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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


4.2.2 イベント取得フィルター

イベント取得フィルターは,JP1/IM - Manager(のイベント基盤サービス)がJP1/Baseから取得するJP1イベントをフィルタリングするためのフィルターです。このフィルターは,あらかじめ複数の条件をマネージャーに設定しておき,その中から一つの条件に切り替えて利用できます。

イベント取得フィルターには,JP1/IM - Managerで監視が必要なJP1イベントの条件を定義してください。一般的に監視システム内で発生する重大な事象を表すJP1イベントがJP1/IM - Managerで監視が必要なJP1イベントです。イベント取得フィルターを通過すると,次に示すJP1イベントになります。

例えば,JP1/IMのマネージャーと正常イベントを大量に発行する製品を同一マシン上で運用する場合(JP1/AJSがジョブ正常実行のイベントを発行する場合など),システムの運用監視に必要なJP1イベントが埋もれてしまうおそれがあります。このような場合でも,イベント取得フィルターを利用することで,監視対象のJP1イベントだけがJP1/IMで取得されるため,システムの運用監視に影響を与えないようにできます。

イベント取得フィルターは,JP1/IM - Managerにあり,JP1/IM - Viewから設定できます。イベント取得フィルターは,JP1イベントの監視や自動アクション,監視オブジェクトの状態監視など,JP1/IMの機能すべてに影響を与えるフィルターです。

JP1/IM - Managerで設定している環境変数LANGとJP1/Baseのイベントサーバで設定している環境変数LANGが一致していない場合,イベント取得フィルターが正しく動作しません。

統合監視DBを使用する場合,イベント取得フィルターを通過したJP1イベントが保存されます。

メモ
  • JP1/SES形式のイベントをJP1/IM - Viewに表示したい場合は,イベント取得フィルターの設定でJP1/SESイベントを取得するように変更する必要があります。デフォルト設定では表示しません。

  • 統合監視DBを使用しない場合,イベント取得フィルターは,相関イベント発行サービスにも適用されます。

    相関イベント発行サービスは,デフォルトで起動しない設定となっていますが,起動するとイベント基盤サービスに適用されているフィルター内容が,そのまま適用されます。

    なお,イベント取得フィルター(互換用)を使用していた場合,相関イベント発行サービスはフィルターなしの状態で動作します。

    相関イベント発行サービスについては,「4.3 相関イベントの発行」を参照してください。

  • 発生元ホストのマッピングはイベントサービスから取得されたあとのJP1イベントに有効な機能です。このため,JP1イベントを取得するときのイベント取得フィルターの条件には発生元ホストは指定できません。

複数のイベント取得フィルターの設定について

イベント取得フィルターは,複数設定できます。

例えば,営業時間用と夜間用など,時間帯によって取得対象ホストやJP1イベントを変更したい場合に,営業時間用と夜間用のイベント取得フィルターを設定して切り替える運用ができます。

イベント取得フィルターを切り替えた場合に発行されるイベントについて

イベント取得フィルターを切り替えた場合,JP1/IM - Managerは,イベント取得フィルター条件の変更を通知するJP1イベント(イベントID:00003F13,00003F20)を発行します。これらのJP1イベントのメッセージには,「切り替え後のフィルター名」「切り替え前にJP1/IM - Managerが最後に受信したイベントの到着時刻とイベントDB内通し番号」が記載されます。

JP1イベント(イベントID:00003F13,00003F20)は,メッセージに記載された到着時刻およびイベントDB内通し番号に該当するイベントの次にJP1/IM - Managerが受信したイベントから,切り替えたイベント取得フィルターが有効になったことを通知するイベントです。このため,イベント取得フィルターの切り替えとこれらのJP1イベントの発行契機は同じではありません。

例えば,イベント取得フィルターの切り替えの際に,大量にほかのJP1イベントが発行された場合,イベント取得フィルター条件の変更を通知するJP1イベント(イベントID:00003F13,00003F20)が遅れて表示されることがあります。このような場合,切り替え後のイベント取得フィルターで取得した最初のJP1イベントは,[イベントコンソール]画面上で,変更を通知するこれらのJP1イベントよりも前に表示されます。

切り替え後のイベント取得フィルターで取得した,最初のJP1イベントを確認するには,JP1イベント(イベントID:00003F13,00003F20)のメッセージで,切り替え前に最後に取得したJP1イベントを確認してください(それ以後表示されるJP1イベントが,切り替え後のイベント取得フィルターで取得したJP1イベントになります)。

JP1イベント(イベントID:00003F13,00003F20)の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「3. JP1イベント」を参照してください。ただし,イベント取得フィルターが互換モードで動作している場合は,これらのJP1イベントは発行されません。