ajsembdboplog
形式
ajsembdboplog [-s|-r|-t| -g システムログファイルグループ名 -o 出力先ファイル名 [-f]|-w] [-id 組み込みDBセットアップ識別子]
形式1(自動ログアンロード機能の状態監視)
ajsembdboplog -s [-id 組み込みDBセットアップ識別子]
形式2(自動ログアンロード機能の再開始)
ajsembdboplog -r [-id 組み込みDBセットアップ識別子]
形式3(自動ログアンロード機能の停止)
ajsembdboplog -t [-id 組み込みDBセットアップ識別子]
形式4(システムログファイルのアンロード)
ajsembdboplog -g システムログファイルグループ名 -o 出力先ファイル名 [-f] [-id 組み込みDBセットアップ識別子]
形式5(システムログファイルのスワップ)
ajsembdboplog -w [-id 組み込みDBセットアップ識別子]
機能
システムログについて次に示す操作ができます。
-
自動ログアンロード機能を制御します。
-
指定したシステムログファイルグループを出力先のファイルへアンロードし,システムログファイルグループをアンロード済みにします。
-
システムログファイル(グループ)をスワップします(現用(出力先)を切り替えます)。
このコマンドは,-s,-r,-t,-wオプションを指定する場合は,組み込みDB稼働中だけ実行できます。その他の場合は,組み込みDBの稼働状態に関係なく実行できます。
また,JP1/AJS3の稼働状態には関係なく実行できます。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
JP1/AJS3 - Managerインストール先フォルダ\tools\
- UNIXの場合
-
/opt/jp1ajs2/tools/
引数
-g システムログファイルグループ名
アンロードするシステムログファイルのグループ名を指定します。
システムログファイルグループ名は,ajsembdbstatusコマンドの-lオプション指定を実行して確認してください。
-o 出力先ファイル名
出力先のアンロードログファイルの名称を指定します。
ファイル名称は,絶対パスで指定してください。指定するディレクトリに空白文字を含む場合は,パスを「""」で囲んでください。
ネットワークドライブ上のディスクを指定しないでください。
アンロードログ出力ファイルを格納するディレクトリは,ajsembdbbuildコマンドで指定した規模によって容量が異なります。また,システムログ自動増分機能を使用している場合は,下記サイズに拡張したサイズを追加した値の容量が必要になります。
ajsembdbbuildのオプション |
必要な空き容量 |
---|---|
-l(大規模モデル) |
約1,200メガバイト |
-m(中規模モデル) |
約230メガバイト |
-s(小規模モデル) |
約30メガバイト |
jajs_setupコマンド,jajs_setup_clusterコマンドで構築された組み込みDB環境では,-s(小規模モデル)にシステムログ自動増分を適用して構築されています。
jajs_migrateコマンドで構築された組み込みDB環境では,jajs_migrateコマンドの-sオプションで指定した規模にシステムログ自動増分を適用して構築されています。jajs_migrateコマンドの-sオプションを省略した場合,s(小規模モデル)が仮定されます。
なお,アンロードするシステムログファイルがajsembdbaddlogコマンドで新たに追加したシステムログファイルの場合,ajsembdbaddlogコマンドの-sオプションで指定したサイズ分の空き容量が必要になります。また,システムログ自動増分機能を使用している場合は,上記サイズに拡張したサイズを追加した値の容量が必要になります。
システムログファイルのアンロードを実施するたびに,上記の容量が必要となります。
-f
システムログファイルを強制的にアンロードする場合に指定します。このオプションを指定した場合,現用のシステムログファイルグループまたはアンロード済みのシステムログファイルグループでもアンロードできます。ただし,システムログファイルグループの状態は変更されません。
このオプションは,組み込みDBでアンロードログファイルとバックアップを使用して運用している場合に使用します。組み込みDBで障害が発生した場合,障害発生直前のアンロードログが出力されていない場合があります。このような場合には,このオプションを指定してアンロードログファイルを取得してください。ただし,組み込みDBのシステムログファイルに問題が発生している場合にはコマンドがエラーとなり,アンロードログファイルが取得できない場合があるので注意が必要です。
-s
自動ログアンロード機能の動作状態を表示する場合に指定します。
-r
自動ログアンロード機能を再開始する場合に指定します。
再開始直後のアンロードログファイル作成ディレクトリは,前回動作時の情報が引き継がれます。
すでに自動ログアンロード機能が開始されている場合はエラーとなります。
-t
自動ログアンロード機能を停止する場合に指定します。
アンロード処理途中のシステムログファイルがある場合,そのアンロード処理は中断されます。このときに出力されたアンロードログファイルは不完全な状態になるため,回復には使用できません。
すでに自動ログアンロード機能が停止中である場合はエラーとなります。
-w
システムログファイルをスワップ(現用(出力先)を切り替える)場合に指定します。
-id 組み込みDBセットアップ識別子
組み込みDBを識別するセットアップ識別子を「_JFn」(nは0〜9またはA〜Z)の4文字で指定します。ajsembdbbuildコマンドの-idオプションで指定した値を指定してください。
jajs_setupコマンド,jajs_setup_clusterコマンド,およびjajs_migrateコマンドで作成された組み込みDBに対して操作を行う場合,ajsembdbidlistコマンドで操作対象となる組み込みDBのセットアップ識別子を確認してください。ajsembdbidlistコマンドについては,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
このオプションを省略した場合は,_JF0が仮定されます。
注意事項
-
