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JP1 Version 12 JP1/Data Highway - Server 構築・運用ガイド


8.4.5 サーバ間コピー

複数のJP1/DH - Server間で,配送データをコピーします。

1台のJP1/DH - Serverに送信した配送データを,別のJP1/DH - Serverにコピーします。コピー先のJP1/DH - Serverから,コピー元のJP1/DH - Serverと同じ配送データをダウンロードできます。

このコマンドは,コピー元のJP1/DH - Serverで実行します。

〈この項の構成〉

(1) 形式

DWAdminClient.bat△COPYTOSERVER△
   [[[△-to△メールアドレス [-toname 名前 ][-todivision 所属]]|
     [△-cc△メールアドレス [-ccname 名前 ][-ccdivision 所属]]|
     [△-bcc△メールアドレス [-bccname 名前 ][-bccdivision 所属]]]|
    [△-destinationfile△宛先ファイルパス]]
   △-deliveryid△配送ID
   △-sysconfig△JP1/DH - Server 設定ファイル(digikatsuwide.xml)のパス
   [△-title△タイトル]
   [△-message△メッセージ | -messagefile△メッセージファイル]
   [△-openpassword△開封パスワード]
   [△-getdeliveryinfo△配送情報ファイルの出力先パス]
   △-property△コマンドプロパティファイルパス
   [△-concurrenttimeout△タイムアウト時間(秒)]

注※ このうち1つ以上のオプションを指定します。

(2) 引数

表8‒16 ファイル送信の引数

項番

オプション

説明

1

-to

toで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。大文字・小文字は区別されません。

値に@(アットマーク)が含まれていない場合は,グループ名として登録します。

複数の宛先を指定する場合は,コロン(:)で区切ります。to/cc/bcc合わせて,JP1/DH - Server側で設定された宛先の上限数まで指定できます。上限値設定の詳細については,マニュアル「JP1/Data Highway - Server 構築・運用ガイド」を参照してください。メールアドレスとグループ名を混在して指定することもできます。

2

-toname

-toオプションで指定した宛先の名前※3を,コロン(:)区切りで指定します。

-toオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-toオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。

宛先にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。

3

-todivision

-toオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。

-toオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-toオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。

宛先にグループ名を指定した場合は,ここでの指定は無視されます。

4

-cc

ccで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。

指定方法は-toオプションと同様です。

5

-ccname

-ccオプションで指定した宛先の名前※3をコロン(:)区切りで指定します。

-ccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-ccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。

6

-ccdivision

-ccオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。

-ccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-ccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。

7

-bcc

bccで送信する宛先を指定します。メールアドレス※1,またはグループ名(英語)※2を指定できます。

指定方法は-toオプションと同様です。

8

-bccname

-bccオプションで指定した宛先の名前※3をコロン(:)区切りで指定します。

-bccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-bccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。

9

-bccdivision

-bccオプションで指定した宛先の所属※4をコロン(:)区切りで指定します。

-bccオプションで指定した個数まで指定できます。指定した引数が-bccオプションより少ない場合は,指定を省略したと判断されます。なお,区切り文字のコロン(:)を所属に含めることはできません。

10

-destinationfile

宛先の指定をCSV形式のファイルで行う場合に使用します。宛先を記載した宛先ファイルのパスを指定します。次に示す他の宛先指定オプションと同時には指定できません。

  • -to, -cc, -bcc

  • -toname, -ccname, -bccname,

  • -todivision, -ccdivision, -bccdivision

宛先ファイルの詳細については,「9.3.2(1)(d) 宛先ファイル」を参照してください。

このオプションは,JP1/DH - Serverのバージョンが10-50以降の場合,使用が可能です。10-50より前のバージョンのJP1/DH - Serverにこのオプションを指定した場合,「DWCO1913_E サーバからエラーが返されました。接続先のサーバが本コマンドに対応していません」のエラーが発生します。

11

-deliveryid

サーバ間コピー対象とする配送のIDを指定します。

12

-sysconfig

コピー元のJP1/DH - Server 設定ファイル(digikatsuwide.xml)のファイルパスを指定します。

13

-title

件名を指定します。最大で100文字まで入力できます。

省略した場合,件名は空になります。ただし,メールの件名は,システムでデフォルトの件名が使用されます。

14

-message

メールに記載されるメッセージを指定します。最大で256文字まで入力できます。省略した場合,メッセージは空になります。改行は使用できません。

15

-messagefile

メールに記載するメッセージが書かれたテキストファイルのパスを指定します。

テキストファイルの文字コードはUTF-8で記述してください。UTF-8以外の文字コードで記述すると文字化けする場合があります。

なお,BOM,および改行コードの有無は問いません。最大で4,096文字まで入力できます。ただし,BOMが付与されている場合は,4,095文字となります。

改行は1文字として扱われます。

指定を省略した場合,メッセージは空となります。同時に-messageオプションを指定していた場合,エラーとなります。

16

-openpassword

未登録宛先送信時の開封パスワードを指定します。指定を省略した場合,開封パスワードは空となりますが,未登録宛先送信時には開封パスワードが必須となるため,エラーとなります。

