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JP1 Version 12 JP1/Integrated Management 2 - Manager 導入・設計ガイド


1.5.2 システムの階層構成

JP1/IMが管理するシステムは,システムを統合管理するマネージャー,監視対象サーバで動作するエージェント,リモートの監視対象ホスト,および監視や操作を行うビューアーから構成されます。

エージェントを監視するためには,エージェントおよびマネージャー上でJP1/Baseが動作している必要があります。このように監視対象のホスト上でJP1/Baseが動作している構成をエージェント構成と呼びます。

また,JP1/IMのバージョンが09-50以降から対応している,監視対象のホストにリモートで接続して監視する構成をリモート監視構成と呼びます。リモート監視構成ではエージェント構成に比べて制限があります。リモート監視で運用するかどうかは,「7.2.8 エージェント構成とリモート監視構成の選択について」を参照して検討してください。あらかじめ監視対象のホストにリモート通信設定をしておく必要があります。通信設定の手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド」の「1.17 リモートの監視対象ホストでログ監視をするための設定(Windowsの場合)」,「2.16 リモートの監視対象ホストでログ監視をするための設定(UNIXの場合)」を参照してください。

エージェント構成の場合,エージェント上でJP1/Baseが起動していますが,リモート監視構成の場合,リモートの監視対象ホスト上でJP1/Baseを使用する必要はありません。

なお,エージェント構成およびリモート監視構成を合わせて,システムの階層構成またはIM構成と呼びます。

JP1/IM - Managerでシステムの階層構成(IM構成)を一元管理したい場合は,JP1/IM - Managerが提供するIM構成管理の機能を使用して,システムの階層構成を定義したり,システムの階層構成の定義情報(構成定義情報)を各ホストに配布したりできます。

また,従来どおり,JP1/Baseの構成定義情報を使用してシステムの階層構成を定義することもできます。ただし,この場合には,リモートの監視対象ホストについては,定義できません。

JP1/IMのシステムでは,マネージャーを階層化して,拠点ごとの小規模なシステムから,企業全体の大規模なシステムまで,さまざまな規模のシステムの統合管理を実現できます。管理対象のホストを追加したり,小規模システムから階層型の大規模システムへ移行したりすることも容易にできます。

図1‒26 規模に応じたシステムの階層構成

[図データ]

エージェント構成の場合,上図のように統合マネージャーの下に拠点マネージャーおよび中継マネージャーを置くことで,階層型のシステムを構築できます。階層型のシステムを構築するには,統合マネージャー,拠点マネージャー,中継マネージャーにJP1/IM - Managerが必要となります。

リモート監視構成の場合,階層型のシステムを構築できません。統合マネージャーまたは拠点マネージャーの下にリモートの監視対象ホストを配置する必要があります。

JP1/IMのシステムを構成するマネージャーの種類を次に示します。

表1‒4 JP1/IMのシステムを構成するマネージャーの種類

マネージャーの種類

説明

統合マネージャー

システムの階層構成の最上に位置するマネージャーです。システムの階層構成内の拠点マネージャー,中継マネージャー,エージェント(拠点マネージャーの下のエージェントを除く),リモートの監視対象ホスト(拠点マネージャーの下のリモートの監視対象ホストを除く)を統合管理します。

拠点マネージャー

拠点ごとにエージェントを管理する場合に,統合マネージャーとエージェントまたはリモートの監視対象ホストとの中間の階層に置くマネージャーです。拠点マネージャーは統合マネージャーで管理しますが,拠点マネージャーの下のエージェント,およびリモートの監視対象ホストは拠点マネージャーで管理します。

中継マネージャー

各エージェントのイベントを集約するために,統合マネージャーとエージェントとの中間の階層に置くマネージャーです。中継マネージャーおよび中継マネージャーの下のエージェントは,統合マネージャーで管理します。リモート監視構成では使用できません。

また,監視対象のホストには,次の2種類があります。