このコマンドはスクリプトで実装されています。このため,オプションに不当に長い文字列や不正な文字列や値を指定すると,予期しないエラーが発生することがあります。オプション指定値は,DBMSおよびJP1/AJS3で規定されている範囲内の文字列または数値を指定してください。
-
ajsembdboplogコマンドに-rまたは-tオプションを指定して実行する場合,組み込みDBで自動ログアンロード機能を有効にしておく必要があります。自動ログアンロード機能が有効でない環境でajsembdboplogに-rまたは-tオプションを指定して実行した場合,エラーとなります。
-
アンロードログファイルとバックアップを使用した運用中に自動ログアンロード機能を停止すると,バックアップとアンロードログファイルから回復するときに,自動ログアンロード機能を停止するまでに出力されたアンロードログファイルまでの回復しかできません。自動ログアンロード機能を停止した場合は,自動ログアンロード機能を再開始したときにバックアップを取得し直す必要があります。
-
アンロードログファイルとバックアップを使用した運用中に自動ログアンロード機能を停止すると,以降の組み込みDBのシステムログファイルグループがアンロード待ち状態になります。
この状態のまま運用を続けると,すべてのシステムログファイルグループがアンロード待ち状態になり,組み込みDBの運用ができなくなります。
このような状態を回避するために自動ログアンロード機能を停止した場合は,定期的にajsembdbstatusコマンドの-lオプション指定を実行してシステムログファイルグループの状態を確認し,ajsembdboplogコマンドの-gオプション指定を実行してシステムログファイルグループをアンロードする必要があります。
-
このコマンドを同時に複数実行しないでください。同時に複数実行した場合,次に示す現象が起こるおそれがあります。
-
不当なメッセージを出力したり,本来出力するはずのメッセージを出力しなかったりするなど,メッセージ出力が不正になる。
-
このコマンドが,不当にエラーになる。
-
戻り値
0 |
正常終了。 |
0以外の値 |
異常終了。 |
エラー時の対処
コマンドエラー発生時は,次に示す表に従って対処してください。
メッセージID |
現象 |
対処方法 |
---|---|---|
KAVS0996-E |
指定したオプションに誤りがあります。 |
オプションの指定内容を見直してください。 |
KAVS2101-E |
組み込みDBは停止中です。 |
組み込みDBを起動してから再実行してください。 |
KAVS2102-E |
組み込みDBは起動・停止処理中です。 |
組み込みDBの起動をajsembdbstatusコマンドの-s ustオプション指定で確認してから再実行してください。 |
KAVS2104-E |
組み込みDBがセットアップされていません。 |
組み込みDBをセットアップしてから再実行してください。 |
KAVS2105-E |
指定したシステムログファイルグループは存在しません。 |
システムログファイルグループ名を確認して再実行してください。 |
KAVS2106-E |
アンロードに失敗しました。 |
指定したシステムログファイルグループがアンロードできる状態であるかをajsembdbstatusコマンドの-lオプション指定で確認してください。アンロードできる状態である場合は,しばらく待ってから再実行してください。 |
KAVS2116-E |
指定したオプションに誤りがあります。 |
メッセージに出力されているオプションを見直して再実行してください。 |
KAVS2117-E |
コマンド実行時にエラーが発生しました。 |
保守情報に出力されているメッセージを参照してください。 |
出力例
自動ログアンロード機能の動作状態を確認する場合の出力例を次に示します。
ajsembdboplog -s -id _JF0 HOSTNAME : 127.0.0.1 (180252) SERVER_NAME:ajs2 AUTO_LOG_UNLOAD NOW_UNLOAD_LOG_GROUP CREATE_DIR ACTIVE **** K:/logback CURRENT LOG GENERATION INFO. LOG_GROUP GEN_NO. SERVER_RUN_ID RUN_ID UNLOAD_FILE_NAME log1 1 43c4ad0d 43c4acf3 ajs2_43c4ad0d0001_log1
- HOSTNAME
-
「127.0.0.1」が表示されます。
( )内は,ajsembdbstatusコマンドを実行した時刻が時分秒(HHMMSS)で出力されます。
- 注意事項
-
次のどれかに該当する場合は,組み込みDBインストール先ディレクトリのホスト名が32文字以内で出力されます。クラスタ構成の場合は,初めに実行系に設定したホスト名が出力されます。
-
バージョンが09-50以前のWindows版JP1/AJS3 - Managerを使用していて,かつ論理ホストで組み込みDBを構築した場合
-
バージョンが09-50以前のUNIX版JP1/AJS3 - Managerを使用している場合
-
バージョンが09-50以前のJP1/AJS3 - Managerを10-00以降にバージョンアップインストールしていて,かつIPv6で通信するためのセットアップをしていない場合
-
- SERVER_NAME
-
組み込みDBの識別子が4文字で出力されます。JP1/AJS3では,「ajs2」固定です。
- AUTO_LOG_UNLOAD
-
自動ログアンロード機能の動作状態が出力されます。
ACTIVE:動作中
STOP:停止中
−:自動ログアンロード機能を使用できない状態
- NOW_UNLOAD_LOG_GROUP
-
現在アンロード中のシステムログファイルのログファイルグループ名が出力されます。
アンロード中のシステムログファイルがない場合は「****」が出力されます。
- CREATE_DIR
-
使用中のアンロードログファイル作成ディレクトリ名が出力されます。
- LOG_GROUP
-
現用世代のシステムログファイルのログファイルグループ名が出力されます。
- Gen No.
-
ログの世代番号が8けた以内の16進数で出力されます。
- SERVER_RUN_ID
-
システムで使用する情報が出力されます。
- RUN_ID
-
システムで使用する情報が出力されます。
- UNLOAD_FILE_NAME
-
現用世代が自動ログアンロードされたときの作成ファイル名称が出力されます。