登録済み宛先送信時には開封パスワードを入力しても使用されずに,無視されます。

開封パスワードは6〜32文字の半角英数字と記号で,2種類以上の文字種(数字,英小文字,英大文字,記号)を使用して設定してください。記号には次の文字を使用できます。

!"#$%&'()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~

なお,開封パスワードを「"(ダブルクォート)」で囲んだ場合,"内の文字がパスワードとなります。例えば,「"Password01"」と指定した場合は,「Password01」がパスワードとなります。

17

-getdeliveryinfo

配送情報ファイルを出力する場合に,出力先のファイルパスを指定します。コピー先JP1/DH - Serverの配送情報が掲載された配送情報ファイルが,XML形式で出力されます。

指定したファイルパスに同名のファイルが存在する場合は,上書きします。また,コピーするファイル/フォルダが存在しない場合に,このオプションを指定したときは,配送情報ファイルは出力されません。

配送情報ファイルの形式については,「8.4.5 (3) (d) 配送情報ファイル」を参照してください。

18

-concurrenttimeout

詳細は「8.3.2 共通オプション」を参照してください。

-propertyオプションには,コピー先のJP1/DH - ServerのURLと送信者のID,パスワードを記載したプロパティファイルのパスを指定します。

19

-property

注※1

メールアドレスに指定できる文字は,1〜256文字以内の半角英数字と記号です。ただし,記号(/\?*:|"<>^),空白は使用できません。

注※2

グループ名(英語)に入力できる文字は,1〜200文字以内の半角英数字と記号です。ただし,記号(/\?*:|"<>@^)は使用できません。また,空白だけ,ピリオド(.)だけは使用できません。

注※3

名前に指定できる文字は,1〜256文字以内の半角英数字と記号です。ただし,記号(/\?*:|"<>#@^[]$)は使用できません。また,空白だけ,ピリオド(.)だけは使用できません。

注※4

所属に指定できる文字数は,1〜1024文字以内です。

(3) 解説

(a) サーバ間で引き継がれる情報

コピー元JP1/DH - Serverとコピー先JP1/DH - Serverで引き継ぎされる情報は,配送データだけです。コピー先のJP1/DH - Serverの配送IDを取得するには,-getdeliveryinfoオプションを指定してXML形式の配送情報ファイルを出力してください。

(b) 異なるバージョン間でのコピー

コピー元JP1/DH - Serverとコピー先JP1/DH - Serverのバージョンが異なる場合でも,コマンドを実行できます。

(c) コピーできない場合

次の場合はサーバ間コピーに失敗します。

  • コピー元JP1/DH - Serverの圧縮方式,および圧縮強度と,コピー先JP1/DH - Serverの配送ポリシーに定義されている圧縮方式,圧縮強度が異なる場合

  • 宛先に指定したユーザが削除されている場合

  • メッセージだけを配送した場合

  • 配送データが存在しない場合

(d) 配送情報ファイル

-getdeliveryinfoオプションを指定した場合に出力される,XML形式の配送情報ファイルの要素の意味を次に示します。

表8‒17 配送情報ファイルの意味

要素/属性

個数

説明

data要素

1

ルート要素です。常に出力されます。

deliveries要素

1

配送情報リストです。

delivery要素

1

配送情報が存在する場合に出力されます。配送が無い場合,delivery要素は0個になります。

id属性

1

配送IDです。

subject属性

1

配送の件名です。

message属性

1

配送のメッセージです。

total-size属性

1

配送の総データサイズ(バイト数)です。

圧縮する場合は,圧縮前のサイズです。

sender要素

1

送信者情報です。

id属性

1

送信者のユーザIDです。

files要素

0または1

配送ファイル/フォルダリストです。

file要素

1以上

配送ファイル/フォルダ情報です。

1回の配送で送信するファイル/フォルダの数だけ出力されます。配送中のファイル/フォルダが存在しない場合は,0個となります。

type要素

1

配送ファイル/フォルダの種別が出力されます。

  • file:ファイル

  • folder:フォルダ

name要素

1

配送ファイル/フォルダ名です。

size要素

1

配送ファイル/フォルダのサイズ(バイト数)です。フォルダの場合,フォルダの内容をアーカイブする前の合計バイト数が出力されます。圧縮する場合は,圧縮前のサイズです。

receivers要素

1

宛先情報リストです。

receiver要素

1以上

宛先情報です。宛先が複数存在する場合は,receiver要素が複数出力されます。

email属性

1

宛先に指定したユーザのメールアドレスです。

to-type属性

1

指定した宛先の種別です。

  • TO:TO

  • CC:CC

  • BCC:BCC

name属性

1

指定した宛先の名前です。

division属性

1

指定した宛先の所属です。

重要

送信元のユーザが削除された場合,送信したファイルも削除されます。この場合,sender要素のid属性には""と表示されます。

(4) 実行例

DWClient.bat COPYTOSERVER
 -to "user@mailaddress.com"
 -deliveryid 100
 -sysconfig C:\Program Files\Hitachi\jp1dh\server\misc\WEB-INF\digikatsuwide.xml
 -title "title"
 -message "message"
 -getdeliveryinfo C:\deliveryinfo.xml
 -property "C:\DWCLient\property.xml"