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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


12.1.7 大量発生イベントの転送抑止の検討

エージェントでイベントが大量に発生して,マネージャーによるシステム監視に支障を及ぼすような場合は,エージェントからのイベント転送を抑止することを検討してください。

大量発生イベントの転送抑止の検討項目を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 大量発生イベントの転送を抑止するときの検討

エージェントでイベントが大量に発生した場合,まず,繰り返しイベントの監視抑止機能を使用するかどうか,およびエージェントからのイベント転送を抑止するかどうかを検討してください。マネージャーのイベントサーバの負荷を軽減したい場合は,エージェントからのイベント転送を抑止してください。イベント転送抑止コマンド(jevagtfwコマンド)を使用すると,エージェントのイベント転送をマネージャーから抑止できます。

なお,大量発生イベントの原因が,ログファイルトラップが発行するJP1イベントの場合は,該当のログファイルトラップを停止することを検討してください。ログファイルトラップのID番号または監視名を基に,ログファイルトラップを個別に停止できます。

大量発生イベントに対して,イベント転送抑止とログファイルトラップの停止のどちらで対処するかは,JP1イベントの発生状況応じて判断してください。例えば,大量発生イベントを検知したら,いったんイベント転送を抑止します。その後,ログファイルトラップが原因だと判断した場合は,該当のログファイルトラップだけを停止し,イベント転送を解除する運用もできます。

メモ

JP1イベントのイベントサーバへの蓄積について

イベント転送抑止の場合,マネージャーへのイベント転送が抑止されるだけで,エージェントのイベントサーバにはJP1イベントが蓄積されます。それに対して,ログファイルトラップを停止する場合,JP1イベントへの変換も停止するため,エージェントのイベントサーバにJP1イベントは蓄積されません。

(2) 大量発生イベントの転送を未然に防ぐための検討

大量発生イベントの転送を未然に防ぐために,大量発生イベントと判断するためのしきい値を設定して,イベント転送を自動的に抑止することを検討してください。

イベント転送を自動的に抑止するには,イベント転送抑止条件について検討が必要です。イベント転送抑止条件には,しきい値として単位時間当たりのイベント発生数などを設定します。

イベント転送抑止条件の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の転送設定ファイルの説明を参照してください。