    パラメーター名

    設定項目

    設定要否

    説明

    Charset

    メールの文字コード

    指定できる文字コードの例は次のとおりです。

    • iso-2022-jp

    • shift_jis

    • euc-jp

    • utf-8

    • iso-8859-1

    • us-ascii

    • GB18030

    初期値はiso-8859-1です。

    From

    送信元メールアドレス

    1〜256バイトの範囲で1件だけ指定します。

    使用できる文字は次のとおりです。

    • 0-9,a-z(半角英数字)

    • @(アットマーク)

    • .(ピリオド)

    • -(ハイフン)

    • _(アンダーバー)

    DefaultTo

    デフォルトの送信先メールアドレス

    デフォルトで送信するメールアドレスを指定します。jimmailコマンドで-toオプションが指定された場合,-toオプションが優先されます。

    SmtpServer

    SMTPサーバのホスト名

    メール送信時に接続するSMTPサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv4だけに対応します。SMTPサーバは複数指定できません。

    SmtpPort

    SMTPポート番号

    SMTPサーバの通信ポートのポート番号を指定します。

    AuthMethodで「NONE」または,「POP」を指定した場合だけ,この項目は有効になります。初期値は25です。

    AuthMethod

    メール送信時の認証方式

    メール送信時の認証方式を指定します。

    • NONE:認証なし

    • POP:POP before SMTP認証

    • SMTP:SMTP-AUTH認証(LOGIN/PLAIN)

    初期値は「NONE」です。

    SmtpAuthPort

    SMTP-AUTH認証のサブミッションポート番号

    SMTP-AUTH認証用の通信ポートのサブミッションポート番号を指定します。

    AuthMethodで「SMTP」を指定した場合だけ,この項目は有効になります。

    1〜65535の範囲で指定します。初期値は587です。

    Pop3Server

    POP3サーバのホスト名

    POP before SMTP認証の場合,必須です。

    POP before SMTP認証で使用するPOP3サーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv4だけに対応します。複数指定できません。

    Pop3Port

    POP3ポート番号

    POP before SMTP認証で使用するPOP3サーバの通信ポートのポート番号を指定します。

    1〜65535の範囲で指定します。初期値は110です。

    AuthUser

    認証アカウント名

    POP before SMTP認証またはSMTP-AUTH認証で使用する認証アカウント名を指定します。1〜255バイトの半角文字で指定します。

    AuthPassword

    認証パスワード

    手順5のjimmailpasswdコマンドで設定した値が暗号化されて入ります。

    ConnectTimeout

    ネットワーク接続タイムアウト時間

    SMTPとPOP3サーバとの接続完了を待つタイムアウト時間を1,000〜3,600,000(ミリ秒)の範囲で指定します。初期値は10,000(ミリ秒)(10秒)です。

    SoTimeout

    通信タイムアウト時間

    SMTPとPOP3サーバからの応答を受信するまでのタイムアウト時間を1,000〜3,600,000(ミリ秒)の範囲で指定します。初期値は10,000(ミリ秒)(10秒)です。

    MailSubjectCutting

    メール主題の切り捨て設定

    メール送信時にメール主題が最大長を超えていた場合にメールの主題を切り捨てて強制的に送信するかを指定します。

    • OFF:主題を切り捨てないで,異常終了

    • ON:主題を512バイトで切り捨てて,メール送信

    初期値は「OFF」です。

    MailNewLine

    メールの改行コード

    メール本文で使用する改行コードを定義します。

    • CRLF:CR(0x0d)+LF(0x0A)

    • LF:LF(0x0A)

    • CR:CR(0x0d)

    初期値は「CRLF」です。

    (凡例)

    ○:必須

    △:任意

    メール環境定義ファイルの詳細については,「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「メール環境定義ファイル(jimmail.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

  5. jimmailpasswdコマンドで認証パスワードを設定する。

    メール環境定義ファイルのメール送信時の認証方式が「POP before SMTP認証」,または「SMTP-AUTH認証」の場合,jimmailpasswdコマンドでPOP3認証パスワード,またはSMTP認証パスワードをメール環境定義ファイルに設定します。

    jimmailpasswdコマンドの詳細については,「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jimmailpasswd(Windows限定)」(1. コマンド)を参照してください。

  6. メール送信のテストをする。

    メール送信の環境が正しく設定されたか,jimmailコマンドを実行してメール送信のテストをします。コマンドプロンプト上で,テストメールを送信して,jimmailコマンドが正常終了すること,および送信先ユーザーがメールを受信できることを確認してください。

    user@hitachi.comにメール送信する例を次に示します。

    $ jimmail -to user@hitachi.com -s IMTestMail -b IMTestMail