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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 連携ガイド


11.5.1 エージェントホスト停止時に影響のあるルートジョブネットを確認する

この項では,エージェントホスト停止時に影響のあるルートジョブネットを確認する提案テンプレートについて説明します。

この提案テンプレートの対処アクションを実行すると,JP1/AJS3 - Agentがインストールされているエージェントホストが停止した場合に,影響のあるルートジョブネットを表示するJP1/IM2の画面に自動的に移動します。エージェントホストが停止した場合,JP1/IM2でジョブ実行の影響範囲をすばやく特定することで,実行予定のジョブに対処できます。これによって,影響の拡大を防止できます。

注意事項
  • JP1/IM2にログインしたJP1ユーザーがルートジョブネットの参照権限を持たない場合,JP1/AJS3 - Agentの関連ノードタブで,影響のあるルートジョブネットの詳細情報を確認できません。この提案テンプレートを使用する場合,JP1/IM2で対処アクションを実行するJP1ユーザーがルートジョブネットを参照できるようにJP1資源グループを設定してください。

  • この提案テンプレートは,JP1/AJS3 - Agentがインストールされているエージェントホストが停止した場合を想定して使用してください。JP1/AJS3 - Managerがインストールされているマネージャーホストの停止には,この提案テンプレートは適用できません。

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

エージェントホスト停止時に影響のあるルートジョブネットを確認する提案テンプレートを使用する場合は,次の前提条件を満たしていることを確認してください。

  1. JP1/AJS3 - Managerのバージョンが12-10以降であること。

  2. JP1/AJS3 - AgentがインストールされているホストをJP1/PFMのヘルスチェック機能を使用して監視していること。

  3. JP1/IM2およびJP1/PFM - Managerのバージョンが12-50以降であること。

  4. JP1/IM2がJP1/AJS3およびJP1/PFMからシステム構成情報を取得できていること。

JP1/IM2とJP1/AJS3が連携するための設定については,「11.3 JP1/IM2連携時のセットアップ」を参照してください。

また,JP1/IM2とJP1/PFMが連携するための設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」を参照してください。JP1/PFMのヘルスチェック機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」を参照してください。

(2) 提案テンプレート

提案テンプレートのファイル名称,概要および記述例を次に示します。

ファイル名称
JP1/IM2が日本語版の場合

imdd_suggestion_ajs_check_failed_agent_jobnet_ja.conf

JP1/IM2が英語版の場合

imdd_suggestion_ajs_check_failed_agent_jobnet_en.conf

提案テンプレートの格納先については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 運用ガイド」を参照してください。

概要

この提案テンプレートの概要を次の表に示します。

項番

項目

概要

1

提案情報を表示するノード

Management ApplicationsカテゴリのJP1/PFM監視エージェントを示すノード

2

提案情報を表示するJP1権限

JP1_AJS_User以上かつJP1_PFM_Operator以上

3

提案活性条件

  • 停止したホストをジョブの実行先として使用している

  • JP1/PFMがホスト停止を検知していて,JP1/IM2上では未対処になっている

  • JP1/PFMから停止したホストの情報が取得できている

  • 条件判定時点において対象ホストがホスト停止状態から復旧していない

4

対処アクション

JP1/AJS3 - Agentノードに移動し,関連ノードタブで停止したホストとルートジョブネットの関連を表示する

この提案テンプレートの提案活性条件「JP1/PFMがホスト停止を検知していて,JP1/IM2上では未対処になっている」では,JP1/PFMの発行するJP1イベントが次に示す条件の重要イベントとしてJP1/IM2に登録されているかを判定します。

項番

JP1イベントの属性

1

イベントID

4860

2

メッセージ

文字列(hcsstatus=Host Not Available)が含まれる

3

重大度

エラー

4

対処状況

未対処

注意事項
  • JP1/IM2でJP1イベントの重大度や重要イベント定義を変更している場合

    JP1/IM2の次の機能を使用しているときは,エージェントホストが停止した際にこの提案テンプレートによる対処アクションが提案されません。

    ・重大度変更機能

    ・重要イベント定義機能

    ・重要イベント解除機能

    ・重要イベント削除機能

    提案テンプレートの提案活性条件「JP1/PFMがホスト停止を検知していて,JP1/IM2上では未対処となっている」を,監視しているJP1イベントの重大度や重要イベント定義に合わせてカスタマイズしてください。

  • JP1/PFMで発行するJP1イベントの重大度を変更している場合

    ヘルスチェックの状態が「Host Not Available」のときに発行するJP1イベントの重大度を,デフォルト(エラー)から変更している場合,エージェントホストが停止した際にこの提案テンプレートによる対処アクションが提案されません。提案テンプレートの提案活性条件「JP1/PFMがホスト停止を検知していて,JP1/IM2上では未対処となっている」を,監視しているJP1イベントの重大度に合わせてカスタマイズしてください。

