8.4.5 サーバ間コピー
複数のJP1/DH - Server間で,配送データをコピーします。
1台のJP1/DH - Serverに送信した配送データを,別のJP1/DH - Serverにコピーします。コピー先のJP1/DH - Serverから,コピー元のJP1/DH - Serverと同じ配送データをダウンロードできます。
このコマンドは,コピー元のJP1/DH - Serverで実行します。
(1) 形式
DWAdminClient.bat△COPYTOSERVER△ [[[△-to△メールアドレス [-toname 名前 ][-todivision 所属]]|※ [△-cc△メールアドレス [-ccname 名前 ][-ccdivision 所属]]|※ [△-bcc△メールアドレス [-bccname 名前 ][-bccdivision 所属]]]|※ [△-destinationfile△宛先ファイルパス]] △-deliveryid△配送ID △-sysconfig△JP1/DH - Server 設定ファイル(digikatsuwide.xml)のパス [△-title△タイトル] [△-message△メッセージ | -messagefile△メッセージファイル] [△-openpassword△開封パスワード] [△-getdeliveryinfo△配送情報ファイルの出力先パス] △-property△コマンドプロパティファイルパス [△-concurrenttimeout△タイムアウト時間(秒)]
注※ このうち1つ以上のオプションを指定します。
(2) 引数
項番 |
オプション |
説明 |
---|---|---|
1 |
-to |
toで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。大文字・小文字は区別されません。 値に@(アットマーク)が含まれていない場合は,グループ名として登録します。 複数の宛先を指定する場合は,コロン(:)で区切ります。to/cc/bcc合わせて,JP1/DH - Server側で設定された宛先の上限数まで指定できます。上限値設定の詳細については,マニュアル「JP1/Data Highway - Server 構築・運用ガイド」を参照してください。メールアドレスとグループ名を混在して指定することもできます。 |
2 |
-toname |
-toオプションで指定した宛先の名前※3を,コロン(:)区切りで指定します。 -toオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-toオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。 宛先にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。 |
3 |
-todivision |
-toオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。 -toオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-toオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。 宛先にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。 |
4 |
-cc |
ccで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。 指定方法は-toオプションと同様です。 |
5 |
-ccname |
-ccオプションで指定した宛先の名前※3をコロン(:)区切りで指定します。 -ccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-ccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。 |
6 |
-ccdivision |
-ccオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。 -ccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-ccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。 |
7 |
-bcc |
bccで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。 指定方法は-toオプションと同様です。 |
8 |
-bccname |
-bccオプションで指定した宛先の名前※3をコロン(:)区切りで指定します。 -bccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-bccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。 |
9 |
-bccdivision |
-bccオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。 -bccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-bccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。 |
10 |
-destinationfile |
宛先の指定をCSV形式のファイルで行う場合に使用します。宛先を記載した宛先ファイルのパスを指定します。次に示す他の宛先指定オプションと同時には指定できません。
宛先ファイルの詳細については,「9.3.2(1)(d) 宛先ファイル」を参照してください。 このオプションは,JP1/DH - Serverのバージョンが10-50以降の場合,使用が可能です。10-50より前のバージョンのJP1/DH - Serverにこのオプションを指定した場合,「DWCO1913_E サーバからエラーが返されました。接続先のサーバが本コマンドに対応していません」のエラーが発生します。 |
11 |
-deliveryid |
サーバ間コピー対象とする配送のIDを指定します。 |
12 |
-sysconfig |
コピー元のJP1/DH - Server 設定ファイル(digikatsuwide.xml)のファイルパスを指定します。 |
13 |
-title |
件名を指定します。最大で100文字まで入力できます。 省略した場合,件名は空になります。ただし,メールの件名は,システムでデフォルトの件名が使用されます。 |
