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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング


2.2 ジョブ実行環境のトラブルへの対処

ジョブ実行環境に関するトラブルの対処方法について説明します。

既存のエージェントホストで障害が発生した,または構成定義を変更できるエージェントホストが遠隔地にある場合は,次のように対処してください。

ajsagtaddコマンドで,新しい実行エージェントを作成してください。QUEUEジョブ,サブミットジョブを使用する場合は,jpqimportコマンドでQUEUEジョブ,サブミットジョブの実行環境の構成を定義して,jpqagtaddコマンドやjpqqueopenコマンドなどで,新しいエージェントを使用できるようにしてください。

また,セットアップ時に,環境設定パラメーターAutoCreateに「1」を設定した場合,ジョブのサブミット時に代替の実行エージェントまたはエージェントが自動的に追加され,追加された実行エージェントまたはエージェントでジョブを実行することもできます。

エージェントの自動定義の設定は,エージェントホストの障害などの緊急時を事前に想定して,システム管理者がセットアップ時に実施してください。エージェントの自動定義の設定を有効にしてジョブを実行するときは,JP1_JPQ_User権限だけでなく,JP1_JPQ_Admin権限を持つJP1ユーザーで実施してください。また,次の場合にエラーが発生するおそれがあるので,事前に確認してください。

次に示す手順に従ってエージェントの自動定義を設定し,ジョブを実行してください。

  1. 環境設定パラメーターAutoCreateを設定する。

    環境設定パラメーターAutoCreateを,次のように設定します。

    "AutoCreate"=dword:1

    エージェントホストに障害が発生した場合に,次の手順を実施してください。

  2. ジョブを実行する。

    JP1/AJS3 - Viewの場合(Windowsの場合)

    ジョブの[詳細定義]ダイアログボックスの[実行エージェント]に自動定義したいエージェントホスト名を指定したあと,実行登録します。

    jpqjobsubコマンドの場合

    -ahオプションに,自動定義したいエージェントホスト名を指定してコマンドを実行します。

注意事項
  • 実行エージェントはジョブの実行登録時に追加されます。そのため,ジョブの実行開始に失敗した場合でも,実行エージェントは追加された状態になっています。削除したい場合は,ajsagtdelコマンドで削除してください。

  • エージェントはジョブのサブミット時に追加されます。そのため,ジョブの実行開始に失敗した場合でも,エージェントは追加された状態になっています。削除したい場合は,jpqagtdelコマンドで削除してください。

  • JP1/AJS3の運用中にエージェントの自動定義の設定を有効にした場合,JP1/AJS3を再起動する必要があります。

補足事項

自動的に追加された実行エージェントの設定値またはエージェントのデフォルトキューの設定値は,セットアップ時のデフォルトと同じ値です。設定値のデフォルトを次の表に示します。

表2‒1 追加された実行エージェントの設定項目とデフォルト

実行エージェントの設定項目

設定値のデフォルト

実行ホスト名

実行エージェント名と同じ

ジョブ実行多重度

00:00-00:00=5(終日,ジョブ実行多重度は5)

ジョブの配信状態

有効

説明文

なし

実行エージェントの設定値は,ajsagtaltコマンドで変更できます。

コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsagtalt」を参照してください。

表2‒2 追加されたエージェントおよびエージェントのデフォルトキューの設定項目とデフォルト

デフォルトキューの設定項目

設定値のデフォルト

ジョブ実行多重度を変更する期間と実行多重度

00:00-00:00=5(終日,ジョブ実行多重度は5)

ジョブ数の最大値

100

ジョブ数の警告値

80

ジョブの受付口の状態

open

ジョブの取出口の状態

open

接続するエージェント

自エージェントホスト

エージェントの優先順位

1

追加されたエージェントおよびエージェントのデフォルトキューの設定値は,次のコマンドで変更できます。

  • jpqagtalt

  • jpqquealt

  • jpqqueopen

  • jpqqueclose

  • jpqagtlink

  • jpqagtunlink

コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 4. 特別な運用で使用するコマンド」を参照してください。