記述例
{
  "meta":{ 
    "version":"1" 
  },
  "suggestions":[
    {
      "suggestionId":"jp1_ajs_check_failed_agent_jobnet",
      "label":"影響のあるルートジョブネットを確認する",
      "node":"_CATEGORY_m.*_OBJECT_JP1PFM-A([^1478]|[1478].*%5B([^%]*%5D|(.|..|[^A]..|.[^l].|..[^l]|.{4,})%40))",
      "permissions":[
        ["JP1_PFM_Admin","JP1_AJS_Guest"],
        ["JP1_PFM_Admin","JP1_AJS_Operator"],
        ["JP1_PFM_Admin","JP1_AJS_Editor"],
        ["JP1_PFM_Admin","JP1_AJS_Manager"],
        ["JP1_PFM_Admin","JP1_AJS_Admin"],
        ["JP1_PFM_Operator","JP1_AJS_Guest"],
        ["JP1_PFM_Operator","JP1_AJS_Operator"],
        ["JP1_PFM_Operator","JP1_AJS_Editor"],
        ["JP1_PFM_Operator","JP1_AJS_Manager"],
        ["JP1_PFM_Operator","JP1_AJS_Admin"]
      ],
      "cases":[
        [
          {
            "type":"struct",
            "key":{
              "idType":"target",
              "sid":"${../../_OBJECT_JP1AJSAGT/<managerAgent:target:sid:}"
            },
            "ope":"EXIST",
            "val":true,
            "description":"停止したホストをジョブの実行先として使用している"
          },
          {
            "type":"event",
            "key":{
              "statusFilter":[30],
              "sid":"${.:tree:sid:}",
              "B.ID":["00004860"],
              "REGEX_B.MESSAGE":"KAVL15022-E.*hcsstatus=Host Not Available",
              "E.@JP1IM_DEALT":[0]
            },
            "ope":"EXIST",
            "val":true,
            "description":"JP1/PFMがホスト停止を検知していて,JP1/IM2上では未対処となっている"
          },
          {
            "type":"plugin",
            "key":{
              "sid":"${.:tree:sid:}",
              "method":"jp1pfmSuggestionGetAgentAllInformation",
              "args":{}
            },
            "ope":"NOTIN",
            "val":"",
            "description":"JP1/PFMから停止したホストの情報が取得できている"
          },
          {
            "type":"plugin",
            "key":{
              "sid":"${.:tree:sid:}",
              "method":"jp1pfmSuggestionGetAgentInformation",
              "args":{
                "allInformation":"${:plugin[1]::}",
                "member":"healthDetail"
              }
            },
            "ope":"IN",
            "val":"Host Not Available",
            "description":"条件判定時点において対象ホストがホスト停止状態から復旧していない"
          }
        ]
      ],
      "action":{
        "type":"jump",
        "params":{
          "url":"index?tab=relation&sid=${../../..:tree:sid:URLENC}%2F%5FCATEGORY%5FmanagementApplications%2F%5FOBJECT%5FJP1AJSAGT&view=tree&eou=1"
        },
        "description":"JP1/AJS3 - Agentノードに移動し,関連ノードタブで停止したホストとルートジョブネットの関連を表示する"
      }
    }
  ]
}

提案テンプレートの各項目の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の提案定義ファイルについての記載を参照してください。

(3) 適用する手順

提案テンプレートをJP1/IM2に適用する手順を次に示します。

  1. JP1/IM2マネージャーホストで,提案テンプレートをJP1/IM2マネージャーホスト上の任意のフォルダにコピーする。

  2. JP1/IM2マネージャーホストでjddupdatesuggestionコマンドを使用し,引数で提案テンプレートをコピーしたフォルダのパスを指定する。

(4) カスタマイズする手順

この提案テンプレートでは,エージェントホスト停止の監視をJP1/PFM以外の監視製品に置き換えできます。ただし,エージェントホスト停止を監視する仕様は,置き換えた監視製品の仕様に従います。エージェントホスト停止の監視をJP1/PFM以外の監視製品に置き換える場合は,提案テンプレートの次の項目を使用する監視製品に合わせて変更します。

また,変更した提案情報を表示するノードを起点とした相対パスになるように,次に示す変数を変更します。

項番

項目

説明

変数

1

接続先JP1/AJS3 - Managerノード

停止したホストのJP1/AJS3 - AgentノードとmanagerAgent関連でつながっているJP1/AJS3 - Managerノードを示します。提案情報を表示するノードからの相対パスで指定します。

${../../_OBJECT_JP1AJSAGT/<managerAgent:target:sid:}

2

停止したホストのオブジェクトルート

停止したホストのオブジェクトルートを示すノードを示します。提案情報を表示するノードからの相対パスで指定します。

${../../..:tree:sid:URLENC}

提案テンプレートをカスタマイズする手順を次に示します。

  1. JP1/IM2マネージャーホストで,提案テンプレートをJP1/IM2マネージャーホスト上の任意のフォルダにコピーする。

  2. コピーした提案テンプレートの名称を変更する。

    コピーした提案テンプレートの名称を「imdd_suggestion_任意のファイル名.conf」に変更します。

  3. コピーした提案テンプレートをテキストエディターで開き,カスタマイズする項目を編集する。

  4. JP1/IM2マネージャーホストでjddupdatesuggestionコマンドを使用し,引数で提案テンプレートをコピーしたフォルダのパスを指定する。

注意事項

提案テンプレートは,BOMのないUTF-8形式で保存してください。