Hitachi

JP1 Version 12 JP1/File Transmission Server/FTP(UNIX(R)用)


2.4.2 運用管理エージェントの起動・停止

運用管理コンソールを使用するためには,運用管理エージェントを起動する必要があります。デフォルトでは,自動起動しないように設定されています。運用管理機能を使用しない場合は,運用管理エージェントの起動・停止の設定をする必要はありません。

〈この項の構成〉

(1) 運用管理エージェントを起動する

  1. スーパーユーザで,ftsastartコマンドを実行する。

    ftsastartコマンドについては,「6. コマンド」の「ftsastart−運用管理エージェントの起動−」を参照してください。

注意事項
  • このコマンドは運用管理エージェントをバックグラウンドに移すとすぐに戻ります。そのあと,運用管理エージェントのサービス準備ができた時点で開始メッセージを出力します。そのため,コマンドが戻ってからメッセージが出力されるまでに時間差があります。

  • RHEL 7,CentOS 7,Oracle Linux 7,SUSE Linux 12,SUSE Linux 15の場合,自動起動する設定をしないと,ftsastartコマンドでの起動もできません。

自動起動方法(HP-UX,Solaris,RHEL 6,CentOS 6,Oracle Linux 6の場合)

システム開始時に,運用管理エージェントを自動起動するには,次の2つの方法があります。設定後,次のシステム開始時から有効になります。

  • /etc/opt/jp1_fts/startupをテキストエディターなどで開き,注釈(:#)を削除して保存します。

  • /etc/opt/jp1_fts/startup.modelを参考にして,カスタマイズしたシェルを/etc/opt/jp1_fts/startupと置き換えます。

自動起動方法(RHEL 7,CentOS 7,Oracle Linux 7,SUSE Linux 12,SUSE Linux 15の場合)

システム開始時に,運用管理エージェントを自動起動するには,次に示す設定をします。設定後,次のシステム開始時から有効になります。

1. 起動コマンドの作成

環境変数の設定を追加するなど,起動処理をカスタマイズしたい場合は,/etc/opt/jp1_fts/jp1ftpa.startup.modelを参考にして,カスタマイズしたシェルを/etc/opt/jp1_fts/jp1ftpa.startupと置き換えます。変更しない場合は,置き換え不要です。

2. 自動起動の設定

systemctlコマンドを使用して,サービスを有効化します。

# systemctl enable jp1_ftpa.service

/etc/opt/jp1_fts/jp1ftpa.startupを直接実行しないでください。直接実行した場合,OSがサービスの状態を正しく認識できなくなり,システム終了時に運用管理エージェントの自動停止が行われず,次回運用管理エージェント起動時または起動後に問題が発生する可能性があります。

自動起動方法(AIXの場合)

システム開始時に,運用管理エージェントを自動起動するには,次の設定をします。設定後,次のシステム開始時から有効になります。

1. 起動コマンドの作成

次のどちらかの方法で起動コマンドを作成します。

  • /etc/opt/jp1_fts/startupをテキストエディターなどで開き,注釈(:#)を削除して保存します。

  • /etc/opt/jp1_fts/startup.modelを参考にして,カスタマイズしたシェルを/etc/opt/jp1_fts/startupと置き換えます。

2. 自動起動の設定

mkitabコマンドを使用して,自動起動の設定をします。

# mkitab "jp1_fts:2:wait:/etc/opt/jp1_fts/startup"

JP1シリーズを使用する場合は,自動起動の順序が正しく設定されるように,最初にJP1/Baseを設定し,そのあと,JP1シリーズを順次設定します。JP1/IM,JP1/AJS3を使用の場合は,そのあとにJP1/FTPの起動コマンドを登録してください。

JP1/Base,JP1/IM,JP1/AJS3,JP1/FTPの順に自動起動を設定する場合,次のように指定してコマンドを実行します。

# mkitab -i hntr2mon "jp1base:2:wait:/etc/opt/jp1base/jbs_start"
# mkitab -i jp1base "jp1cons:2:wait:/etc/opt/jp1cons/jco_start"
# mkitab -i jp1cons "jp1ajs2:2:wait:/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start"
# mkitab -i jp1ajs2 "jp1_fts:2:wait:/etc/opt/jp1_fts/startup"

設定後,lsitabコマンドを使用して,設定内容を確認してください。

次のように指定してコマンドを実行します。

# lsitab -a
<出力例>
init:2:initdefault:
brc::sysinit:/sbin/rc.boot 3 >/dev/console 2>&1 # Phase 3 of system boot
            :
hntr2mon:2:once:/opt/hitachi/HNTRLib2/etc/D002start
jp1base:2:wait:/etc/opt/jp1base/jbs_start
jp1cons:2:wait:/etc/opt/jp1cons/jco_start
jp1ajs2:2:wait:/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start
jp1_fts:2:wait:/etc/opt/jp1_fts/startup
注意事項

JP1 Version 6またはJP1 Version 7から,バージョンアップまたはリビジョンアップして使用する場合で,すでに自動起動を設定しているときには,/etc/rc.tcpipの次に示す行を削除してください。

test -x /etc/opt/jp1_fts/startup && /etc/opt/jp1_fts/startup

削除後,上記の自動起動を設定してください。

(2) 運用管理エージェントを停止する

  1. スーパーユーザでftsastopコマンドを実行する。

    ftsastopコマンドについては,「6. コマンド」の「ftsastop−運用管理エージェントの停止−」を参照してください。

自動停止方法(HP-UX,Solaris,RHEL 6,CentOS 6,Oracle Linux 6の場合)

インストール後は,システム終了時に運用管理エージェントを自動停止するように設定されます。終了処理をカスタマイズしたい場合は,/etc/opt/jp1_fts/stop.modelを参考にして作成したシェルを/etc/opt/jp1_fts/stopと置き換えてください。

自動停止方法(RHEL 7,CentOS 7,Oracle Linux 7,SUSE Linux 12,SUSE Linux 15の場合)

インストール後は,システム終了時に運用管理エージェントを自動停止するように設定されています。終了処理をカスタマイズしたい場合は,/etc/opt/jp1_fts/jp1ftpa.stop.modelを参考にして作成したシェルを/etc/opt/jp1_fts/jp1ftpa.stopと置き換えてください。

なお,自動停止しない設定には変更できません。自動停止しない設定に変更した場合,ftsastopコマンドでの停止もできなくなります。

/etc/opt/jp1_fts/jp1ftpa.stopを直接実行しないでください。

直接実行した場合,OSがサービスの状態を正しく認識できなくなります。

自動停止方法(AIXの場合)

システム停止時に運用管理エージェントを自動停止する場合には,/etc/rc.shutdownに次の記述を追加してください。なお,JP1/FTPデーモンの自動停止で追加済みの場合は不要です。

記述例
if [ -x /etc/opt/jp1_fts/stop ]
then
    /etc/opt/jp1_fts/stop
fi

/etc/rc.shutdownファイルがない場合は作成してください。その際,/etc/rc.shutdownファイルの属性を次の手順で設定してください。

chmod 550 /etc/rc.shutdown
chown root /etc/rc.shutdown
chgrp shutdown /etc/rc.shutdown

なお,JP1シリーズを使用する場合は,JP1/Base,およびJP1/AJS3の停止処理の前にこの停止処理が動作するようにしてください。

上記以外の独自の終了をしたい場合は,/etc/opt/jp1_fts/stop.modelを参考にして作成したシェルを/etc/opt/jp1_fts/stopと置き換えてください。