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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


5.2.2 監視ノードの状態

監視オブジェクトおよび監視グループは,監視対象で発生したJP1イベントをもとにして,監視対象の状態を管理します。

監視ノードには次の2種類の状態があります。

監視ノードは,初めは「初期状態」と呼ぶ状態です。初期状態とは,監視ノードがどのような状態か情報を持っていないことを意味しています。

監視状態が「監視」になっている監視オブジェクトで,例えば,障害が発生して重大度が緊急のJP1イベントが発行された場合,そのJP1イベントをJP1/IM - Managerが受信すると, 監視オブジェクトの状態を変更します。どのようなときに監視オブジェクトの状態を変更するかは,状態変更条件と呼ぶ条件によって決まります。

監視オブジェクトの状態が変更されると,その状態は上位の監視グループへと順に伝わります。監視グループの状態より,伝わった状態の優先度が高い場合や,下位の監視ノードの状態が監視グループの状態変更条件に合致した場合は,監視グループの状態が変化します。

監視状態が「非監視」の監視オブジェクトの場合は,障害などのJP1イベントを受信しても,監視ノードの状態は変更されません。監視状態を「監視」に変更すると,監視対象からのJP1イベントによって,監視ノードの状態が変わるようになります。なお,監視ツリーを自動生成すると,監視ノードは「非監視」の状態になっています。

〈この項の構成〉

(1) 監視ノードの状態を手動で変更する場合の動作

監視ノードの状態を手動で変更する場合,監視ノード種別が監視オブジェクトか監視グループかによって,変更できる状態,および状態変更時の動作が異なります。

表5‒2 監視ノード種別による変更できる状態,状態変更時の動作の違い

監視ノード種別

変更できる状態,および状態変更時の動作

監視オブジェクト

「緊急」「警戒」「致命的」「エラー」「警告」「正常」「デバッグ」および「初期状態」※1に変更できます。

状態を変更すると,その情報が上位に伝わり,上位監視グループの状態は,下位監視ノードの状態の中でいちばん優先度の高い状態に変わります。

[図データ]

監視グループ

「初期状態」※1にだけ変更できます。

状態を変更すると,その情報が上位に伝わり,上位監視グループの状態は,下位監視ノードの状態の中でいちばん優先度の高い状態に変わります(上位伝播の動作は監視オブジェクトと同じです)。

また,下位監視ノードの状態は,すべて「初期状態」に変わります。

注※1 監視ノードの状態を手動で変更すると状態変更イベントの履歴が削除されます(「5.7.2 状態変更イベントの検索」を参照)。

注※2 監視グループの状態は下位の状態(優先度がいちばん高い状態)に合わせて変わります。ただし,監視グループに状態変更条件が設定されている場合には,その条件に従います。

なお,監視ノードの状態を手動で変更する方法は,GUIで変更する方法とjcschstatコマンドで変更する方法の2種類があります(jcschstatコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcschstat」(1. コマンド)参照)。

監視ノードの監視状態を「非監視」に変更すると,下位監視ノードの監視状態もすべて「非監視」に変わります。また,状態は下位監視ノードも含めてすべて「初期状態」に変わります。同様に,監視ノードの監視状態を「監視」に変更すると下位監視ノードの状態もすべて「監視」に変わります。

なお,上位監視ノードの監視状態が「非監視」の場合,下位監視ノードの監視状態だけを「監視」に戻すことはできません。監視状態を「監視」に戻す場合は,「非監視」となっている最上位の監視ノードを「監視」に戻す必要があります。