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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


12.5.3 仮想化システム構成の管理

複数の仮想化システム管理ホストおよびVMMホスト上で動作する仮想ホストの仮想化システム構成を管理する方法を検討してください。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件の検討

仮想化システム構成を管理できるかどうか,仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの種類および前提OSを確認してください。

仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの種類

仮想ホストを構築するためには,仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアが必要です。使用している製品の種類によって,IM構成管理で仮想化システム構成を管理できるかどうか判断してください。対象となる製品を次に示します。

  • 仮想化システム管理ホストに使用できる仮想化環境管理ソフトウェア

    vCenter,JP1/SC/CM,SCVMM,およびHCSM

  • VMMホストに使用できる仮想化ソフトウェア

    KVM,Hyper-V,日立サーバ論理分割機構,およびVMware ESX

また,仮想化環境管理ソフトウェアと仮想化ソフトウェアの組み合わせは次のとおりです。

表12‒10 仮想化環境管理ソフトウェアと仮想化ソフトウェアの組み合わせ

仮想化環境管理ソフトウェア

仮想化ソフトウェア

vCenter

VMware ESX

JP1/SC/CM

日立サーバ論理分割機構

SCVMM

Hyper-V

HCSM

日立サーバ論理分割機構

KVM

(凡例)

−:必要なし

注※

SCVMMでvCenterを管理している場合は,vCenterおよびVMware ESXの仮想化構成情報を管理できます。

前提OS

JP1/SC/CM,vCenter,およびSCVMMの前提OSは,WindowsかつJP1/IM - Managerのリリースノート記載の,仮想化環境管理ソフトウェアのバージョンで動作するOSです。

UNIX上で動作する仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの仮想化構成情報は収集できません。

(2) 仮想化構成情報の収集方法

仮想化システムの構成を変更した場合や,定期的に情報を管理している場合に,仮想化構成情報を収集します。仮想化構成情報を収集する方法には,次の2種類があります。どちらの方法で情報を収集するかを検討してください。

コマンドを実行して仮想化構成情報を収集する場合

コマンドを実行して,収集対象の仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアから仮想化構成情報を収集できます。仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの種類によって使用するコマンドが異なります。

仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアに対応するコマンドを次の表に示します。

表12‒11 仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアとコマンドの対応

収集対象の仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの種類

コマンド名

収集範囲

vCenter

jcfcolvmvc

  • vCenterで起動している仮想化システム管理ホスト

  • VMware ESXで起動している仮想ホスト

JP1/SC/CM

jcfcolvmvirtage

日立サーバ論理分割機構で起動している仮想ホスト

SCVMM※1

jcfcolvmscvmm

  • SCVMMで起動している仮想化システム管理ホスト

  • Hyper-Vで起動している仮想ホスト

  • SCVMMでvCenterを管理している場合は,vCenterおよびVMware ESXで起動している仮想ホスト

HCSM

jcfcolvmhcsm

日立サーバ論理分割機構で起動している仮想ホスト,およびHCSMから取得できるホスト名※2

KVM

jcfcolvmkvm

KVMで起動している仮想ホスト

VMware ESX

jcfcolvmesx

VMware ESXで起動している仮想ホスト

注※1 この機能はWindows限定です。

注※2 日立サーバ論理分割機構で起動している仮想ホスト以外のホストの仮想化構成情報を収集する場合,ホスト名およびホスト種別以外の仮想化構成情報は収集できません。また,収集対象となるホストのホスト種別は「不明」として収集されます。

IM構成管理・ビューアーから仮想化構成情報を収集する場合

IM構成管理・ビューアーで仮想化システム管理ホスト,およびKVMが起動しているホストを指定して,仮想化構成情報を収集できます。指定したホストで起動しているソフトウェアによって,収集できる仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの種類が異なります。

仮想化構成情報を収集するホストで起動しているソフトウェアと,収集対象となる仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの組み合わせを次の表に示します。

表12‒12 仮想化システム管理ホストと仮想化ソフトウェアおよび仮想化環境管理ソフトウェアの関係

仮想化構成情報の収集元となるホストにインストールされているソフトウェア

収集対象

収集範囲

vCenter

VMware ESX

  • vCenterで起動している仮想化システム管理ホスト

  • VMware ESXで起動している仮想ホスト

JP1/SC/CM

日立サーバ論理分割機構

日立サーバ論理分割機構で起動している仮想ホスト

SCVMM※1

  • Hyper-V

  • vCenter※2

  • VMware ESX※2

  • SCVMMで起動している仮想化システム管理ホスト

  • Hyper-Vで起動している仮想ホスト

  • SCVMMでvCenterを管理している場合は,vCenterおよびVMware ESXで起動している仮想ホスト

HCSM

日立サーバ論理分割機構

日立サーバ論理分割機構で起動している仮想ホスト,およびHCSMから取得できるホスト名※3

KVM

KVM

KVMで起動している仮想ホスト

注※1 この機能はWindows限定です。

注※2 SCVMMでvCenterを管理している場合は,vCenterおよびVMware ESXが収集対象になります。

注※3 日立サーバ論理分割機構で起動している仮想ホスト以外のホストの仮想化構成情報を収集する場合,ホスト名およびホスト種別以外の仮想化構成情報は収集できません。また,収集対象となるホストのホスト種別は「不明」として収集されます。

(3) 仮想化構成情報をセントラルスコープの監視ツリーで監視する方法

仮想化システム管理ホストおよびVMMホスト上で動作する仮想ホストを含む仮想化システム構成を,セントラルスコープの監視ツリーで監視するかどうか検討してください。

なお,セントラルスコープの監視ツリーで監視する方法は,「12.5.3(2) 仮想化構成情報の収集方法」によって異なります。

コマンドを実行して仮想化構成情報を収集した場合

コマンドを使用して仮想化構成情報をセントラルスコープにインポートし,監視ツリーに反映します。

IM構成管理・ビューアーから仮想化構成情報を収集した場合

IM構成管理・ビューアーから仮想化構成情報を収集すると,VMMホストの追加や仮想化構成の変更などが仮想化構成情報に反映されます。この仮想化構成情報をIM構成管理・ビューアーからセントラルスコープの監視ツリーに反映できます。