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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド


8.2.1 JP1/AJS3のサービスが停止してもイベントジョブの実行を継続させる

エージェントホストのJP1/AJS3のサービスを停止した場合,またはマネージャーホストのJP1/AJS3のサービスを停止した場合,停止時に「実行中」だったジョブは「異常検出終了」状態となり,ジョブネットが中断します。ただし,イベントジョブについては,イベントジョブ実行継続オプションを使用することで,サービス停止時に「実行中」だったイベントジョブの状態をそのまま引き継ぎ,再起動後も継続してイベントジョブを実行させることができます。

なお,電源ダウンやプロセス強制終了などによるフェールオーバーの場合は,イベントジョブ実行継続オプションを使用しなくても,サービス停止時に「実行中」だったイベントジョブの状態をサービス再起動後も引き継ぎます。

イベントジョブ実行継続オプションを使用する場合の設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.3.6 JP1/AJS3のサービスが停止してもイベントジョブの実行を継続させる設定」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.3.6 JP1/AJS3のサービスが停止してもイベントジョブの実行を継続させる設定」(UNIXの場合)を参照してください。

ここでは,イベントジョブ実行継続オプションを使用する場合としない場合の動作について説明します。

〈この項の構成〉

(1) マネージャー・エージェント構成の場合

マネージャー・エージェント構成で,エージェントホストのメンテナンスのためにエージェントホストのJP1/AJS3のサービスを12:00から12:30まで停止する場合を例に,イベントジョブ実行継続オプションを使用する場合としない場合の動作を次に示します。ジョブネットは8:00に開始し,17:00に終了するというスケジュールで運用しているものとします。

図8‒1 イベントジョブ実行継続オプションを使用する場合としない場合の動作

[図データ]

イベントジョブ実行継続オプションを使用しない場合,エージェントホストのJP1/AJS3のサービスを停止すると,マネージャーホストにエージェントが停止した旨が通知されます。この場合,サービス停止時に「実行中」だったイベントジョブの状態は「異常検出終了」となり,ジョブネットが終了します。

一方,イベントジョブ実行継続オプションを使用した場合,エージェントホストのJP1/AJS3のサービスを停止しても,サービス停止時に「実行中」だったイベントジョブの状態は「実行中」となります。サービス再起動後も「実行中」の状態をそのまま引き継ぎ,イベントジョブの実行を継続します。ただし,次の図に示すようにJP1/AJS3のサービスを停止した時点から,フェールオーバーしてJP1/AJS3のサービスが起動し,イベント監視が開始されるまでの期間にイベントが発生してもイベントを検知できません。

図8‒2 イベントを検知できる期間

[図データ]

(2) スタンドアロンの場合

スタンドアロン構成の場合も,マネージャー・エージェント構成の場合と同様に,イベントジョブ実行継続オプションを使用した場合は,サービス停止時に「実行中」のイベントジョブの状態を再起動後も引き継ぎます。ただし,この場合はサービスをホットスタート(環境設定パラメーターSTARTMODEを「hot」とする)で再起動する必要があります。サービスの起動モードについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4 スケジューラーサービス環境設定」,または「6.2.1 JP1/AJS3起動時の動作を一時的に変更する」を参照してください。

(3) 注意事項

(4) 補足事項