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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


11.1.1 ディザスター・リカバリーの仕組み

JP1/AJS3が対応するディザスター・リカバリーの仕組みについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) メインサイトでの運用および共有ディスク間のコピーの開始

ディザスター・リカバリー環境の構築が完了したら,メインサイト側での運用およびリモートサイトへのコピーを開始してください。

メインサイト側での運用中は,リモートサイト側の論理ホスト(ディザスター・リカバリー運用対象)のJP1/AJS3サービスの起動が抑止されます。

図11‒2 メインサイトでの運用および共有ディスク間のコピーの開始

[図データ]

補足事項

メインサイト側で運用中の場合,リモートサイト側のディザスター・リカバリー運用対象の論理ホストはJP1/AJS3サービスが起動抑止状態のため,JP1/AJS3 - Viewなどで接続することはできません。

(2) 大規模災害などによるメインサイトの停止

大規模災害の発生などでメインサイト側のシステムが停止した場合は,リモートサイト側のハードウェア操作によって共有ディスク間のコピーを停止し,リモートボリュームを書き込みできる状態に変更します。

図11‒3 大規模災害などによるメインサイトの停止

[図データ]

(3) リモートサイトへの運用切り替え

リモートサイト側の論理ホストをメインサイトとする運用に切り替えます。運用切り替えが完了すると,リモートサイト側のJP1/AJS3サービスの起動抑止状態が解除されます。リモートサイト側のJP1/AJS3サービスをディザスターリカバリースタートし,業務を再開します。

図11‒4 リモートサイトへの運用切り替え

[図データ]

(4) メインサイトの再構築

被災したメインサイト側のシステムを再構築します。メインサイト側のシステムの再構築が完了したら,リモートサイト側からメインサイト側へ逆転のコピーを開始してください。

図11‒5 メインサイトの再構築

[図データ]

補足事項

メインサイトのシステムが復旧するまでの期間は,通常のJP1/AJS3のバックアップ方法で運用しているリモートサイト側のシステムをバックアップしてください。

(5) メインサイトへの運用切り戻し

リモートサイト側のJP1/AJS3サービスを停止し,ジョブが実行されていないことを確認します。ジョブが実行されていないことが確認できたら,リモートサイト側からメインサイト側へ逆転のコピーを停止します。ハードウェア操作によってメインボリュームが書き込みできる状態に変更し,メインサイト側の論理ホストをメインサイトとする運用に切り替えます(運用切り戻し)。運用切り戻しが完了すると,メインサイト側のJP1/AJS3サービスの起動抑止状態が解除されます(リモートサイト側のJP1/AJS3サービスが起動抑止状態になります)。メインサイト側からリモートサイト側へのリモートコピーを開始し,メインサイト側のJP1/AJS3サービスを起動して業務を再開します。運用切り戻し直後の初回JP1/AJS3サービス起動時は,ディザスターリカバリースタートでサービスが起動します。

図11‒6 メインサイトへの運用切り戻し

[図データ]