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JP1 Version 12 JP1/Data Highway - Server 構築・運用ガイド


8.4.1 実行中ファイル転送の一時停止と中止

JP1/Data Highway - AJE,またはデータ送受信コマンドで実行中のファイル転送を一時停止,または中止します。なお,JP1/DataHighway - AJE 10-00のコマンドを利用したファイル転送の場合,このコマンドでのファイル転送の一時停止,および中止はできません。

〈この項の構成〉

(1) 形式

DWAdminClient.bat△SUSPEND|CANCEL
   -property△プロパティファイル
   [△-deliveryid△配送ID]
   [△-receiver△受信者のユーザID]

(2) 引数

表8‒10 実行中ファイル転送の一時停止と中止コマンドの引数

項番

オプション

説明

1

SUSPEND

JP1/Data Highway - AJE,またはデータ送受信コマンドで実行中のファイル転送を一時停止します。

一時停止されたファイル転送を実行していたクライアントは,該当する終了コード(一時停止終了)で終了します。

一時停止したファイル転送を再開する場合は,クライアント側で「一時停止中のファイル転送の再開コマンド」を使用します。

2

CANCEL

JP1/Data Highway - AJE,またはデータ送受信コマンドで実行中のファイル転送を中止します。

中止されたファイル転送を実行していたクライアントは,該当する終了コード(中止終了)で終了します。

中止したファイル転送は再開できません。送信中のファイル転送を中止した場合,JP1/DH - Serverの配送データは削除されます。受信時の場合は,削除されません。

なお,一時停止状態のファイル転送を中止することはできません。

3

-deliveryid

ファイル転送を一時停止,または中止する対象の配送IDを指定します。

配送IDは配送情報取得コマンドで取得できます。

このオプションの指定を省略した場合は,JP1/Data Highway - AJE,またはデータ送受信コマンドでファイル転送を実行中のすべてのファイルが一時停止,または中止の対象となります。

-receiverオプションと同時に指定すると,-receiverオプションで指定されたユーザだけファイル転送を一時停止,または中止できます。

4

-receiver

ファイル転送を一時停止,または中止する受信者のユーザIDを指定します。存在しないユーザIDを指定した場合は,実行中のファイル転送は無いものとして動作します。

-deliveryidオプションと同時に指定すると,-deliveryidオプションで指定された配送IDからのファイル転送だけを一時停止,または中止できます。ユーザが転送している配送IDは,配送情報取得コマンドで取得できます。

このオプションは,JP1/DH - Serverのバージョンが11-00以降の場合,使用が可能です。11-00より前のバージョンのJP1/DH - Serverにこのオプションを指定した場合,「DWCO1913_E サーバからエラーが返されました。接続先のサーバが本コマンドに対応していません」のエラーが発生します。

5

-property

8.3.2 共通オプション」を参照してください。

(3) 解説

実行中ファイル転送の一時停止と中止コマンドの詳細を次に示します。

(a) コマンドの実行に掛かる時間について

本コマンドが実行されてから,指示がクライアントに伝わるまでに時間が掛かる場合があります。

(b) 保管期限について

一時停止されたファイル転送の配送データも,配送ポリシーで定義された保存期間で自動削除されます。このため,保存期間は十分長く設定することを推奨します。

(c) サーバの停止について

サーバが停止した場合は,実行中のファイル転送は一時停止します。

(4) 実行例

DWAdminClient.bat SUSPEND
 -property "C:\DWCLient\property.xml"
 -deliveryid 00000001
 -receiver receiver@domain