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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス


jpqagtalt

〈このページの構成〉

形式

jpqagtalt
     [-mh マネージャーホスト名]
     -ah エージェントホスト名
     -cp 時刻-時刻=ジョブ実行多重度...
     [-em]

機能

マネージャーホストに登録されているエージェントホストの,同時に実行できるジョブ数(ジョブ実行多重度)を変更します。

実行権限

次に示すJP1権限レベルを与えられたユーザー

ただし,-emオプションを指定する場合は次の権限が必要です(JP1_JPQ_Admin権限は必要ありません)。

引数

-mh マネージャーホスト名

ジョブ実行多重度を変更したいエージェントホストが登録されているマネージャーホスト名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

省略した場合,自ホスト名が仮定されます。

-emオプションと同時に指定する場合,指定できるホスト名は,自ホスト名または自ホスト上の論理ホスト名だけです。それ以外の値が指定された場合はエラー(エラーコード25)となります。また,-mhオプションにエイリアスホスト名を指定することはできません。

-ah エージェントホスト名

ジョブ実行多重度を変更したいエージェントホスト名を指定します。

指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。

-cp 時刻-時刻=ジョブ実行多重度

ジョブ実行多重度を変更する期間と,その期間のジョブ実行多重度を指定します。

ジョブ実行多重度を指定すると,このエージェントホストで同時に実行できるジョブ数を制限できます。このコマンドで同時実行数が制限されるジョブは,QUEUEジョブおよびサブミットジョブです。同時に実行しようとしたジョブ数が実行多重度に達した場合,実行多重度を超えた分のジョブは,実行中のジョブが終了するまでキューイング(実行待ち)の状態になります。

期間は,時刻と時刻とを「-(ハイフン)」でつないで指定します。時刻は30分単位で「hh:mm」の形式で指定します。

hhに指定できる値は,0または00〜23(単位:時)です。

mmに指定できる値は,0,00,または30(単位:分)です。

実行多重度に指定できる値は,0〜4,294,967,295です。

コマンド投入時刻を含む期間を指定した場合,実行多重度はすぐに変更されます。

期間と実行多重度は複数指定できます。ただし,期間を重複して指定した場合は,あとで指定した値が反映されます(例えば,「-cp 1:00-2:30=5 2:00-4:00=10」と指定した場合,重複している2:00〜2:30の実行多重度は10です)。

後述の「補足事項」に,ジョブ実行多重度の指定例が記載されています。必要に応じて参照してください。

-em

緊急実行時に指定します。

このオプションを指定すると,通常とは異なる通信経路に対して要求するため,障害時などに緊急で実行できるようになります。

このオプションを指定する場合,マネージャーホスト名にIPアドレスは指定できません。

注意事項

  1. このコマンドは,JP1/AJS3からJP1/NQSEXECおよびJP1/OJE for VOS3への要求には使用できません。

  2. このコマンドで指定するジョブ実行多重度には,イベントジョブの実行多重度は含まれません。

  3. ジョブ実行多重度を指定しなかった期間には,実行多重度0が仮定されます(例えば,「-cp 10:00-22:00=10」だけ指定した場合,00:00〜10:00の実行多重度は0,10:00〜22:00の実行多重度は10,22:00〜00:00の実行多重度は0になります)。

  4. -emオプションは,エージェントホストの障害から復旧する目的でだけ指定してください。常に-emオプションを指定して運用する場合,障害発生時に対応できなくなるおそれがあります。

  5. 標準入力ファイル,標準出力ファイル,標準エラー出力ファイル,または転送ファイルに含まれるデータ中に使用できる文字については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.4.2(7)(a) 使用できる文字の範囲」を参照してください。

戻り値

0

正常終了。

1

引数の指定が不適切である。

2

jpqagtaltコマンドを実行したホストの内部的要因で,ジョブ実行多重度の変更に失敗した。

5

初期化に失敗した。

  • 論理ホスト名の定義または環境設定に誤りがある。

6

jpqagtaltコマンドを実行したホストでメモリー不足が発生した。

7

jpqagtaltコマンドを実行したホストで論理不正が発生した。

25

マネージャーホスト名の指定に自ホスト名および論理ホスト名以外を指定した。

100

TCP/IP通信でjpqagtaltコマンドを実行したホストからマネージャーホストに接続できない。

  • TCP/IPが正しく設定されていないため,jpqagtaltコマンドを実行したホストからマネージャーホストに接続できない。

  • マネージャーホスト名に誤りがある。または,マネージャーホストがプロセス停止状態である。

102

jpqagtaltコマンドを実行したホストでマネージャーホスト名のIPアドレスの解決に失敗した。

200

マネージャーホストがジョブ実行多重度の変更を受け付けない。

  • マネージャーホストが運用開始処理中,運用停止処理中,運用停止中,または縮退運転中である。

201

指定したエージェントホストが使用できない。

  • 指定したエージェントホストがない。

202

マネージャーホストから応答がない。

203

マネージャーホストの内部的要因で,ジョブ実行多重度の変更に失敗した。

206

ジョブ実行多重度を変更する権限がない。

219

マネージャーホストがビジー状態である。

220

マネージャーホストでメモリー不足が発生した。

222

致命的なエラーが発生した。

  • システムコールでエラーが発生した。

223

マネージャーホストで論理不正が発生した。

224

JP1/AJS3以外のホストに要求した。

226

実行環境が不適切である。

補足事項

ジョブ実行多重度の指定例を次に示します。