14 |
-message |
メールに記載されるメッセージを指定します。最大で256文字まで入力できます。省略した場合,メッセージは空になります。改行は使用できません。 |
15 |
-messagefile |
メールに記載するメッセージが書かれたテキストファイルのパスを指定します。 テキストファイルの文字コードはUTF-8で記述してください。UTF-8以外の文字コードで記述すると文字化けする場合があります。 なお,BOM,および改行コードの有無は問いません。最大で4,096文字まで入力できます。ただし,BOMが付与されている場合は,4,095文字となります。 改行は1文字として扱われます。 指定を省略した場合,メッセージは空となります。同時に-messageオプションを指定していた場合,エラーとなります。 |
16 |
-openpassword |
未登録宛先送信時の開封パスワードを指定します。指定を省略した場合,開封パスワードは空となりますが,未登録宛先送信時には開封パスワードが必須となるため,エラーとなります。 登録済み宛先送信時には開封パスワードを入力しても使用されずに,無視されます。 開封パスワードは6〜32文字の半角英数字と記号で,2種類以上の文字種(数字,英小文字,英大文字,記号)を使用して設定してください。記号には次の文字を使用できます。 !"#$%&'()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~ なお,開封パスワードを「"(ダブルクォート)」で囲んだ場合,"内の文字がパスワードとなります。例えば,「"Password01"」と指定した場合は,「Password01」がパスワードとなります。 |
17 |
-getdeliveryinfo |
配送情報ファイルを出力する場合に,出力先のファイルパスを指定します。コピー先JP1/DH - Serverの配送情報が掲載された配送情報ファイルが,XML形式で出力されます。 指定したファイルパスに同名のファイルが存在する場合は,上書きします。また,コピーするファイル/フォルダが存在しない場合に,このオプションを指定したときは,配送情報ファイルは出力されません。 配送情報ファイルの形式については,「8.4.5 (3) (d) 配送情報ファイル」を参照してください。 |
18 |
-concurrenttimeout |
詳細は「8.3.2 共通オプション」を参照してください。 -propertyオプションには,コピー先のJP1/DH - ServerのURLと送信者のID,パスワードを記載したプロパティファイルのパスを指定します。 |
19 |
-property |
(3) 解説
(a) サーバ間で引き継がれる情報
コピー元JP1/DH - Serverとコピー先JP1/DH - Serverで引き継ぎされる情報は,配送データだけです。コピー先のJP1/DH - Serverの配送IDを取得するには,-getdeliveryinfoオプションを指定してXML形式の配送情報ファイルを出力してください。
(b) 異なるバージョン間でのコピー
コピー元JP1/DH - Serverとコピー先JP1/DH - Serverのバージョンが異なる場合でも,コマンドを実行できます。
(c) コピーできない場合
次の場合はサーバ間コピーに失敗します。
-
コピー元JP1/DH - Serverの圧縮方式,および圧縮強度と,コピー先JP1/DH - Serverの配送ポリシーに定義されている圧縮方式,圧縮強度が異なる場合
-
宛先に指定したユーザが削除されている場合
-
メッセージだけを配送した場合
-
配送データが存在しない場合
(d) 配送情報ファイル
-getdeliveryinfoオプションを指定した場合に出力される,XML形式の配送情報ファイルの要素の意味を次に示します。
要素/属性 |
個数 |
説明 |
|
---|---|---|---|
data要素 |
1 |
ルート要素です。常に出力されます。 |
|
deliveries要素 |
1 |
配送情報リストです。 |
|
delivery要素 |
1 |
配送情報が存在する場合に出力されます。配送が無い場合,delivery要素は0個になります。 |
|
id属性 |
1 |
配送IDです。 |
|
subject属性 |
1 |
配送の件名です。 |
|
message属性 |
1 |
配送のメッセージです。 |
|
total-size属性 |
1 |
配送の総データサイズ(バイト数)です。 圧縮する場合は,圧縮前のサイズです。 |
|
sender要素 |
1 |
送信者情報です。 |
|
id属性 |
1 |
送信者のユーザIDです。 |
|
files要素 |
0または1 |
配送ファイル/フォルダリストです。 |
|
file要素 |
1以上 |
配送ファイル/フォルダ情報です。 1回の配送で送信するファイル/フォルダの数だけ出力されます。配送中のファイル/フォルダが存在しない場合は,0個となります。 |
|
type要素 |
1 |
配送ファイル/フォルダの種別が出力されます。
|
|
name要素 |
1 |
配送ファイル/フォルダ名です。 |
|
size要素 |
1 |
配送ファイル/フォルダのサイズ(バイト数)です。フォルダの場合,フォルダの内容をアーカイブする前の合計バイト数が出力されます。圧縮する場合は,圧縮前のサイズです。 |
|
receivers要素 |
1 |
宛先情報リストです。 |
|
receiver要素 |
1以上 |
宛先情報です。宛先が複数存在する場合は,receiver要素が複数出力されます。 |
|
email属性 |
1 |
宛先に指定したユーザのメールアドレスです。 |
|
to-type属性 |
1 |
指定した宛先の種別です。
|
|
name属性 |
1 |
指定した宛先の名前です。 |
|
division属性 |
1 |
指定した宛先の所属です。 |
- 重要
-
送信元のユーザが削除された場合,送信したファイルも削除されます。この場合,sender要素のid属性には""と表示されます。
(4) 実行例
DWClient.bat COPYTOSERVER -to "user@mailaddress.com" -deliveryid 100 -sysconfig C:\Program Files\Hitachi\jp1dh\server\misc\WEB-INF\digikatsuwide.xml -title "title" -message "message" -getdeliveryinfo C:\deliveryinfo.xml -property "C:\DWCLient\property.xml"