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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 - Print Option


3.4.5 複数ユーザー運用の設定

複数ユーザー運用とは,リモートデスクトップ(以下,RDP)接続を使用して,JP1/AJS3 - Print Optionを複数のユーザーが同時に利用するための機能です。

〈この項の構成〉

(1) システムの構成

JP1/AJS3 - Print Optionで複数ユーザー運用を使用するためのシステムの構成を次に示します。

図3‒2 複数ユーザー運用を使用するシステム構成

[図データ]

(2) OSの設定

JP1/AJS3 - Print Optionで複数ユーザー運用を使用するためのOSの設定について説明します。

(a) 前提条件

JP1/AJS3 - Print Optionで複数ユーザー運用は,RDPサーバ環境の利用を前提とします。ここでは,次に示すプラットフォーム環境を,RDPサーバ環境と総称します。

  • Windows Server 2019

  • Windows Server 2016

  • Windows Server 2012

  • Windows Server 2012 R2

「リモートデスクトップサービス」の役割をインストールしなくても,複数ユーザー運用機能は使用可能です。

(b) 注意事項

  • 管理者ユーザーのOSユーザーは,Administrators権限を持つようにしてください。

  • エンドユーザーのOSユーザーは,一般ユーザーを推奨します。

    エンドユーザーが設定の変更をしない運用であれば,Administrators権限を持つユーザーでも利用できます。

  • RDP接続するすべてのOSユーザーについて,異なるドメインであっても,一意となるユーザー名を設定してください。

  • RDP接続するすべてのOSユーザーについて,WindowsでOSユーザー名として使用を禁止されている予約語,無効な文字,およびピリオド/空白で構成されているOSユーザー名は使用しないでください。

    また,次に示すOSユーザー名は使用しないでください。

    • 大文字小文字を問わず,「AJS」で始まるOSユーザー名

    • 大文字小文字を問わず,「HLICLIB」で始まるOSユーザー名

  • OSユーザーごとに,使用するJP1ユーザーを分けてください。

    また,各OSユーザーでJP1/AJS3 - Print Optionを利用できるRDPセッションは1つまでとしてください。

    「リモートデスクトップサービス」の役割をインストールしている場合は,RDPサーバで,[リモートデスクトップセッションホストサーバーの構成]の[設定の編集]領域の[全般]で,[1ユーザーにつき1セッションに制限する]を[はい]にしてください。

(3) JP1/AJS3 - Print Optionの設定

管理者ユーザーを使用して,次に示す手順でJP1/AJS3 - Print Optionを設定します。

  1. 使用するメモリー所要量を見積もります。

    JP1/AJS3 - Print Optionの1プロセスが使用するメモリー所要量を見積もり,JP1/AJS3 - Print Optionを使用するユーザー数を掛けた値が必要です。

  2. JP1/AJS3 - Print Optionで複数ユーザー運用を使用できるように設定します。

    (インストール先フォルダ)\jprpo.iniファイルをテキストエディターなどで開き,次のように記述します。

    [common]
    MULTI_USERS=Y

    jprpo.iniファイルがない場合は,jprpo.ini.modelファイルをコピーして,ファイル名をjprpo.iniに変更します。

    注意事項

    エンドユーザーがjprpo.iniファイルの設定を変更できないように,jprpo.iniファイルはエンドユーザーのアクセス権限を参照だけに設定することを推奨します。

  3. 複数ユーザーで書式定義ファイルを使用できるように設定します。

    デフォルトの書式定義フォルダ※1下に.modelの拡張子を持つファイル(以降,標準ファイルと略します)※2が格納されていることを確認してください。

  4. JP1/AJS3 - Print Optionを再起動します。※3

注※1

%allusersprofile%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2PO¥Format

注※2

手順4を実行時に,デフォルトの書式定義フォルダ下に格納されている標準ファイルを元に複数ユーザーの書式定義ファイルのサンプルを作成します。

複数ユーザーの書式定義ファイルのサンプルの作成先は次のとおりです(以降,複数ユーザー書式定義フォルダと略します)。

%allusersprofile%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2PO\Users\(OSユーザー名)\Format

標準ファイルを手動で配置する場合:

日本語の書式定義ファイルのサンプルを利用したいときは,%allusersprofile%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2POフォルダのjapanese_sample_set.exe(例 ジョブ.jof.model)に,英語の書式定義ファイルのサンプルを利用したいときは,english_sample_set.exe(例 job.jof.model)にそれぞれの言語の標準ファイルが存在しますので解凍してご利用ください。

注※3

デフォルトの書式定義フォルダに標準ファイルが存在しない状態で手順4を実行すると,複数ユーザー書式定義フォルダに書式定義ファイルが作成されないため,複数ユーザーがJP1/AJS3 - Print Optionを起動したときに書式定義がないエラー(KAVR2000-E)になります。

この場合,作成された複数ユーザー書式定義フォルダに任意の書式定義ファイルを手動で配置して,JP1/AJS3 - Print Optionを再起動してください。

書式定義ファイルの格納先,日本語または英語の書式定義ファイルの設定方法については,「付録D.1 JP1/AJS3 - Print Optionの製品ファイル情報」を参照してください。

メモ

jprpo.iniファイルのパラメーターMULTI_USERSには次の値を設定できます。

MULTI_USERS=Y

複数ユーザー運用を使用します。

MULTI_USERS=N

複数ユーザー運用を使用しません(デフォルト)。